診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第6章 菜の花寮の大騒動

109話 川瀬サイド・嫌な予感・2

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 CTの結果は何とか無事。

だが意見は一致した――早急に帝王切開だ。

佐久間「じゃあ、私が全身麻酔を担当します。手術は川瀬先生にお願いします」

川瀬「はい、分かりました。三浦先生、サブでついてもらえますか?」

三浦「はい、承知しました」

北原「じゃあ、大学病院にNICUの空きを確認しましょうか?」

川瀬「はい、お願いします。もし無理なら東京の医療センターに迎えを頼むしかないです」

北原「それも合わせて確認します。ただ、うちの保育器も一番性能が良いですから、迎えが来るまでなら大丈夫ですよ」

川瀬「いいねぇ、菜の花は。ホント予算を問わないからさ」

――どっと笑いが起きた。

西村「患者さんのご家族がいらしています」

理事「じゃあ、私が説明してきます。帝王切開で決まりですね。その後はNICUと調整してよろしいですか?」

川瀬「はい。手術が終わったら改めて私から説明しますので、待っていていただくようにお願いします」

理事「承知しました」




その後は全員が手術に集中した。

ナースは西村主任のほか、村上亜衣さんや慎也君も。寮の仲間が揃うと心強い。

術後の回復室は、外科共同の処置室を使うことになった。

亜衣さんたちが4階の静養室からベッドを移動して準備してくれる。

――よし、これでとりあえずは万端。

手術は無事に終了。新生児は保育器に収まり、大学病院からの迎えを待つ。

新生児の管理は三浦先生に一任した。

迎えが来たら、あとは4階の静養室で仮眠をとってもらうようお願いしておいた。

母体もなんとか無事。家族にも説明し、安心して付き添ってもらった。

「院長、俺ちょっと寮に行って、明日の朝ご飯の支度してきます。主任は静養中だから、休ませたいんです」

院長はニヤッと笑った。

「悪いね。頼んでいいの? すごいね、いつの間にそんなに出来るようになったんだ? 感心、感心」

「任せろよ。患者はちゃんと見てて」

「はい、了解」

「主任、もう帰って寝てください。院長が見ててくれるって。俺が明日の朝食を作るから」

疲れたように微笑んで、「お願いしていいの? 大丈夫?」

「あったぼうよ。任せとけ」

一緒に寮まで戻る。

「ちゃんと寝るんだぞ。明日は休みにしてもらうから」

エレベーターで別れるとき、主任が最後ににこっと笑った。

可愛すぎる。抱きしめたかった。はあ~__我慢だ。


……さあ、台所へ。まずはお米を研がないと。

小さい電気釜では5合を早炊きにした。みんなもお腹が空いているはず。

あ、待てよ。作り置きの冷凍おにぎりがあるじゃないか。

それを先に温めて持って行こう。

スープは……カップスープの素があった。

これとお湯を用意して、カップやスプーンも一緒に持っていく。

5階に行くと、まだ院長や理事、亜衣さん、慎也君が残っていた。

差し入れを持っていくと、皆すごく喜んでくれた。

患者の家族からも感謝されてしまって、えへへ。

「食べ終わったらカップを戻してくださいね」とお願いして、寮に戻る。

……ご飯は10合炊かないと。

だし汁を温め、味噌汁の準備。具の野菜を切り始める。

――まだバカ舌だけど、どうにかなるさ。


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