セフレの恋は難しい(同僚ならなおさら)

おもちDX

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「ぁ、……んぅ」

 肚の中に感じる熱と重みと、きゅうきゅう無意識に締めつけるたび感じる質量に、俺は甘い吐息を漏らした。

 純希は俺をタオルで包んでベッドに運んだあと、ガツガツ抱くと思ったらゆっくり時間をかけて挿入してきた。
 ちゅ、ちゅ、と顔にキスのスタンプをいくつも押し、輪郭を辿るみたいに手であちこち撫でられると冷静になりかけた思考は再び溶け出してしまう。

「痛くない?」と何度も尋ねられて首を振る。それどころか今までにないほど最初から快感を拾ってしまい、ぎゅっと枕を掴んでいる。

 俺を見下ろしている精悍な顔は相変わらず美しくて、これまで以上にプライベートだった。いつも涼しげな目尻は興奮に赤く染まり、形のいい唇は俺にキスしすぎたせいでひどく血色がいい。

 いつも背後から抱いてもらっていたのに、今日は問答無用で正常位だ。俺の顔はぐずぐずに蕩けて見せられないものになっていると思うけど、純希のこんな顔が見られるのは役得だな思う。

 こんなにもいい男が、硬くした屹立を俺なんかに埋めている。その事実が不思議で、でもなおさら、興奮する。

「……っぁ、ぁ」

 まただ。しっかりと奥まで満たされて、まだ純希は動いてもいないというのに。
 たびたび粘膜が純希をさらに奥まで誘うように蠢いて、勝手に快感を得てしまう。

 俺ばっかり、おかしい。

 焦ったさを表すように腰を揺らすと、純希はクッと口角を上げて笑った。

「今日は、すごいな?」
「だってぇ……こんなの、知らない……っああ!」

 いつもはすぐに高みへ押し上げてくれるのに、こんなにもゆっくり丁寧に拓かれてしまったら、未知の扉が開かれてしまいそうだ。
 クンッと一度だけ奥を突くように腰を動かした純希に、俺はびくんと腰を跳ね上げて反応を返してしまう。

「へん、へんだ……じゅんき、」
「んー? 気持ちいいなら、よかった。おれも気持ちいい」

 繋がっているだけで気持ちよくて、腰の裏あたりがどろどろと溶け出していくようだった。おかしさを訴えているのに純希は楽しそうな顔で俺の情けない顔を観察している。

 ただ「おれも気持ちいい」という言葉を頭が認識した瞬間、俺はとびきりのプレゼントをもらった子どもみたいな顔をして、ふにゃりと笑った。

「純希もきもちーなら、よかったあ……」
「くっっそ可愛いな!」
「ひゃあんっ!? あ、あっ……んっ……!」

 突然律動が始まって、バチバチと目の前に白い火花が散った。
 抜けていく熱に粘膜が追い縋るから、強い摩擦が起きて快感も増幅される。再び満たされるとき、ご丁寧にいいところをぐりぐりと押されて快感に溺れる声が抑えられない。

 動きが止まることは決してないけれど、ワンストロークがゆっくりで、長い。俺は純希のものの長大さを身をもって実感させられている。
 力の抜けた足を持って折り畳むみたいに身体を寄せられて、純希の顔が近づいてくると自然と顎を上げてしまう。枕を掴んでいた手が純希の首の後ろに回る。

 キスを強請った俺に「ふ、」と嬉しそうな息を漏らして純希が唇を深く合わせてきた。たっぷりと纏わせた唾液を塗り付けるように擦りつけてくる動きに、上も下も深く深く繋がっているのを感じる。

 二人の腹の間で俺のペニスが擦られて、透明な粘液をトロトロ吐き出している。
 俺はもうされるがままぐちゃぐちゃになった。きもちいい。きもちいい。

「じゅんきぃ、あっ……んぅ……」
「紗夜、すきだ」
「……ぁっ。まって、……ぃく、~~~っ、ァ、ぁあ――!」

 純希の声が聞こえた瞬間、臨界点間際でゆらゆらしていた快楽は一気に頂点を迎えた。肚の奥からさざ波のように痙攣が始まり、つま先がピンと伸びる。

 ぎゅうぎゅうと純希を締めつけながら、俺は時間をかけて達した。頭の奥がじいんと痺れて、ぴく、ぴくっと腰の裏が震える。

 トロトロと零れ出ている精液がへその窪みに溜まり、胸の方へ流れてくる。
 長い余韻に閉じなくなった唇の間から「んぅ、はぁっ」と喘ぎ交じりの吐息を漏らしながら、俺は涙で重くなった睫毛をふっと上げて純希の顔を探した。
 
 そこには獲物に牙を剝きたいのをぎりぎりで我慢しているような、欲求を抑えているせいでひどく色気をたたえた表情になっている一人の男がいた。赤い舌が唇をチロと舐め、黒い瞳はずっと俺を見据えている。

 愛すべき、俺の恋人だ。

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