診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第2章 外科の未来、その先へ

40話 足バタバタ

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 夏への説明は続く。

「それとさ、眼科と耳鼻科の先生には、ちゃんと手紙を出さないとダメだよ。

そして、伺って説明する時間をもらうんだ。その時は、具体的な資料を作って渡してね。

向こうだって、考える時間が必要だからさ。

向こうのスタッフも、そのままうちに来てもらって、菜の花のスタッフにするんだろ?

眼科だったら、目の検査にたくさんのスタッフがいるから、まとめて来てもらわないといけない。

もし嫌だと言われたら、眼科だけでたくさんのスタッフをうちが募集しないといけないから大変だよ」

話している間に、夏は頭を抱えてうつむいた。

桐生「ああ~なるほど、本当にそうですね。だったら、むしろ真っ先にお話をした方が、こちらも助かりますよね?」

夏「ああ~もう‥‥‥もう~面倒くさいよ~、大変すぎるよ~、やだよ~……」

ソファに座ったまま両手で頭を抱え、後ろにそっくり返って足までバタバタしている。

足バタバタは夏の癖だな……ったく。

「そうか……夏の能力では無理なんだね……分かった」

「じゃあ桐生さん、君にすべて任せるよ。早速、耳鼻科と眼科に渡せる手紙と資料を作ってくれますか?

内容は社長と相談してください。出来上がったら僕にも見せてもらえますか?

もう理事には通さなくていいからね」

桐生「はい、かしこまりました」

「じゃあ、お願いしますね。今日はもう上がっていいですよ。お疲れさまでした」

夏「ちょっと!なんでだよ。桐生さんは俺の秘書なんですけど?」

「能力のないヤツに秘書なんか贅沢なんだよ」

「もう知らない!! 桐生さん、行きますよ!」と捨て台詞を残して出て行った。

夏を追いかけながらも、桐生さんは俺をちらっと見て笑って行った。

ははっ、ああ~疲れる。

ちょっと気が重いまま帰宅した。

莉子と桃香がもう夕飯を食べていた。

「桃香は今日は早かったの? 今から迎えに行こうと思ったのに」

莉子「学校の都合で1時間早く終わったんだって。だから塾も1時間早く帰らせたよ」

そうなんだ。「夏は?」

莉子「知らな~い。さっき帰ってたけど、また出かけたのよ。ごはん要らないんじゃないの」

「じゃあ、ご飯を食べることにしようか」

「桃香、今日は塾でどんなことを習ったの?」

「う~んとね。数学と国語だよ」

「ふ~ん、国語って、教科書の国語?」

「うん、でも教科書は5年生のを借りたんだ」

「はあ、なるほどね」——国語まで先をやってるんだ。

莉子「桃香はどんどん勉強が進んでるんだねえ。すごいねえ」

桃香が褒められて、えへへへと照れ笑いをしていた。

俺はそのまま食べて寝ることにした。今日は疲れた。

夜中、がさごそと気配がすると、夏が背中に張り付いていた。

ここは無視だ。甘やかさないぞ。

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