診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

文字の大きさ
51 / 431
第3章 新たな人材を求めて

49話 社長のプレゼント

しおりを挟む
 昨日の衝撃発表で朝礼は揺れ、部長たちは大きな宿題を抱えることになった。

ところが今日は、それ以上に驚くサプライズが届いた。

夏が得意げに持って帰ってきた。

「これね、俺も見たんだけど、度肝を抜かれたよ。早く皆に見せたい!」

そう言って院長室のテレビに映した映像は――。

2号館の完成した姿が、まるで目の前にそびえているかのようなリアルさで再現されていた。

映画のワンシーンのように鮮やかで、しかも自分がそこに入ると次々にドアを開け、廊下を歩き回ることができる。

「すごいなあ……!」

ただただ感心するばかりだった。

なによりも、研修生のための施設までコンパクトながらきちんと備わっていたのだ。

各フロア構成

地下 厨房
   管理スタッフの集会部屋(約6畳)
   ごみの集積場
   物流受け入れ所
   トラック搬入口
   
1階
薬局、医事課、受付、会計、入院相談、相談室。
待合室、壁面を利用したコンパクトな売店、ATM。
外来は耳鼻科、眼科。

2階
産婦人科エリア、外科エリア、救命センター、泌尿器科、処置室、医局、静養室。

3階
見学席付き大規模手術室、中規模手術室、小規模手術室。
麻酔科外来、放射線科外来、臨床検査室、ICU、回復室、静養室。
医局、カンファレンスルーム、研修生ラウンジ、ミーティングルーム。

4~7階
100床の病室。各階に医局とナースステーション。ラウンジ、キッチン。

8階
スタッフ寮(1DK・約45㎡)が12室。エレベーター前にラウンジ。

9階
医師寮(1LDK・約50㎡)が8室。
男女別の大浴場と休憩室、ラウンジ、学習ルーム。

10階
スタッフゾーン:大型ロッカールーム(男女別)。
会社ゾーン:アニメプラス、RIKOカンパニー、ミーティングルーム。
莉子のリトグラフ用アトリエ、倉庫。

11階
スタッフ休憩室。壁面大型冷蔵庫、ドリンクコーナー。
昼寝ができるソファやベンチ。折り畳み机と椅子を片付ければ、大人数を収容可能なイベントスペースになる。
大型プロジェクター、大画面の壁面TV。
らせん階段から12階の屋上庭園が見える。

屋上(12階)
エレベーターで直通。屋根付きテラス。
花が咲く庭園、緑に包まれたあずまや。
昼寝ができるベンチも多数。夜はライトアップ。

「そうか……社長はこれを一日でも早くスタッフに見せたかったんだね。

そして、これから募集する人材にも“ここで働きたい”と思ってもらうために……。なるほど、これは効果的だ」

うんうん、どれも本当に魅力的だ。

――大浴場? これは本館やサテのスタッフも絶対入りたがるぞ。

どうしよう、入りきれない。

看護部長の仕事がまた増えるなあ。(笑)

桐生「本当に何もかも素晴らしいですね。驚きました。大浴場まであるなんて……手間もお金もかかるのに信じられません」

「本当だね。驚いたよ。みんな喜ぶだろうなあ……。でも掃除スタッフが全然足りないな」

理事「これをHPにも掲載するそうです。それで就職を考えている人に見てもらう狙いだそうですよ」

「ふっ、なるほどね……。じゃあ今すぐ掲示板に出そうよ。

“HPに掲載予定です”って伝えて、それから休憩室でも見られるようにしよう」

理事「はい。すぐ掲示板に流します。休憩室にもセットしてきます。予備がたくさんありますから」

夏は嬉しそうに部屋を飛び出していった。

――なんというか。胸が熱くなり、早速、社長にお礼の電話をかけた。

「社長、本当にありがとうございました。2号館は素晴らしいです。きっと皆、大喜びします」

浅田社長「そうかい? じゃあよかった。あとは頼んだよ。

夏輝も手間がかかるだろうけど、面倒を見てやってください。お願いしますね」

ふふっ、手間がかかるか……確かに。

そう思うと、自然にクスクス笑いがこぼれた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【短編集】こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

守り守られ

ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師 患者 瀬咲朔 腸疾患・排泄障害・下肢不自由 看護師 ベテラン山添さん 準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん 木島 尚久 真幌の恋人同棲中

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

月弥総合病院

僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

処理中です...