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第8章 もっと寮が欲しい
158話 ズーム面接・続き
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昨日の救命医の件を夏に話したのに、しばらくぼーっとしていた。
「なんで喜ばないんだよ?」
「だってさ……また騙されてないかって思ってさ。もう俺、あの一件で神経すり減らしちゃったよ」
「大丈夫だよ。ICUナースと二人で来るんだから。きっと1~2か月のうちに来る。ワンルームを2室取り置き済みだ」
「はーい!」
3番目の面接者は救急ナース。工藤美香さん。もちろん即採用とした。
ただし寮希望だったため、最後の学生寮を割り当てた。
募集要項に「ICU・救急には手当てがつく」と書いておいたのが効いたようだ。
さて――最大の山場は今夜だ。
待望の救命医の面接。そして救急ナース2名。
これが正念場になる。
*
Zoom面接が始まった。
最初に登場したのは救命医だった。
「こんばんは。初めまして、菜の花病院の院長、北原です」
「こんばんは。救命医の高原直哉、34歳です。よろしくお願いします」
「高原さんは都内の三次救命センターにお勤めですね。どうして菜の花に?」
高原「実は職場結婚した妻がいまして……今の病院は忙しすぎて家に帰れないことも多いんです。
いずれは子どもも欲しいですし、妻も『もっと余裕のある病院に移りたい』と。
それなら二人一緒に移ろう、と話し合ったんです」
「ああ、そういうことでしたか。では、ナースの高原真理さんというのは奥様ですね?」
高原「はい。今横にいますが、顔を出してもいいですか?」
「ふふ、もちろん。どうぞ」
画面に丸顔のかわいらしい女性が現れた。昨日のケースと同じく、夫婦そろっての登場だ。
「こんばんは。突然失礼します。高原真理です。よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします。お二人とも大歓迎ですよ。
楽ができるかは分かりませんが、残業はほとんどないと思ってください。
シフトも最大限希望を考慮します。日数や時間を減らしたいなら、それも可能です。
ご自分で働きやすい環境を作ってくださって構いません」
二人は顔を見合わせ、思わず「えっ?」という表情になった。
高原「本当にそんなことでいいんですか?救急なのに?」
「あはは。そうですよね、信じがたいでしょう。でも救命医はすでにもう1名確定しています。
外科医も8名いて、他の診療科もほとんど揃いました。2号館をカバーできる見通しが立っています」
高原「すごい……まだ先のオープンなのに、もうそこまで?」
「ええ。大量のスタッフが必要ですから、先手必勝で動いてきました」
高原「……驚きました。私たちの方がのんびりしていたくらいです。
ところで、救命医の募集はまだ続けていますか?」
「はい、大丈夫です。どなたかご紹介いただけるんですか?」
真理「ええ、実は……主人もですが、ナース仲間の中にも菜の花の募集に心を動かされた人が多くて。
『行きたい』という声ばかりなんです。
でも一度に辞めるのは難しいので、まずは私たち夫婦が先陣を切ることにしました。
順番に行こうという話になっているんです」
「それはありがたいですね。もちろん全員歓迎しますよ。
予定が分かり次第、こちらでスケジュールを組んでおきます」
二人の顔に、安心と喜びが広がった。
「なんで喜ばないんだよ?」
「だってさ……また騙されてないかって思ってさ。もう俺、あの一件で神経すり減らしちゃったよ」
「大丈夫だよ。ICUナースと二人で来るんだから。きっと1~2か月のうちに来る。ワンルームを2室取り置き済みだ」
「はーい!」
3番目の面接者は救急ナース。工藤美香さん。もちろん即採用とした。
ただし寮希望だったため、最後の学生寮を割り当てた。
募集要項に「ICU・救急には手当てがつく」と書いておいたのが効いたようだ。
さて――最大の山場は今夜だ。
待望の救命医の面接。そして救急ナース2名。
これが正念場になる。
*
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最初に登場したのは救命医だった。
「こんばんは。初めまして、菜の花病院の院長、北原です」
「こんばんは。救命医の高原直哉、34歳です。よろしくお願いします」
「高原さんは都内の三次救命センターにお勤めですね。どうして菜の花に?」
高原「実は職場結婚した妻がいまして……今の病院は忙しすぎて家に帰れないことも多いんです。
いずれは子どもも欲しいですし、妻も『もっと余裕のある病院に移りたい』と。
それなら二人一緒に移ろう、と話し合ったんです」
「ああ、そういうことでしたか。では、ナースの高原真理さんというのは奥様ですね?」
高原「はい。今横にいますが、顔を出してもいいですか?」
「ふふ、もちろん。どうぞ」
画面に丸顔のかわいらしい女性が現れた。昨日のケースと同じく、夫婦そろっての登場だ。
「こんばんは。突然失礼します。高原真理です。よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします。お二人とも大歓迎ですよ。
楽ができるかは分かりませんが、残業はほとんどないと思ってください。
シフトも最大限希望を考慮します。日数や時間を減らしたいなら、それも可能です。
ご自分で働きやすい環境を作ってくださって構いません」
二人は顔を見合わせ、思わず「えっ?」という表情になった。
高原「本当にそんなことでいいんですか?救急なのに?」
「あはは。そうですよね、信じがたいでしょう。でも救命医はすでにもう1名確定しています。
外科医も8名いて、他の診療科もほとんど揃いました。2号館をカバーできる見通しが立っています」
高原「すごい……まだ先のオープンなのに、もうそこまで?」
「ええ。大量のスタッフが必要ですから、先手必勝で動いてきました」
高原「……驚きました。私たちの方がのんびりしていたくらいです。
ところで、救命医の募集はまだ続けていますか?」
「はい、大丈夫です。どなたかご紹介いただけるんですか?」
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『行きたい』という声ばかりなんです。
でも一度に辞めるのは難しいので、まずは私たち夫婦が先陣を切ることにしました。
順番に行こうという話になっているんです」
「それはありがたいですね。もちろん全員歓迎しますよ。
予定が分かり次第、こちらでスケジュールを組んでおきます」
二人の顔に、安心と喜びが広がった。
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