超絶クールな先輩は俺の前でふにゃふにゃのSubになる

おもちDX

文字の大きさ
15 / 57
本編

14.

しおりを挟む

「これまでに何度もここでプレイしたことあるんですね?」
「うん……え、なに?」

 どうして突然そんなことを尋ねられるのかわからない。膝の上に片肘をついている風谷は、眉根を寄せてどこか不満げだ。
 そんな表情を見るのははじめてで、僕は戸惑った。怒らせてしまった気がするけど、理由がわからない。
 
静かにShush。膝は床につけましょうか。正座を崩した感じで……女の子座りってやつ」
「ッ……」

 喋ることを制限されて、言われるがまま床にぺたんと座った。手は前に置いたままだから腰が反る。服従というより本当に女の子みたいで、甘えるような姿勢だ。
 
 これでいいのだろうか? じっと目を見つめていると、風谷はふっと微笑んだ。眉尻が下がって目が細まる。

「うん……すごくいいです。よくできましたGood boyね、先輩」
「……ぅ……ぁ……っ」

 褒めながら優しく頭を撫でられて、反った腰がひくひくと揺れる。コマンドも、褒められるのも気持ちいいけど……風谷に触れられると直接的な快感が体内を駆け巡った。
 声を我慢していると、快感が腰のあたりに溜まってゆくような気がする。

 思わず目の前の膝にくてん、と頬を乗せ、接触部分を増やす。勝手な行動をしてしまったものの、叱られることはない。
 頭を撫でる手が止まらないのをいいことに、僕は膝に頬ずりした。ふわふわとした快感が僕を包んでいる。ずっと揺蕩っていたいと感じるほど、気持ちよくて幸せ。

 ――なんとなく、勝手にそこで終わりだと思っていたのは、いままで風谷とは軽いプレイしかしたことがなかったからだ。
 離れて行った手に名残惜しさを感じていると、新たなコマンドが発せられた。

「さて、先輩。脱いでくださいStrip。できるところまで」
「え……」
しっSh。コマンド破ったらお仕置きですよ? 嫌ならセーフワードを使ってください。さぁ、。俺に見せて?」

 まさかと思った。風谷がそんなコマンドを使うなんて。
 
 プレイは性的接触に繋がりやすいけれど、僕はこれまでそういった行為をしたことがない。高校生特権でオーナーの許可を振りかざし、事前に脱ぐことさえできないと伝えていたのだ。
 それでも雪さんのプレイバーでは優しい人が多く、今までの相手はみんなお遊びみたいなプレイにも付き合ってくれていた。

 他の相手だったら迷わずセーフワードを使っていたはずだ。でも……僕の手は考えている間にも動き、半袖シャツのボタンを外しはじめている。
 できるところまでって、言ってくれたし。自分でセーフワードを使ってもいいとまで言ってくれるDomなんて、初めてだ。

 支配する本能を持つくせに、Subに甘さを見せる風谷に報いたかった。ていうか、たぶん……プレイの相手を僕しか知らないだろう風谷を、引き止めたかったのだ。
 男として、Domとしても引く手あまたに違いない風谷が、僕だけを見ている時間。ぞくぞくと痺れのような興奮が沸きおこり、頭にもやがかかっていく。

 シャツを脱いで、勢いのまま中のインナーも脱いでしまった。空調が効いているはずなのに、汗ばんだ胸に涼しさを感じる。ズボンに手をかけたとき、迷いがよぎって風谷を見上げた。
 
 彼はじ……っと僕を見ていた。頬に上る熱を感じ、視線を下ろす。いや、見てLookのコマンドがあるんだった。いま免除されているのは、脱いでStripを遂行中だからだ。

(ど……どうしよう)

 いまや僕は、風谷のくれた優しいコマンドにとっても困らされていた。できるところまで、なんてずるい。
 そんなの、『俺のためにどこまで脱げる?』と同義じゃないか。僕は……どこまでできる? 頭の中の天秤がゆらゆら揺れる。

「先輩、無理しないで」
「…………」

 ――カタン、と天秤が音を立てた。
 
 ゆっくりジッパーを下ろす。腰を上げズボンを太ももまで下げて、あとは足先から抜き去った。
 
 恥ずかしくて身体が熱い。でもここまで来たら、自分がちゃんとできるSubであると証明したい。
 僕はもう一度風谷に教えられた姿勢で跪いた。しっかりと目を見つめる。

「よくできましたGood boy。嬉しいです」
「ん……」

 褒めてもらえた。うれしい。このために自分はがんばったのだ。

「こっち来てCome。もっと寄ってください」

 風谷が自身の手で腿をポンポン叩く。僕は吸いよせられるように風谷の脚のあいだまで身体を進め、腿の上にこてんと頭を乗せた。その頭に大きな手が乗せられる。
 
 撫でながら、上げた前髪をくしゃくしゃっと混ぜられて、くすくす笑う。
 甘やかされて、幸せで。わずかに残っていた理性も溶けて消えてゆく。

「あぁ~~~っ、もう!」

 ぐっと身体を折りたたんだ風谷が、上から僕の頭を包み込むように抱きしめてきた。目の前が真っ暗になり、風谷の匂いと体温に包まれる。グレープフルーツみたいな、爽やかな香りがした。

「かわいすぎでしょっ……!」
「っん……は……」

 耳元で喋られて、くすぐったさにぶるっと身体を震わせた。素肌に風谷が触れている。実感してしまうと、どきどきして、ぞくぞくが止まらない。

「……先輩? あ、もう喋っていいですよ」
「んっ。かざやぁ、きもちー……」
「……先輩、勃っちゃったんですか? え。えろ……男なのに……。なんなんだよもう……」
「なぁ、ぐれあもっと……」

 もう気持ちいいということしか考えられなかった。風谷が手を伸ばし、僕の中心に触れてくる。

「ふ、あっ……んん……」

 きもちいい。また一段と増やされたグレアに、身も心もとろけてゆく。
 下着越しにゆるく扱かれて、さらに張り詰める。全く触れていなかったのに、もう絶頂を迎えそうだ。風谷の手に押し付けるように、腰がへこへこと動く。

「朔先輩、ご褒美です。イッてCum
「ひあっ……~~ッ!!」

 完全に支配されていた身体はたやすく命令を聞いた。自慰とは違う突き抜けるような快感に、何度も身体を震わせる。
 こんなの、知らない。プレイの延長でおこなう性行為が、こんなにも気持ちいいなんて。

 風谷が起き上がったことで、まぶたの裏に光を感じた。でも眠くて眠くて、とても目を開けられそうにない。
 不安症のせいでここのところずっと寝不足だったのだ。欲求が解消されて、身も心もスッキリして。下着の中だけ気持ち悪いけど……それを上回るくらい眠気が強い。

「ちゃんとイけて、えらいですGood boyね。先輩」
「えへへ、うれしー……」

 また頭を撫でられて、ふにゃふにゃと顔が緩む。風谷にほめてもらえた。きっとこれで、風谷にとっていちばんのSubになれた。
 僕は自分の成果に大満足して、そのまま夢の世界へと旅立った。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

【完結】俺だけの○○ ~愛されたがりのSubの話~

Senn
BL
俺だけに命令コマンドして欲しい 俺だけに命令して欲しい 俺の全てをあげるから 俺以外を見ないで欲しい 俺だけを愛して……… Subである俺にはすぎる願いだってことなんか分かっている、 でも、、浅ましくも欲張りな俺は何度裏切られても望んでしまうんだ 俺だけを見て、俺だけを愛してくれる存在を Subにしては独占欲強めの主人公とそんな彼をかわいいなと溺愛するスパダリの話です! Dom/Subユニバース物ですが、知らなくても読むのに問題ないです! また、本編はピクシブ百科事典の概念を引用の元、作者独自の設定も入っております。 こんな感じなのか〜くらいの緩い雰囲気で楽しんで頂けると嬉しいです…!

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

学校一のイケメンとひとつ屋根の下

おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった! 学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……? キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子 立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。 全年齢

愛されSubは尽くしたい

リミル
BL
【Dom/Subユニバース】 玩具メーカーの取締役開発部長Dom(37)×元子役の大学生Sub(20) かつて天才子役として名を馳せていた天使 汐は、収録中にSub drop(サブドロップ)に陥り、生死の境をさまよう。 不安定になっていた汐を救ったのは、スーツ姿の男だった。 素性や名前も知らない。でも、優しく撫でて「いい子」だと言ってくれた記憶は残っている。 父親の紹介で、自身の欲求を満たしてくれるDomを頼るものの、誰も彼も汐をひたすらに甘やかしてくる。こんなにも尽くしたい気持ちがあるのに。 ある夜、通っているサロンで不正にCommand(コマンド)を使われ、心身ともにダメージを負った汐を助けたのは、年上の男だ。 それは偶然にも15年前、瀕死の汐を救った相手──深見 誠吾だった。 運命的な出会いに、「恋人にもパートナーにもなって欲しい」と求めるも、深見にきっぱりと断られてしまい──!? 一筋縄ではいかない17才差の、再会から始まるラブ! Illust » 41x様

世界で一番優しいKNEELをあなたに

珈琲きの子
BL
グレアの圧力の中セーフワードも使えない状態で体を弄ばれる。初めてパートナー契約したDomから卑劣な洗礼を受け、ダイナミクス恐怖症になったSubの一希は、自分のダイナミクスを隠し、Usualとして生きていた。 Usualとして恋をして、Usualとして恋人と愛し合う。 抑制剤を服用しながらだったが、Usualである恋人の省吾と過ごす時間は何物にも代えがたいものだった。 しかし、ある日ある男から「久しぶりに会わないか」と電話がかかってくる。その男は一希の初めてのパートナーでありSubとしての喜びを教えた男だった。 ※Dom/Subユニバース独自設定有り ※やんわりモブレ有り ※Usual✕Sub ※ダイナミクスの変異あり

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

おすすめのマッサージ屋を紹介したら後輩の様子がおかしい件

ひきこ
BL
名ばかり管理職で疲労困憊の山口は、偶然見つけたマッサージ店で、長年諦めていたどうやっても改善しない体調不良が改善した。 せっかくなので後輩を連れて行ったらどうやら様子がおかしくて、もう行くなって言ってくる。 クールだったはずがいつのまにか世話焼いてしまう年下敬語後輩Dom × (自分が世話を焼いてるつもりの)脳筋系天然先輩Sub がわちゃわちゃする話。 『加減を知らない初心者Domがグイグイ懐いてくる』と同じ世界で地続きのお話です。 (全く別の話なのでどちらも単体で読んでいただけます) https://www.alphapolis.co.jp/novel/21582922/922916390 サブタイトルに◆がついているものは後輩視点です。 同人誌版と同じ表紙に差し替えました。 表紙イラスト:浴槽つぼカルビ様(X@shabuuma11 )ありがとうございます!

処理中です...