診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第5章 2号館、屋上から動き出す

91話 院長・寮母になります

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 主任が倒れた夜。俺は翌朝のためにご飯を仕掛けた。

それから夏に手伝わせて卵焼きを大量に作る。

正直、これだけでけっこう疲れた。冷めたら切ったら密閉容器に入れて冷蔵庫へ。

理事「じゃあ俺、サラダでも作ろうか?」

「ああ、そうだね。頼む。俺はメインの材料を見てみる」

夏は野菜を洗ってダイニングテーブルでどんどん切り始めた。

俺は大きなガラスボウルを出した。「これに入れてくれる?」

冷蔵庫をのぞくと、菜の花ドレッシングが二本。

「ええ? 贅沢だなあ……。まあ、うまいからいいか」

さらに冷凍庫を開けると塩サケが十分な数。

「よし、これを焼こう。納豆と焼きのりもあるし、これで完璧だ」

だし汁を使って味噌汁を作ろうかと思ったが、明日の朝に回すことにした。

また冷やすのに時間がかかるし、みその香りが飛ぶ。

具材だけ用意しておこう。

油揚げに刻んだネギ、あとはわかめ。豆腐は明日、水切りしてからでいい。

「夏、こっちは終わった。そっちはどうだ?」

夏「うん、もう出来たから冷蔵庫に入れておいた」

「よし。じゃあ主任の様子を見に行こうか」

そこへ川瀬がやってきた。

川瀬「主任はぐっすり眠ってるよ。俺は先に風呂に入る。点滴の交換は俺がやるから、心配するな」

院長「そうか。じゃあ頼むな。今夜は弁当だけで汁なしだ。

朝食の準備は済ませたから、明日は七時に食べられるように、俺が早く来るから安心していいよ」

川瀬「そうか……悪いな。北原も色々大変だなあ。感心するよ」

院長「だろ? 少しは見直したか?」

川瀬「へへへ……まったく。じゃあ俺は風呂に行くよ。もう帰ってもいいよ。皆には俺から伝えるから」

院長「はーい、了解。おやすみ、お疲れさま」




ようやく夏と帰宅すると、莉子が心配そうに出迎えた。

「主任の具合はどうだったの?」

「腎盂腎炎だな。あれじゃ一週間はかかる」

「ええ~、そうなんだ。寮はどうなるの? 私、何か手伝った方がいい?」

「そうだな……昼ごはんを俺が作るから、それを運んでくれるか? 俺が行くより莉子の方が喜ばれるだろう」

「うん、わかった! じゃあ、お昼に一緒に行けばいいんだね。手伝うよ」

夏「えっ? 俺は何をすればいい?」

「夏は他の仕事をしてていい。昨日手伝ってくれたし、明日は三輪さんたちにも協力してもらうから」

夏「はーい!了解。それじゃ、ご飯にしようよ。お腹空いた!」




翌朝。アラームで五時半に起きて寮に向かった。

まず主任の部屋をのぞくと……川瀬が布団にくるまってベッド脇の床で寝ていた。

「うわ……なんてこった。熱々だな」

主任の寝顔は穏やかだったので、そのままそっとリビングへ戻った。


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