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第8章 もっと寮が欲しい
140話 三浦小児科医に打診
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寮にするマンションを見に行ったあと、なんとなく心が少し軽くなっていた。
まだ5室は残っている。学生寮も2室あるが、そのうち1室は――三浦小児科医に来てもらうために取り置きしてある。
本人にはまだ何も言っていないけど。
何気なく小児科外来をのぞくと、赤ちゃん連れのお母さんが2人ほど待っていた。
その隣では、3歳くらいの女の子が咳き込んでいて、お母さんが背中をさすっている。
……あ、ヒューヒュー言い始めて苦しそうだ。
「大丈夫ですか?」
「あっ、院長先生。この子が苦しそうなんですけど、まだでしょうか?」
「心配しないで。すぐ診ますよ」
首から下げていた聴診器で胸の音を聴く。
――喘息の発作だ。すぐに吸入と酸素が必要だ。
「お母さん、治療した方がいいので、お子さんをこちらでお預かりしてもいいですか?」
「はい、お願いします」
「さあ、こっちにおいで。抱っこしてあげるからね」
苦しそうな女の子を抱き上げる。
診療中だろうが急患だとナースに伝えると、三浦先生がすぐ顔を出してくれた。
「診療中にごめんね。偶然通りかかったんだけど、この子の呼吸が苦しそうで」
三浦「そうですね。院長、前向きに抱っこしたまま椅子に座っていただけますか?」
すぐに聴診、酸素投与、吸入薬。さらに点滴も必要とのことだった。
ナースに「お母さんを呼んで」と指示すると、すぐに連れて来てくれた。
「点滴をするなら、お母さんに抱っこしてもらって、座ったままがいいですよね?」
確認すると、三浦先生はうなずいた。
三浦「ええ、その方が安心です。呼吸が落ち着くまでは寝かせられませんから」
ナースの案内で、お母さんは子どもを抱いたまま処置室へ。
……それにしても、三浦先生の聴診器には色とりどりの小さなぬいぐるみがいっぱいぶら下がっていた。
なんて可愛いんだ。思わず笑顔になった。
「ふっ、良かった。三浦先生がいてくれて」
三浦「こちらこそですよ。……ところで院長、何かご用でしたか?」
「うん、ちょっとね。手が空いた時でいい。ではまた」
待っている患者も多いので、その場では引き下がった。
*
夕方、少し時間が空いたと三浦先生が院長室を訪ねてきた。
三浦「ちょっとお邪魔してもいいですか?」
「お疲れ様。さっきの女の子はどうでした?」
三浦「はい、落ち着いて帰られました。吸入を変えて処方したので大丈夫です」
「そうですか。よかった。やっぱり小児科医がいるって心強いですね」
彼を見つめると、三浦先生は少し照れたように笑ってうつむいた。
「実は……お願いがあって。今度の2号館では新たに小児科医を3名採用したんです。
そこで、小児科部長をお願いしたいのですが……。どうでしょう、お力を貸していただけませんか?」
三浦「えっ、僕がですか? まさか……だってまだ来たばかりですし、年齢だって……。え、本気ですか?」
思わず頬が緩む。
「ふふっ、もちろん本気ですよ。三浦先生以外に誰がいるんです?
ずっとここにいてくれるって言ってましたよね? 理想の病院を探して、やっと見つけたって。
なら、ここを任せるのは先生しかいません」
三浦「……っ、う……ん、なんというか……」
彼は両手で顔を触りまくって、動揺を隠せない様子だった。
まだ5室は残っている。学生寮も2室あるが、そのうち1室は――三浦小児科医に来てもらうために取り置きしてある。
本人にはまだ何も言っていないけど。
何気なく小児科外来をのぞくと、赤ちゃん連れのお母さんが2人ほど待っていた。
その隣では、3歳くらいの女の子が咳き込んでいて、お母さんが背中をさすっている。
……あ、ヒューヒュー言い始めて苦しそうだ。
「大丈夫ですか?」
「あっ、院長先生。この子が苦しそうなんですけど、まだでしょうか?」
「心配しないで。すぐ診ますよ」
首から下げていた聴診器で胸の音を聴く。
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「お母さん、治療した方がいいので、お子さんをこちらでお預かりしてもいいですか?」
「はい、お願いします」
「さあ、こっちにおいで。抱っこしてあげるからね」
苦しそうな女の子を抱き上げる。
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「診療中にごめんね。偶然通りかかったんだけど、この子の呼吸が苦しそうで」
三浦「そうですね。院長、前向きに抱っこしたまま椅子に座っていただけますか?」
すぐに聴診、酸素投与、吸入薬。さらに点滴も必要とのことだった。
ナースに「お母さんを呼んで」と指示すると、すぐに連れて来てくれた。
「点滴をするなら、お母さんに抱っこしてもらって、座ったままがいいですよね?」
確認すると、三浦先生はうなずいた。
三浦「ええ、その方が安心です。呼吸が落ち着くまでは寝かせられませんから」
ナースの案内で、お母さんは子どもを抱いたまま処置室へ。
……それにしても、三浦先生の聴診器には色とりどりの小さなぬいぐるみがいっぱいぶら下がっていた。
なんて可愛いんだ。思わず笑顔になった。
「ふっ、良かった。三浦先生がいてくれて」
三浦「こちらこそですよ。……ところで院長、何かご用でしたか?」
「うん、ちょっとね。手が空いた時でいい。ではまた」
待っている患者も多いので、その場では引き下がった。
*
夕方、少し時間が空いたと三浦先生が院長室を訪ねてきた。
三浦「ちょっとお邪魔してもいいですか?」
「お疲れ様。さっきの女の子はどうでした?」
三浦「はい、落ち着いて帰られました。吸入を変えて処方したので大丈夫です」
「そうですか。よかった。やっぱり小児科医がいるって心強いですね」
彼を見つめると、三浦先生は少し照れたように笑ってうつむいた。
「実は……お願いがあって。今度の2号館では新たに小児科医を3名採用したんです。
そこで、小児科部長をお願いしたいのですが……。どうでしょう、お力を貸していただけませんか?」
三浦「えっ、僕がですか? まさか……だってまだ来たばかりですし、年齢だって……。え、本気ですか?」
思わず頬が緩む。
「ふふっ、もちろん本気ですよ。三浦先生以外に誰がいるんです?
ずっとここにいてくれるって言ってましたよね? 理想の病院を探して、やっと見つけたって。
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彼は両手で顔を触りまくって、動揺を隠せない様子だった。
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