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第3章 新たな人材を求めて
50話 川瀬医師の冒険の旅
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昨日、掲示板とHPで公開した2号館の反響はすごかった!!
本当は朝礼で皆に感想を聞きたかったけれど、それはさておき――。
「おはようございます。2号館の映像をご覧になったと思いますが、本当に施設がいたせり尽くせりとなっています。
もし2号館に行きたいという希望者の方は、いつでも歓迎します。
基本給のテーブルがまったく違いますので、ぐっと年収が上がると思います。
それから、大浴場ですね。ジャグジーもあります。
すでに“入りたい”という声が届いています。
ただし一応、2号館スタッフ専用の施設ですので、かち合わないようスケジュールを組んで、順番にお試しできるようにします。
この管理は山科看護部長に一任します」
「いいですか、部長?」
「うぷっ……今初めて伺いましたが、手始めに私が真っ先に入ってから順番を考えますね。それでもいいですか?」
「ええーーーっ?!」
一斉にブーイングの嵐。あははは、大爆笑だ。
「では、特別に許可しますので、順番を考えてくださいね。お願いします」
「はーい!」
元気のいい返事に、また笑ってしまった。
そのあと、岩城や川瀬にもメールを送っておいた。
――すると夜、川瀬から電話がきた。
「あのさ、考えたんだけどさ。岩城は置いて、俺はさっさと大学を辞めて裸でそっちに行くわ。
あの家具付きの8階の狭い方の寮でいいから、1室くれない?」
「いいよ。来てくれるならいつでも。寮も使ってくれて構わないよ。
取っておくからさ。来てくれれば遊んでてもいい、給料は払うから」
「マジか?遊んでいいのか?俺、小さい頃から遊んだことないんだよ。ずっと勉強ばかりしてきたからさ」
「いいよ、好きなようにすれば。部屋はあるんだから、旅行でも釣りでも何でも。
菜の花弁当も400円だし、風呂もある。不自由はないよ」
「……あっ、俺‥‥‥泣きそう……。
俺さ、そこで第2の人生を始めるわ。離婚するよ。
スケジュール見たけど、今年中に辞めると予告して、来年3月で正式に辞める。研修生がいるからさ。
それで、辞めたあとすぐそっちに行ってもいいか?
倉庫でもいいから、寝るとこあるかな?」
「うん、いいよ。あ、待って……いい場所がある!
今5階の個室が1室空いてる。あそこを寮にすればいい。
その奥には、佐久間先生が介護の必要な家族と一緒に暮らしているんだ。家族寮だね。
だからその並びならいいだろう?
シャワールームも洗濯室もあるし、菜の花弁当もある。
不自由はしないよ。時々どこか手伝ってくれればいいよ」
「うん、ありがとう。俺、4月と5月は遊ぶよ。いい?」
「うん、いいよ。好きなようにしろよ。
岩城は寂しがるかもしれないけど、洋子さんがいるから大丈夫だろう。
それに二人一緒じゃ、やっぱり辞めにくいだろ?」
「そう、それも考えたんだよな。
こうなったら、いつでも同じなんだけどさ。研修生が困るからね。
じゃあ、そのスケジュールで行くよ。お宅の姫さんにも伝えてくれる?」
「うん、任せて。そうだ、他にも産婦人科医は募集するからね。シフト制だから。いい?」
「ああ、OK!OK!じゃあ頼んだ。よろしくな!」
――電話を切ったあと、なんだか涙があふれて止まらなかった。
どうしてだろう……。
あの声には、長い間押し込めてきた重荷を、ようやく下ろしたような、ほっとした響きがあった。
勉強と責任に縛られ続けてきた川瀬が、自分の居場所を見つけ、第二の人生を歩き出そうとしてるのか。
遊んだことがないなんて……、まあ医者ならありがちだ。
俺達は皆小さい時から勉強ばかりしてきた。
でもそれがうちに来て、初めて遊んでくれるならすごく嬉しい。
そして、一緒に未来を描けたらもういうことはない。
本当は朝礼で皆に感想を聞きたかったけれど、それはさておき――。
「おはようございます。2号館の映像をご覧になったと思いますが、本当に施設がいたせり尽くせりとなっています。
もし2号館に行きたいという希望者の方は、いつでも歓迎します。
基本給のテーブルがまったく違いますので、ぐっと年収が上がると思います。
それから、大浴場ですね。ジャグジーもあります。
すでに“入りたい”という声が届いています。
ただし一応、2号館スタッフ専用の施設ですので、かち合わないようスケジュールを組んで、順番にお試しできるようにします。
この管理は山科看護部長に一任します」
「いいですか、部長?」
「うぷっ……今初めて伺いましたが、手始めに私が真っ先に入ってから順番を考えますね。それでもいいですか?」
「ええーーーっ?!」
一斉にブーイングの嵐。あははは、大爆笑だ。
「では、特別に許可しますので、順番を考えてくださいね。お願いします」
「はーい!」
元気のいい返事に、また笑ってしまった。
そのあと、岩城や川瀬にもメールを送っておいた。
――すると夜、川瀬から電話がきた。
「あのさ、考えたんだけどさ。岩城は置いて、俺はさっさと大学を辞めて裸でそっちに行くわ。
あの家具付きの8階の狭い方の寮でいいから、1室くれない?」
「いいよ。来てくれるならいつでも。寮も使ってくれて構わないよ。
取っておくからさ。来てくれれば遊んでてもいい、給料は払うから」
「マジか?遊んでいいのか?俺、小さい頃から遊んだことないんだよ。ずっと勉強ばかりしてきたからさ」
「いいよ、好きなようにすれば。部屋はあるんだから、旅行でも釣りでも何でも。
菜の花弁当も400円だし、風呂もある。不自由はないよ」
「……あっ、俺‥‥‥泣きそう……。
俺さ、そこで第2の人生を始めるわ。離婚するよ。
スケジュール見たけど、今年中に辞めると予告して、来年3月で正式に辞める。研修生がいるからさ。
それで、辞めたあとすぐそっちに行ってもいいか?
倉庫でもいいから、寝るとこあるかな?」
「うん、いいよ。あ、待って……いい場所がある!
今5階の個室が1室空いてる。あそこを寮にすればいい。
その奥には、佐久間先生が介護の必要な家族と一緒に暮らしているんだ。家族寮だね。
だからその並びならいいだろう?
シャワールームも洗濯室もあるし、菜の花弁当もある。
不自由はしないよ。時々どこか手伝ってくれればいいよ」
「うん、ありがとう。俺、4月と5月は遊ぶよ。いい?」
「うん、いいよ。好きなようにしろよ。
岩城は寂しがるかもしれないけど、洋子さんがいるから大丈夫だろう。
それに二人一緒じゃ、やっぱり辞めにくいだろ?」
「そう、それも考えたんだよな。
こうなったら、いつでも同じなんだけどさ。研修生が困るからね。
じゃあ、そのスケジュールで行くよ。お宅の姫さんにも伝えてくれる?」
「うん、任せて。そうだ、他にも産婦人科医は募集するからね。シフト制だから。いい?」
「ああ、OK!OK!じゃあ頼んだ。よろしくな!」
――電話を切ったあと、なんだか涙があふれて止まらなかった。
どうしてだろう……。
あの声には、長い間押し込めてきた重荷を、ようやく下ろしたような、ほっとした響きがあった。
勉強と責任に縛られ続けてきた川瀬が、自分の居場所を見つけ、第二の人生を歩き出そうとしてるのか。
遊んだことがないなんて……、まあ医者ならありがちだ。
俺達は皆小さい時から勉強ばかりしてきた。
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