朔の向こう側へ

星のお米のおたんこなす

文字の大きさ
8 / 36
旅立ち編

三本目『罪を裁く者』《後篇》①

しおりを挟む
「ぐッ……!?」

 ズキリと熱した針を刺した様な痛みが、パジェットの右腕、デクスターに刺された箇所に走り──パジェットはその顔を苦痛に歪ませる。

「第三級相当の聖遺物でも封じ込められないと言うのかッ……!? 死霊術師! 貴様これだけの霊魂をどうやって……!?」
「トップシークレット!! 君には冥土の土産だって渡さないもんね~!!」

 パジェットの言葉を聞いたセオドシアは見下すような、楽しむような──そんな笑顔を見せる。

「………………」

 パジェットは唇を強く噛み締めると、赤黒い茨を展開し、啖呵たんかを切る。

「ならば……もう一度捕らえて吐かせるだけだッ!!」
「フッ、いいだろう、お望み通り……来いッ!!『葬れギガ──……」
「それはダメッ!!」

 セオドシアが格好良く決めようとするのを、デクスターの呼び声によって急ブレーキを掛けられ、セオドシアはキメ顔のままずっこける。

「おいッ!? 何止めてくれちゃってんの、空気読めないなぁ~?」
「だって……ナイフ一本であんなに痛くなるんだよ!? 『葬れぬ者ギガゴダ』なんて使ったら本当に死んじゃうよ!!」

 そんな、どこまでも甘ったれたデクスターの台詞に、二人は呆気に取られてしまう。

「……君は、本気で言っているのか? 一応敵だぞ、ボクは?」
「そうだそうだ!! 大体それ、私がそんなことする理由なくない?」

 セオドシアの正論に、デクスター困った様子で視線を泳がす。

「え~っと~……も、もうスープ作ってやんないぞっ!!」
「なっ!? 一度与えたものを取り上げるなんて……この鬼!! 月住人ムーン=ビースト!! 私はもう君のじゃないと満足出来ないんだぞ!?」

 セオドシアは誤解されてしまいそうな言葉まで出しながら訴えかけるが、デクスターは腕を組み、プイっとへそを曲げてしまう。

「~~~ッ!! はいはいわかりました! 使わなきゃいいんだろ!? 上等だよ!!」
「なんだか知らんが……手を抜いて勝てると思わない事だなッ!!」

 パジェットは赤黒い茨を両腕から射出し、フックショットの要領でセオドシアに飛び蹴りをする。対するセオドシアはアタッシュケースに自身の血液を注ぎ、術式を発動させるべく叫び声を上げる。

「来いッ!! 『蹂躙四重奏ホワイプス=カルテット』ッ!!」

 すると、アタッシュケースから『蹂躙せし者ホワイプス』の骸骨が飛び出し、身代わりとなってそれを防いだ。

「ッ!? 月住人のアンデット!?」
「何を驚いてるんだい? 死霊術師なんだからアンデットくらい作るさ」

 アタッシュケースから、セオドシアの死霊に共通する青白い炎と奇妙な模様を持つホワイプスの骸骨が三体這い出る。先程パジェットによって破壊された骸骨も元の状態に組み合わさり、合計四体のホワイプスが、セオドシアを守る様に陣形を組む。

「馬鹿な……月住人は死亡後元の肉体に戻る……アンデットを作るなんてな筈だ!!」
「え? 不可能……?」

 パジェットのその言葉にデクスターは疑問符を浮かべ、初めて『葬れぬ者ギガゴダ』を見た時のことを思い返す。
 その時は初めて見る死霊術に圧倒されながらも、死霊術師は皆そう言うものなのだと思っていたのだが、どうやら驚愕する彼女の反応を見るに違うらしい。

(そう言えば……お父さんが倒された時も、あれじゃあ骨の収集なんて無理だよな……)

 彼の父親であり月住人に乗り移られたヘールも、セオドシアによって倒された後人間の体に戻っており、骨の収集が不可能である事はこの目で見ていた事を彼は思い出す。どういう事か問い掛けようとするよりも早く、セオドシアは口を開く。

「それもトップシークレットだ。聞いた所で、君の理解に及ぶとも思えんからな」

 それだけ言ってから、彼女は脛骨を取り出し、マーチングバンドの指揮棒みたいに動かすと、それに呼応して骸骨達が森を縦横無尽に飛び跳ねながら、パジェットに襲い掛かる。

(速いッ! あの姿形はハッタリでは無いという事か……だがホワイプス程度!!)

 パジェットは慌てる事なくその場に構えると、跳んで来る骸骨を茨で拘束し、流星が流れる様な速度でその拳を頭蓋目掛けて叩き込む……瞬間、その頭蓋がポロリと落ち、拳は空を切る結果に終わる。頭部だけでなく他の部位も解体され、茨の拘束から脱出する。

(ッ! なるほど……アンデット特有の四肢の自由な可動も出来るというわけか、性能は大したことなくても厄介だな……)

(やれやれ、お高い聖遺物に加えてその体術とはよりどりみどりだな……持久切れを狙ってんのに涼しい顔してやがる……けど!!)

 ホワイプスの骸骨がパジェットの右側に飛び上がると、他の骸骨がそれに飛び乗り、足場代わりにして跳躍すると、デクスターがナイフを刺した箇所目掛けて突進する。

「うぐっ!?」

 茨を伸ばし止めようとするが、アクロバティックな動きに予測が付けず、執拗に傷を攻められる。

(おのれ汚い手を……刺し傷がここまで痛むとは……だが……)

 パジェットは茨をトンネル状に構成させ、中にはパジェットとセオドシアの二人しか居ない密室を作り出す。隙間無く編み込まれた茨は新月の明かりも通さず、ホワイプスの力では到底こじ開けることなど出来なかった。

「やっぱり、そうするよねぇ」
「頭脳であるお前を倒せば奴等も行動不能になる。視界も塞がれ、肉弾戦でボクに勝てないのはわかっているだろう?……降参しておけば、痛い目を見ずに済むぞ?」
「ヒヒッ……ば~か、誰がするかよそんな──……」
「それは残念だ」

 パジェットはセオドシアとの距離を一瞬で詰め、右の拳を下からえぐって鳩尾に入れた。

「うぐごぁッ!?」

 支えを失ったセオドシアの体は、前のめりになってその場に崩れ落ちる。パジェットは彼女の手から手放された脛骨を左手で探って拾い上げ、勝利宣言をする。

「この骨で遠隔操作をしていたか……健闘した方だが、残念。ここまでだ」

「ゲホッ!? ォエッ!! クソ……痛い……へへっ、しかし、いいのかい? そっちで持って……しばらく両腕が痛むのは不便だろう?」
「……? 何を言って……」

 そう言った次の瞬間、セオドシアが指を鳴らすと、パジェットが持っていた脛骨が炎上し、その左腕を怨念の炎で焼き尽くす。

「きゃああああああああッ!?」
「ぐっ……イヒヒッ……いい声で鳴くじゃあないか、残念だが、私の骸骨はモーションが無くても思考命令が可能なんだよ……にしても、クソ……痛み分け……そっちのほうが痛そうだからよしとしよう……」

 両者はお互いに喰らわしたダメージにより、能力を強制解除させられる。パジェットは怨念の炎による苦痛で動けなくなる。セオドシアも肋骨にヒビが入り、呼吸が困難になってはいるが、戦闘続行にはなんら影響はなかった。

「ぐッ!? ァアッ……何故、腕が動かない……!? 何なのだこの炎は……!?」

「怨念……埋葬されなかった哀れな魂達だよ。さて、その痛みを味わい続けるのが嫌で、魂を手放す月住人を五万と見てきた……それに君は聖遺物の長時間行使で精神的にも弱っている……その炎をどうにか出来るのは私だけ……言いたいことは、わかるね?」

 セオドシアのその問い掛けに、パジェットは激痛が走る両腕で地面を掻き毟る。
 その言葉の意味する所は──敗北──しかも、憎き敵と定めている死霊術師に対し、苦痛に耐えかね自ら敗北を認める──その様な行為を退魔師である彼女のプライドが認めなかった。

「み、認めない!! ぐッ……腕は、まだあるッ!! 戦えるんだッ! 畜生ッ! なんで……ボクはッ……!!」
「もうやめようよ、こんな事ッ!!」

 パジェットの泣き出しそうな切実な訴えを、デクスターは喉が張り裂けそうな程に痛々しい声で止める。

「もう……やめようよ……なんでどっちも、悪いことしてないのに喧嘩するんだよ!?」

 デクスターは胸の内にあるものをパジェットに向けて噴出させる。

「それは……ボクが退魔師だから──「知った事じゃないよ!? 死霊術師がどれだけ恨まれてるのかも知らない! もしかしたら知らないだけで、本当にセオドシアは悪い奴なのかもしれない! けど……けど僕達、まだお互いのこと何も知らないじゃないか!? なんで知らない人とこんな憎み合わなきゃいけないんだよッ!?」

 そう叫ぶデクスターの声は裏返り、肩は小刻みに震えていた。
 怒っているのに、どこか優しい、そんな自分達退魔師が守るべき存在である子供の訴えに、パジェットの中にある憎しみの感情は、形を潜め始める。

「…………全く、泣き喚く子供に諭されて落ち着くんなら、最初からやんなよ……」
「な、泣いてないよ!?」
「……君達は、一体何なんだ……」
「さてね、今後の襲われない自己紹介って奴を覚える為にも知りたいもんだ」

 そう言うと、セオドシアは指を鳴らし、炎を解除する。

「……無念……」
「はぁ……やれやれ、デクスター君もこれでいいだろ?」
「……じゃあ、仲直りの握手して」
「「……は?」」

 二人は冗談だろと聞き返したくなったが、デクスターの強情らしい、人に迫る様な表情をしていた為、仕方なく二人は手を握る。

「いいか、勘違いするなよ? あの子の為だからな」
「ハイハイ、ヤサスィーデスネー」
「もう、また! ……でも、だいぶマシになったからいいや……」

 こうして死霊術師と退魔師の喧嘩が終わり、全てが丸く収まろうとしていた……。

 その時だった、草むらを何かが這いずる様な音がし、三人は這いずる何かに注意を向ける。

「グオアアア……」
「本物のホワイプスッ!?」

 そこには、下半身を引き摺りながら、ホワイプスが唸り声を上げながら近付いていた。すると、その場に居る誰よりも早く、パジェットはホワイプスの頭蓋目掛けて踵落としを喰らわせ絶命させる。

「全く……次から次へと落ち着けないな……」
「まだ居るよ!!」

 デクスターの言う通り、這いずるホワイプス達が再び草むらから現れる。

「どう言う事だ……? ホワイプス達の武器はその脚だろう? 何故例外なく下半身が使えなくなっているんだ?」
「彼ら頭悪いからねぇ~。人間の匂いを追い掛けてここまで来たわいいけど、その際に足を失ったんだろう。間抜けだなぁ~」
「なるほど……崖の上を選んで正解だったな……」
「ここ崖の上だったんだ? 寝てたからわかんなかったよ。さて、どうするか……さっき見た群れの数からして、相手をするのは骨が折れるよ?」

 セオドシアの言う通り、移動するだけで砂嵐を作り出すような規模の群れを、負傷した状態で相手をするとなると状況的に不利なのは明確だった。

「う~ん……どうすれば……」

 デクスターは唸りながら考える。このままでは、折角の和解が無駄になってしまう……それだけは、何としても避けなくてはならない気がした。

(使えるものを探すんだ……きっと……何か……)

 そうやって考えていると、深い水底から、ある考えがぽっかりと浮かぶ。

「……ねぇ、ホワイプスって鹿より間抜けかな?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

処理中です...