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第8章 もっと寮が欲しい
150話 旅行
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今週末の土曜日は、前回に続いて二回目の大量面接。夜はズーム面接だ。
さらに今回は日曜日の夜もズーム面接を入れた。
――本当に、たくさんの応募者が来てくれたことに心から感謝だ。
ところで。
アニメの募集動画のおかげで応募者が殺到したから、約束通り、莉子と夏を旅行に連れて行かないといけない。
来月の二連休に出かけることにした。
*
リビングでは、莉子と夏と桃香がそろってネットにしがみつき、「どこに行くか」で大揉めだった。
夏「お兄さんはどこに行きたいの?」
……正直、昼寝がしたいんだけど、そうは言えない。
「ええとね、みんなが行きたいところに行くから、まとめといて」
莉子「春ちゃん、私はその手には騙されないわよ。この前の恐竜博物館の時を忘れたの?」
「……? なんだっけ?」
夏「ああ!思い出した。ホテルが良くないとか、食事が今ひとつとか、景色がどうとか、ずっと文句言ってたよね?」
「ふっ、俺がそんな贅沢言うわけないだろ?」
莉子「ぶーー!」
桃香「ぶっぶっぶーー!」
莉子「結局さ、宿の夕飯がまずそうだからって、市内の懐石料理屋に夕飯だけ食べに行ったんだよね!」
「あ……そういえば……あの懐石は美味かったな」
夏「ほら!やっぱりお兄さんは贅沢なんだよ」
ぷっと笑った。「誰だ?そんな奴は?」
三人がじろっと俺を見る。……ははは。
「だから最初から良いリゾートホテルにしようよ。景色はどうでもいいけど、上質な宿と温泉と美味い夕飯さえあればいい」
夏「ほら出た!」
莉子「それを贅沢って言うの!」
桃香「パパも反省しなさい!今度は桃香が行きたいとこに行くんだもん」
「どこ?」夏と莉子の声がそろった。
桃香「ディズニーランドに決まってる!」
――その瞬間、莉子と夏が妙におとなしくなった。
「せっかくだし紅葉の季節だから、蓼科とか軽井沢とか日光あたりに……と思ってたんだけど。桃香がディズニーランドなら、そこに行こう。ホテルも周りにいっぱいあるしね。翌日は千葉から館山の方へドライブして、海を見ようか」
父親らしく胸を張ってみせる。
それでも莉子と夏はまだすっきりしていない。
「莉子はどこが良かったの?」
莉子「私の望みは小さいよ。都心の素敵なホテルに泊まって、公園を回って、街を歩いてカフェに入ってデザート食べたいの」
「ふっ……小さいのか大きいのか分からないよ」
「じゃあ夏は?」
夏「俺は広い部屋で、温泉大浴場があって、ご馳走があれば文句なし。景色はどうでもいいよ」
「おい、それ俺と一緒じゃん」笑ってしまった。
潮騒の宿で景色を喜んでたくせに、どうでもいいはずないだろ。
「よし決めた。土曜は午後から出かけるから時間がない。ディズニーランド近くのホテルに泊まろう。できれば大浴場付きで。食事は――捨てた」
ぷっ。莉子と夏が笑う。
莉子「春ちゃんってホントうそつき!」
夏「この前も同じこと言ってたよね」
アハハハ。もう俺は黙るしかなかった。
――そういえば、前も“うそつき”って言われたんだった。エヘヘへ。
さらに今回は日曜日の夜もズーム面接を入れた。
――本当に、たくさんの応募者が来てくれたことに心から感謝だ。
ところで。
アニメの募集動画のおかげで応募者が殺到したから、約束通り、莉子と夏を旅行に連れて行かないといけない。
来月の二連休に出かけることにした。
*
リビングでは、莉子と夏と桃香がそろってネットにしがみつき、「どこに行くか」で大揉めだった。
夏「お兄さんはどこに行きたいの?」
……正直、昼寝がしたいんだけど、そうは言えない。
「ええとね、みんなが行きたいところに行くから、まとめといて」
莉子「春ちゃん、私はその手には騙されないわよ。この前の恐竜博物館の時を忘れたの?」
「……? なんだっけ?」
夏「ああ!思い出した。ホテルが良くないとか、食事が今ひとつとか、景色がどうとか、ずっと文句言ってたよね?」
「ふっ、俺がそんな贅沢言うわけないだろ?」
莉子「ぶーー!」
桃香「ぶっぶっぶーー!」
莉子「結局さ、宿の夕飯がまずそうだからって、市内の懐石料理屋に夕飯だけ食べに行ったんだよね!」
「あ……そういえば……あの懐石は美味かったな」
夏「ほら!やっぱりお兄さんは贅沢なんだよ」
ぷっと笑った。「誰だ?そんな奴は?」
三人がじろっと俺を見る。……ははは。
「だから最初から良いリゾートホテルにしようよ。景色はどうでもいいけど、上質な宿と温泉と美味い夕飯さえあればいい」
夏「ほら出た!」
莉子「それを贅沢って言うの!」
桃香「パパも反省しなさい!今度は桃香が行きたいとこに行くんだもん」
「どこ?」夏と莉子の声がそろった。
桃香「ディズニーランドに決まってる!」
――その瞬間、莉子と夏が妙におとなしくなった。
「せっかくだし紅葉の季節だから、蓼科とか軽井沢とか日光あたりに……と思ってたんだけど。桃香がディズニーランドなら、そこに行こう。ホテルも周りにいっぱいあるしね。翌日は千葉から館山の方へドライブして、海を見ようか」
父親らしく胸を張ってみせる。
それでも莉子と夏はまだすっきりしていない。
「莉子はどこが良かったの?」
莉子「私の望みは小さいよ。都心の素敵なホテルに泊まって、公園を回って、街を歩いてカフェに入ってデザート食べたいの」
「ふっ……小さいのか大きいのか分からないよ」
「じゃあ夏は?」
夏「俺は広い部屋で、温泉大浴場があって、ご馳走があれば文句なし。景色はどうでもいいよ」
「おい、それ俺と一緒じゃん」笑ってしまった。
潮騒の宿で景色を喜んでたくせに、どうでもいいはずないだろ。
「よし決めた。土曜は午後から出かけるから時間がない。ディズニーランド近くのホテルに泊まろう。できれば大浴場付きで。食事は――捨てた」
ぷっ。莉子と夏が笑う。
莉子「春ちゃんってホントうそつき!」
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――そういえば、前も“うそつき”って言われたんだった。エヘヘへ。
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