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第9章 内定した方の為に
161話 医師国家試験合格・長谷川瑛太君
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うちの唯一の奨学生、医師寮に住む長谷川瑛太君が、見事医師国家試験に合格した!‥‥‥と言いたいが、実はその前の段階、卒業試験に合格したそうだ。(笑)
これはすごい!ほぼ確約だ。臨床実習修了試験はパスしてるし卒業試験もパス。
よしよし、これで国家試験を受ける資格ができた。国試まであと1か月だ。
渡しておきたいものがあるから院長室に来るように伝えた。
「失礼します」緊張した様子でやって来た。
「瑛太君、卒業試験合格おめでとう!!よく頑張ったね!これは早いけどもらって」
白い封筒を渡した。
「えー?これは‥‥‥?でも__まだ国家試験もあるし……」
「いいのいいの。これは印紙代だよ。医師の登録に印紙代が6万円必要だろう?
高いからさ、先に渡しておこうと思ったんだよ。
それと健康診断は理事がしてくれるから、その時には声をかけて栄誉を分けてあげてね。
それにちょっと小遣いも入れておいたよ。もう一息だから頑張んなさい」
「院長先生。本当に本当にありがとうございました。国家試験は絶対合格するように頑張ります!
心から感謝致します」
「いいよ。初期研修は今の大学病院でやるの?」
「はい、そうです」
「そうか、何か興味がある科目はあるの?」
「まだ全然分からないんです。これから探そうと思います。でも僕は寮を出ないといけないんですよね?」
「うん?サテの医師寮は貴重だから初期研修が終わるまでいて良いよ。もしかしたら終わる頃には、うちで専攻医が受け入れられるかもしれないんだ。でも無理しなくていいい。自由に選べるようにしてるから、初期研修を頑張って」
「はい、印紙代までいただいて感謝致します。本当にありがとうございました」
うれしそうに帰って行った。
さてさて、仕事仕事!
2号館のスタッフ募集は医師や技師は全員確保でき、内定となった。
この報告を社長に伝えると――
「本当にありがとう。奮闘努力が目に見えるようだ。感謝して、もう一軒寮を建てよう」と言ってくれた。
ふっ、簡単に言ってのけるのが社長のすごいところだ。
聞いた話だと、出来上がりは2号館オープンから1か月後、2027年2月末の引き渡し。
場所は大学の学生寮の隣で、3階建て。夫婦寮が4室、単身者8室、そして寮母の部屋があるという。
しかも既存の大学学生寮は「菜の花テラス」と改称され、
新しく建てる寮は「菜の花テラス・アネックス」と呼ぶそうだ。
せっかく夏が秘密にしていたのに、社長があっさり全部教えてしまった。あ~あ。
隣にいた夏が頭を抱えていた。
そこへ三枝君がやって来た。
三枝「実はお願いがあって伺いました」
「ふふ、いいですよ。何ですか?」
三枝「2号館の内定者が大勢いると聞きました。でも2号館の完成まではまだ1年近くあります。
きっと皆さん不安に思っているはずです。
そこで、内定者向けに共通情報を届けられる新聞を作り、ネットで見てもらえるようにしたらどうかと思うんです」
理事「ええー?それ良い!」
「本当だね。素晴らしいアイデアだと思うよ。ぜひやってほしい」
桐生「本当にすごいアイデアですね。具体的にはどんな内容にするつもりなんですか?」
三枝「まず、新聞のタイトルを”菜の花タイムズ”として、2号館完成まで“あと何日”というカウントダウンを、タイトル横に掲載します。それから工事状況の写真、採用状況です。
……ただ、採用状況を出していいのか確認したくて。秘密にしているかもしれないと思いまして」
俺は理事と桐生さんと顔を見合わせた。
「どうだろう?もう医師と技師は全員決まったから、それは出した方がいいよね?」
理事「そうそう。院長が昨日面接した医師たちも、“もうほとんど決まった”と聞いて焦って、翌日に全員面接を受けたんでしょう?」
桐生「それを考えると、やはり公開した方がいいですね。あと寮はどうします?“早い者勝ち”にしますか?」
「それなんだよな。来る時期はバラバラだから、先着順で入ってもらうしかないんだ。
ただし条件があるから、それはちゃんと書いてほしい。
入れない人には住宅手当を出す。口頭で約束した人は優先的に入れるからね」
理事「それ絶対載せた方がいいよ。“寮もカウントダウン”にしたら、きっとみんな急いで来るよ」
三枝「でも……仕事をする場所がないのに、そんなに来ちゃって大丈夫ですか?」
ぷっ――その場が笑いに包まれた。
これはすごい!ほぼ確約だ。臨床実習修了試験はパスしてるし卒業試験もパス。
よしよし、これで国家試験を受ける資格ができた。国試まであと1か月だ。
渡しておきたいものがあるから院長室に来るように伝えた。
「失礼します」緊張した様子でやって来た。
「瑛太君、卒業試験合格おめでとう!!よく頑張ったね!これは早いけどもらって」
白い封筒を渡した。
「えー?これは‥‥‥?でも__まだ国家試験もあるし……」
「いいのいいの。これは印紙代だよ。医師の登録に印紙代が6万円必要だろう?
高いからさ、先に渡しておこうと思ったんだよ。
それと健康診断は理事がしてくれるから、その時には声をかけて栄誉を分けてあげてね。
それにちょっと小遣いも入れておいたよ。もう一息だから頑張んなさい」
「院長先生。本当に本当にありがとうございました。国家試験は絶対合格するように頑張ります!
心から感謝致します」
「いいよ。初期研修は今の大学病院でやるの?」
「はい、そうです」
「そうか、何か興味がある科目はあるの?」
「まだ全然分からないんです。これから探そうと思います。でも僕は寮を出ないといけないんですよね?」
「うん?サテの医師寮は貴重だから初期研修が終わるまでいて良いよ。もしかしたら終わる頃には、うちで専攻医が受け入れられるかもしれないんだ。でも無理しなくていいい。自由に選べるようにしてるから、初期研修を頑張って」
「はい、印紙代までいただいて感謝致します。本当にありがとうございました」
うれしそうに帰って行った。
さてさて、仕事仕事!
2号館のスタッフ募集は医師や技師は全員確保でき、内定となった。
この報告を社長に伝えると――
「本当にありがとう。奮闘努力が目に見えるようだ。感謝して、もう一軒寮を建てよう」と言ってくれた。
ふっ、簡単に言ってのけるのが社長のすごいところだ。
聞いた話だと、出来上がりは2号館オープンから1か月後、2027年2月末の引き渡し。
場所は大学の学生寮の隣で、3階建て。夫婦寮が4室、単身者8室、そして寮母の部屋があるという。
しかも既存の大学学生寮は「菜の花テラス」と改称され、
新しく建てる寮は「菜の花テラス・アネックス」と呼ぶそうだ。
せっかく夏が秘密にしていたのに、社長があっさり全部教えてしまった。あ~あ。
隣にいた夏が頭を抱えていた。
そこへ三枝君がやって来た。
三枝「実はお願いがあって伺いました」
「ふふ、いいですよ。何ですか?」
三枝「2号館の内定者が大勢いると聞きました。でも2号館の完成まではまだ1年近くあります。
きっと皆さん不安に思っているはずです。
そこで、内定者向けに共通情報を届けられる新聞を作り、ネットで見てもらえるようにしたらどうかと思うんです」
理事「ええー?それ良い!」
「本当だね。素晴らしいアイデアだと思うよ。ぜひやってほしい」
桐生「本当にすごいアイデアですね。具体的にはどんな内容にするつもりなんですか?」
三枝「まず、新聞のタイトルを”菜の花タイムズ”として、2号館完成まで“あと何日”というカウントダウンを、タイトル横に掲載します。それから工事状況の写真、採用状況です。
……ただ、採用状況を出していいのか確認したくて。秘密にしているかもしれないと思いまして」
俺は理事と桐生さんと顔を見合わせた。
「どうだろう?もう医師と技師は全員決まったから、それは出した方がいいよね?」
理事「そうそう。院長が昨日面接した医師たちも、“もうほとんど決まった”と聞いて焦って、翌日に全員面接を受けたんでしょう?」
桐生「それを考えると、やはり公開した方がいいですね。あと寮はどうします?“早い者勝ち”にしますか?」
「それなんだよな。来る時期はバラバラだから、先着順で入ってもらうしかないんだ。
ただし条件があるから、それはちゃんと書いてほしい。
入れない人には住宅手当を出す。口頭で約束した人は優先的に入れるからね」
理事「それ絶対載せた方がいいよ。“寮もカウントダウン”にしたら、きっとみんな急いで来るよ」
三枝「でも……仕事をする場所がないのに、そんなに来ちゃって大丈夫ですか?」
ぷっ――その場が笑いに包まれた。
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