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「飛行型の魔物は、空中から先制攻撃を仕掛けてくることが多い。まずは防御陣形を組むように。盾隊、そして魔法防御が得意な者は前に! 後ろには弓隊だ。だが魔物の皮膚は硬く、鱗で覆われていることも考えられる。風魔法が得意かつ精度の高い者の矢でもなければ、基本的に刺さらないものと思った方がいい。それに当てはまらない人は、怪我人の手当と市民を安全な場所へ誘導することを優先しよう」
各副団長や隊長クラスの指示でフォーメーションを組むが、慣れていない者の動きは遅い。それどころか目の前に魔物や守るべき市民がいないからか、明らかにやる気のない目をしている者までいた。
イーリスはせっかくの機会なのにともどかしく、うろうろするだけの騎士に対してつい口を出してしまった。
「なあ、今動けないと本番で死ぬぞ。あるいは市民に目の前で死なれちまう……」
「うるせぇなぁ~、田舎者が」
「はあっ!? 気取ってるだけの弱いやつがなに言ってんだ!」
金茶色の髪をした青年に田舎者と言い返された瞬間、キレたのは隣にいたビアだった。騎士なら多いのかもしれないが、予想外の喧嘩っ早さにイーリスの方がギョッとした。
手こそ出していないもののビアが相手の間近に迫って睨みを利かせると、向こうの方から胸倉を掴んでくる。すぐに周囲が「喧嘩か!?」と騒ぎ出し、イーリスは慌てて二人を引きはがした。
二人ともイーリスよりは小柄なので首根っこを掴んで両手でプラン……とさせる。
「喧嘩してたら……死ぬっつってんだろ~~~!」
走ってきた保安隊長が呆気にとられた。
「お前、いい身体してんなあ……」
「こいつがクヴェルのスカウトしてきたイーリスですよ。隊長、個人訓練も大切でしょう。まずは一対一で模擬戦なんてどうですか?」
「ああ、それもいいか」
昨日会ったラートが隊長の横にいて、何やら提案している。イーリスは二人を両腕で持ち上げたまま、成り行きに疑問符を浮かべていた。
ビアと喧嘩しようとしていた男はクラインと言って、イーリスと同い年の近衛騎士らしい。腕っぷしには自信があるようで、「身体がでかいだけのやつに負けるかよ!」とにやにやしている。
「イーリス、負けんなよ!」
「まあ、いいけど……」
ビアに威勢よく背中を叩かれて、イーリスは人が作った輪の中心に歩みを進めた。互いに刃を潰した模擬剣を持っている。相手はもう構えている。
「魔法は?」
「もちろん使っていいぜ!」
開始の合図も聞かず、クラインは風魔法を使った超スピードでイーリスに接近してくる。反射神経だけで迫る刃を跳ね返したイーリスは、次の瞬間刃に炎を纏わせた。
「おおっ……!」
純度の高い高温の炎は、一見冷たそうに見えるほど青い。周囲から歓声が上がったが、イーリスは目の前の相手に集中していた。
各副団長や隊長クラスの指示でフォーメーションを組むが、慣れていない者の動きは遅い。それどころか目の前に魔物や守るべき市民がいないからか、明らかにやる気のない目をしている者までいた。
イーリスはせっかくの機会なのにともどかしく、うろうろするだけの騎士に対してつい口を出してしまった。
「なあ、今動けないと本番で死ぬぞ。あるいは市民に目の前で死なれちまう……」
「うるせぇなぁ~、田舎者が」
「はあっ!? 気取ってるだけの弱いやつがなに言ってんだ!」
金茶色の髪をした青年に田舎者と言い返された瞬間、キレたのは隣にいたビアだった。騎士なら多いのかもしれないが、予想外の喧嘩っ早さにイーリスの方がギョッとした。
手こそ出していないもののビアが相手の間近に迫って睨みを利かせると、向こうの方から胸倉を掴んでくる。すぐに周囲が「喧嘩か!?」と騒ぎ出し、イーリスは慌てて二人を引きはがした。
二人ともイーリスよりは小柄なので首根っこを掴んで両手でプラン……とさせる。
「喧嘩してたら……死ぬっつってんだろ~~~!」
走ってきた保安隊長が呆気にとられた。
「お前、いい身体してんなあ……」
「こいつがクヴェルのスカウトしてきたイーリスですよ。隊長、個人訓練も大切でしょう。まずは一対一で模擬戦なんてどうですか?」
「ああ、それもいいか」
昨日会ったラートが隊長の横にいて、何やら提案している。イーリスは二人を両腕で持ち上げたまま、成り行きに疑問符を浮かべていた。
ビアと喧嘩しようとしていた男はクラインと言って、イーリスと同い年の近衛騎士らしい。腕っぷしには自信があるようで、「身体がでかいだけのやつに負けるかよ!」とにやにやしている。
「イーリス、負けんなよ!」
「まあ、いいけど……」
ビアに威勢よく背中を叩かれて、イーリスは人が作った輪の中心に歩みを進めた。互いに刃を潰した模擬剣を持っている。相手はもう構えている。
「魔法は?」
「もちろん使っていいぜ!」
開始の合図も聞かず、クラインは風魔法を使った超スピードでイーリスに接近してくる。反射神経だけで迫る刃を跳ね返したイーリスは、次の瞬間刃に炎を纏わせた。
「おおっ……!」
純度の高い高温の炎は、一見冷たそうに見えるほど青い。周囲から歓声が上がったが、イーリスは目の前の相手に集中していた。
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