診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第7章 スタッフ強化作戦

123話 疲れの溜まった夜に

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 面接でぐったり疲れ果ててしまった。

夜のズーム面接を終えると、そのままベッドに倒れ込んだ。

ベッドが少し揺れて目を開けると、目の前に莉子がいた。

視線が合って、互いに頬がゆるんだ。

「どうしたの?」

「起きちゃった? ごめんね。最近ずっと顔を見てないでしょ。だから会いに来たの」

胸がきゅうっと締めつけられ、思わず抱きしめた。

「同じ家に住んでるのにね。ごめん、放ったらかしにして。寂しかったよな?」

「うん、寂しかった」

さらに強く抱きしめてキスをした。髪を撫で、指先で梳く。

「莉子が愛おしいよ」

首筋に唇を近づけたとき、ノックの音。

「えっ?」

莉子も「あら?」と目を丸くする。

「ドア、鍵かけた?」

莉子が「ううん」と首を振った瞬間、ドアが開いた。

「あれ、ごめん。鍵かかってなかったから……莉子がいたの? じゃあ戻るよ」

夏がしょんぼり顔を覗かせた。

莉子がふっと笑って言った。

「夏、春ちゃんの背中だけ貸してあげる」

夏は一気に笑顔になり、「莉子、ありがとう」と言って俺の背中側に潜り込み、ぴたりと張り付いた。

……なんだこれ。思わず笑ってしまう。

こうやって三人で眠るのは初めてだ。

「なんだか俺、サンドイッチになった気分だよ」

莉子はクスクス笑っていた。

「あとで食べようか?」

莉子に問われ、首を傾げた。お腹が空いてるのか?……まさか夕飯を食べてないのか?

「莉子、夕飯まだ?」

少し笑って、うなずいた。――大変だ。

「夏も起きろ! 莉子が食べてないんだって。今から作るぞ、みんなで食べよう」

俺はベッドから飛び起き、頬をゆるめっぱなしの莉子の手を引いて階下へ。

「何があるかな?……あれ、お弁当は?」

「春ちゃんは面接でみんなと食べたでしょ?だから取ってないよ」

「ああ、もう……俺がいないと食べない気だったのか?」

思わず莉子を抱きしめ直す。

ふと視線をやると、夏がテーブルに頬杖をついてじっとこちらを見ていた。

「あの……俺も食べてないんですけど」

 ――しょうがないやつだ。

電気ポットで湯を沸かし、冷凍ご飯を温める。冷凍シーフードも戻す。

「中華風の海鮮雑炊にしよう。餅、入れる?」

「俺入れる、二個!」

「私はいらない」

溶き卵を回し入れて小ねぎを散らし、半熟に仕上げて鍋ごとテーブルへ。

「わぁ、おいしそう!」

雑炊をよそい、熱々をフーフーしながら夏が食べる。

すると、なぜか桃香まで起きてきた。

「あーみんな何食べてるの?ずるいよ~」

「はいはい、桃香の分もあるからおいで」

「えへへ」椅子にちょこんと座る。

そういえば最近、こうして皆で食卓を囲むことも少なかったな。

「桃香、フーフーしてあげるね」

「うん!」嬉しそうに頬を染める。

「俺も食べさせてほしい……」

ぷっ、と吹き出してしまう。

テーブルの下で、そっと夏の足を踏んでやった。

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