レインボーダイヤモンド

かるぼ

文字の大きさ
2 / 6

フェニックス-1

しおりを挟む
あの爆発から90年後


火山の街フェニックス


「ただいま~」

「おう、おかえり。早かったなグラフ」

「今日は暇だからもう帰っていいって、親方が」
「兄さんこそ、今日仕事じゃなかったの?」

俺はグラフ、フェニックスの街はずれでアーガイル兄さんと暮らしている。鍛冶屋の見習いだ。
アーガイル兄さんはこの街の憲兵だ。


「今から出るとこだ、今日は調査団が来るみたいだからその人の警護だな」

「調査団?」

「なんか、火山の調査らしいぜ、ブラックダイヤモンズっていう…」

「あーそういえば黒いフード被った人をちらほら見かけたな」

ブラックダイヤモンズ、この国の王室直属の部隊。失われた魔法を復活させる調査をしているらしい。
国王が新しくなってさらに調査に力を入れている。

「あいつら怪しくないか?大丈夫?」

「まあそう言うなよ、結構金払いいいんだよ
、火山の調査って言っても噴火するわけじゃなし、実質道案内だけだから大丈夫さ」

「それならいいけど…」

「じゃあ俺そろそろ出るわ、夕飯よろしくな」

「また俺かよ?ここんとこずっとじゃないか」

「お前の方がうまいからな。この仕事終わったらご馳走するからよろしくな」

「はいはい、期待しないで待ってるよ。行ってらっしゃい~」






何と無く嫌な予感がした、兄さんが帰ってこないような…

「買い出しついでに墓参りでもするかな」



「いらっしゃーい」

こじんまりとしたお花屋さん、店は大きくは無いが花の種類も多く、店員さんもお花に詳しい。

「あらグラフじゃない、久しぶりね」

「ミモザさん、お久しぶりです」

「どうしたの?珍しいわね~、デート用のお花かしら?」

「いや、、ちが、、」

ミモザさんはそのまま話を続ける

「デート用だと最近の流行りはこれかしらね~、ルビーローズ!安くしとくわよ~」
「それか、そうねロードライドローズなんかも人気ね~」
「あとは、、、、」

「ミモザさん!!」

「冗談よ、冗談、いつものお墓参り用のでいいのかしら?」

「はい、お願いします。」

ミモザさんは笑いながらお墓参り用のお花をいくつか纏めてくれた。

「はい、200ディゴね」

「ありがとうございます」

淡い黄色と白いお花を纏めてくれたようだ、お花にそんなに詳しく無いが、ミモザさんが選んでくれるお花はいつも俺の好みに合う。

しばらく歩いて街の教会に到着した。

石造りのちっちゃな教会。神父さんが綺麗に手入れをしている。

俺は両親の墓前にお花を添えて手を合わせた。


--------------------
ディゴはこの世界の通過です。

お花の名前は宝石からとってます。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...