診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第8章 もっと寮が欲しい

142話 菜の花の計画表

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 産婦人科医と小児科医が揃い、部長まで揃った。俺はなんだかウキウキしてきた。

それにしても、一度は山口小児科医を東大だからって部長にしよう思ったのは一生の秘密だな。

川瀬くらい慎重にならないと駄目だな。

これでようやく、目標に近づいてきたのだ。

菜の花病院の計画はこうだ。

・2026年11月末 2号館完成・引き渡し

・2026年12月~ 本格的に大型検査機器や家具、備品の搬入開始

・2027年1月20日 菜の花病院2号館グランドオープン

・2027年7月 厚労省に臨床研修指定病院の申請 → 審査会で承認予定

・2028年4月1日 初の臨床研修生3名受け入れ

しかし、この引渡し前までにやることは目白押しで、どれも期限が決まっている。

怖い。何よりスタッフがまだまだ足りない。

医師や技師、ナース、看護助手、お掃除スタッフ……まだまだ採用しないとオープンできない。
どうすれば全員集められるのだろう?

今できることは精一杯やっているが、必要人数が多すぎて、くじけそうになる。

誰か、人の心に訴えかけてくれる人はいないか?

何が後押しできるのだろう……。

寮を用意して住環境を整えれば、もっと人は集まるのだろうか?

地方からもどんどん来てほしい。むしろその方が可能性はある。

夜、眠る時は頭がいっぱいになる。

背中に夏がいた。

「お兄さん、眠れないの? 心配事?」

「うん、ちょっとね。スタッフが全部集まらないから不安になるよ。オープンできるのかなってさ。お掃除スタッフだけで50人も必要なんだよ。そう簡単に来るとも思えないよ」

「ちょっとさ、普通の認識で考えちゃうから来ないんじゃない?
2号館は普通のお掃除じゃ駄目でしょう?

不潔と清潔の違いからゆっくり説明して、勉強してもらわないと出来ないもん。
吐しゃ物から血液漏れまで、正しい清掃のやり方があるしさ。

そういう難しさを知らなくて、ただのお掃除だと思うから軽く見られちゃうんだよ。
バカにしてる人もいるかもよ。
本当はさ、お掃除の中でも難しくてキャリアにもなるんだよってのが、人に伝わってないんだと思うよ」

俺はいきなり起き上がった!

「夏!すごいぞ!なんて天才なんだ!!」

驚いている夏を引っ張って、ぎゅーぎゅー抱きしめた。

「な、なあに? お兄さんどうしたの? 俺分かんないよ。何が天才なの??」

と言いながらも、へらへら笑っていた。

「夏、早速明日は作戦会議をするぞ! いいな。さ、寝よう」

「ええ? 人を起こしといて寝るっていう? こういう時はさあ……」

「はいはい、分かった! ご褒美をやるぞ」

またまたワンコになっていた。

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