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アイウス編
六本目『影から移る者』④
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翌朝、デクスターの肩は脱臼で済んでいた様で、シスターの治療によって多少違和感はあるものの、問題なく動く事が出来た。
「……だからって、買い出し行かせるか普通……絶対セオドシアもう動けるだろ……」
セオドシアは、あの後も怪我人なのをいい事に、今まで以上に我儘な注文をし続け、
「デクスター君のスープじゃなきゃや~だ~!!」
と、年齢を問いただしたくなる様な癇癪を起こされ、渋々材料を知っているデクスターがお使いをする事になった。
「全く……セオドシアの奴覚えてろよ……」
そう言いながら、自分の買ったものとシスターから貰った財布の中を確認する。得意料理である野菜スープの材料自体は揃っているが、まだ中身に余裕があった。
「……何か精の付くものでも入れてあげるか……」
一応、怪我人だし。そう思って、デクスターは精肉屋にまで足を運ぼうとすると、後ろから何かにぶつかる。
「うわっ!?」
「おっとごめんよ~!! 子供は急に止まれないんでね~!!」
ぶつかって来たのは自分より少し歳の低そうな子供だったようで、謝りながらどこか急いだ様子で走っていた。
「いてて……何だよ……あれ? あっ!? 財布が無い!? ちょちょちょっま、待ってよ!!」
デクスターは、あの子供が財布を盗んだと気付き、人混みの中を逃げて行く子供を追いかける。子供は、ドブ鼠の様にすばしっこく、簡単には捕らえられなかった。
「待ってよ!! そのお金はスープの為に必要なんだ!!」
子供は、そんなデクスターの叫びもどこ吹く風で、路地裏の方へと入っていく。デクスターも追いかけ、路地裏の奥へと入っていく。
どうやらそこは行き止まりになっている様で、追い詰める事に成功する。
「……ハァ……ハァ……ようやく追い詰めたぞ……さぁ返せ! 早く!」
息を切らしながら、デクスターが子供を睨むと、子供はニヤリと笑い、口を開く。
「ばーか、お前が追い詰められたんだよ」
その言葉の後すぐ、デクスターの後頭部に強い衝撃が走る。
「ガッ!? セオ……ド……シ……」
そのまま意識が遠のき、デクスターの意識は深い深い闇の底へと消えていく。
「──悪いな、これも全て母さんの為だ」
消え行く意識の中、そんな言葉が、最後に聞こえた気がした……。
「……だからって、買い出し行かせるか普通……絶対セオドシアもう動けるだろ……」
セオドシアは、あの後も怪我人なのをいい事に、今まで以上に我儘な注文をし続け、
「デクスター君のスープじゃなきゃや~だ~!!」
と、年齢を問いただしたくなる様な癇癪を起こされ、渋々材料を知っているデクスターがお使いをする事になった。
「全く……セオドシアの奴覚えてろよ……」
そう言いながら、自分の買ったものとシスターから貰った財布の中を確認する。得意料理である野菜スープの材料自体は揃っているが、まだ中身に余裕があった。
「……何か精の付くものでも入れてあげるか……」
一応、怪我人だし。そう思って、デクスターは精肉屋にまで足を運ぼうとすると、後ろから何かにぶつかる。
「うわっ!?」
「おっとごめんよ~!! 子供は急に止まれないんでね~!!」
ぶつかって来たのは自分より少し歳の低そうな子供だったようで、謝りながらどこか急いだ様子で走っていた。
「いてて……何だよ……あれ? あっ!? 財布が無い!? ちょちょちょっま、待ってよ!!」
デクスターは、あの子供が財布を盗んだと気付き、人混みの中を逃げて行く子供を追いかける。子供は、ドブ鼠の様にすばしっこく、簡単には捕らえられなかった。
「待ってよ!! そのお金はスープの為に必要なんだ!!」
子供は、そんなデクスターの叫びもどこ吹く風で、路地裏の方へと入っていく。デクスターも追いかけ、路地裏の奥へと入っていく。
どうやらそこは行き止まりになっている様で、追い詰める事に成功する。
「……ハァ……ハァ……ようやく追い詰めたぞ……さぁ返せ! 早く!」
息を切らしながら、デクスターが子供を睨むと、子供はニヤリと笑い、口を開く。
「ばーか、お前が追い詰められたんだよ」
その言葉の後すぐ、デクスターの後頭部に強い衝撃が走る。
「ガッ!? セオ……ド……シ……」
そのまま意識が遠のき、デクスターの意識は深い深い闇の底へと消えていく。
「──悪いな、これも全て母さんの為だ」
消え行く意識の中、そんな言葉が、最後に聞こえた気がした……。
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