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第52話|キャンセルされた一杯、変わった行き先
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もう訳が分からなくなった湊は勢いよくビールを一気に飲み干した。
グラスを空にするその仕草は彼なりの“落ち着かせる癖”だ。
飲みの場で緊張すると無意識にアルコールで自分を整えようとする。
朝霧はそんな湊をいつもの癖だな。と、ただ静かに見つめていた。
「はぁ、、、。」
一息つきビールを飲み干した湊。
その動作を確認すると朝霧はふっと笑みを浮かべる。
「じゃあ、次はウーロンハイでいくか。いつもウーロンハイ飲んでたもんな。」
軽く言ったその一言に湊はまた心の中で小さく動揺する。
覚えてくれている。昔の俺の事。
「はい。ウーロンハイは軽く飲めるけど、だからこそつい飲みすぎちゃうし、酔いも回るの早いから飲み方には気をつけてねって、、、。」
「、、、綾瀬さんが教えてくれたの?」
湊はそっと頷く。
なんだか、、、綾瀬の犬みたいに素直に忠実でちゃんとアドバイスを守ってる。
綾瀬はふと心の中でモヤリとする。
昔は自分にだけ懐いてしっぽでも振るみたいに素直に心を見せてくれていたのに。
今はその姿を別の男に見せている。
なんだか奪われたみたいな嫌な気分になる。
湊を、綾瀬に渡したくない。
その思いがふとした瞬間に体の奥から一気に溢れ出した。
自分でも驚くほどの感情だった。
ブワッ――と、足のつま先から頭の先まで電気が走るような感覚。
思わず鳥肌が立ち心臓の奥がぎゅっと締め付けられる。
ただ、湊を、自分のそばに置きたい。その一心だけが、身体中を貫いた。
「湊さ、予定変更してもいいかな?」
「え、、、?あ、はい、大丈夫です、、、。」
朝霧の声に湊の心臓が小さく跳ねる。
「この後予定ある?」
「いえ。明日は休みだし、特に何も、、、。」
その瞬間朝霧はタブレットでウーロンハイをキャンセルし会計ボタンを押した。
動作は自然だけど湊には心臓を掴まれたような衝撃が走る。
「湊、これからうちこない?」
「えっ、、、!?」
「ん?何か都合悪い?」
「い、いえ、大丈夫です、、、。」
湊は頭の中で計算する。
今何時だ、、、20時。
この時間から先輩の家に向かえば遠くても一時間はかかる。
終電までに戻るとしても滞在できる時間はかなり限られている。
今から、ここから、、、?
「じゃ、行こっか。」
早速部屋を出る朝霧を湊は慌てて追いかける。
支払いはもうカードで済ませてくれたみたいだ。
「あ、あの、、、お金、、、。」
「ん?いらないよ。後輩に払わすわけないだろ笑」
スマートで余裕のある対応。
大学時代もよくご馳走になっていたことをふと思い出す。
「ここから電車で30分くらいかかるから。降りたらすぐマンション着くよ。」
「駅近マンション、、、先輩らしいですね、、、。」
「何だよそれ。行くぞ。いそげー!」
駅まで軽快に走る朝霧の背中を湊は必死で追いかける。
懐かしい感覚が胸を満たす。
あの頃先輩についていったあの気持ちと同じ少しドキドキして少しわくわくする感覚。
グラスを空にするその仕草は彼なりの“落ち着かせる癖”だ。
飲みの場で緊張すると無意識にアルコールで自分を整えようとする。
朝霧はそんな湊をいつもの癖だな。と、ただ静かに見つめていた。
「はぁ、、、。」
一息つきビールを飲み干した湊。
その動作を確認すると朝霧はふっと笑みを浮かべる。
「じゃあ、次はウーロンハイでいくか。いつもウーロンハイ飲んでたもんな。」
軽く言ったその一言に湊はまた心の中で小さく動揺する。
覚えてくれている。昔の俺の事。
「はい。ウーロンハイは軽く飲めるけど、だからこそつい飲みすぎちゃうし、酔いも回るの早いから飲み方には気をつけてねって、、、。」
「、、、綾瀬さんが教えてくれたの?」
湊はそっと頷く。
なんだか、、、綾瀬の犬みたいに素直に忠実でちゃんとアドバイスを守ってる。
綾瀬はふと心の中でモヤリとする。
昔は自分にだけ懐いてしっぽでも振るみたいに素直に心を見せてくれていたのに。
今はその姿を別の男に見せている。
なんだか奪われたみたいな嫌な気分になる。
湊を、綾瀬に渡したくない。
その思いがふとした瞬間に体の奥から一気に溢れ出した。
自分でも驚くほどの感情だった。
ブワッ――と、足のつま先から頭の先まで電気が走るような感覚。
思わず鳥肌が立ち心臓の奥がぎゅっと締め付けられる。
ただ、湊を、自分のそばに置きたい。その一心だけが、身体中を貫いた。
「湊さ、予定変更してもいいかな?」
「え、、、?あ、はい、大丈夫です、、、。」
朝霧の声に湊の心臓が小さく跳ねる。
「この後予定ある?」
「いえ。明日は休みだし、特に何も、、、。」
その瞬間朝霧はタブレットでウーロンハイをキャンセルし会計ボタンを押した。
動作は自然だけど湊には心臓を掴まれたような衝撃が走る。
「湊、これからうちこない?」
「えっ、、、!?」
「ん?何か都合悪い?」
「い、いえ、大丈夫です、、、。」
湊は頭の中で計算する。
今何時だ、、、20時。
この時間から先輩の家に向かえば遠くても一時間はかかる。
終電までに戻るとしても滞在できる時間はかなり限られている。
今から、ここから、、、?
「じゃ、行こっか。」
早速部屋を出る朝霧を湊は慌てて追いかける。
支払いはもうカードで済ませてくれたみたいだ。
「あ、あの、、、お金、、、。」
「ん?いらないよ。後輩に払わすわけないだろ笑」
スマートで余裕のある対応。
大学時代もよくご馳走になっていたことをふと思い出す。
「ここから電車で30分くらいかかるから。降りたらすぐマンション着くよ。」
「駅近マンション、、、先輩らしいですね、、、。」
「何だよそれ。行くぞ。いそげー!」
駅まで軽快に走る朝霧の背中を湊は必死で追いかける。
懐かしい感覚が胸を満たす。
あの頃先輩についていったあの気持ちと同じ少しドキドキして少しわくわくする感覚。
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