診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第9章 内定した方の為に

162話 菜の花タイムズ

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 不安でいっぱいの内定者たちに、菜の花の情報を届ける新聞――最高のアイデアだ。

でも確かに、一度にたくさん来てもらっても居場所がない。

「ごめんね。そうだよね?それなら“早く来た人のためのスケジュール”も書いてもらった方がいいんじゃないかな。来るタイミングが分からない人が多いと思うし」

桐生「途中からどんどん参加すると、スケジュールがバラバラになって収拾がつかなくなります。ここは毎月、就職日を固定したらどうでしょうか?そうすれば受け入れる側もやりやすいと思います」

「いいねえ、それで行こう!」

理事「ちょっと待って。引っ越しが必要な人が多いんだから、仕事始めと実際に来る日の間にズレがあるはずだよ。だから、それも聞いた方がいい。寮に入ってから一か月休んで準備したい、なんて人もいるかもしれないし」

「ああ~確かに、そのタイムラグだね」

桐生「例えば“月の最初の週に引っ越してきたら、翌月の1日から勤務開始”という形にすればどうでしょう。つまり仕事始めは常に1日と決めるんです」

「よし!採用!」

理事「じゃあ三枝さん、それを新聞に載せてもらえますか?」

三枝「はい、分かりました。……あと他にも考えがあって、プリントを用意してきました」

そう言って、皆にプリントを配ってくれた。

そこには――途中入職するナースや助手、医師や技師が「どこで、どう過ごせばいいか」を整理して書く必要がある、とあった。

「ああ、確かに。途中で来ても、何をしたらいいか分からないよね」

理事「じゃあ教習なり見学なり、この地域を知ってもらうために送迎バスで案内したらいいんじゃない?スーパーや施設も回って」

桐生「いいですね。主な施設は知っておいた方が安心です。月に一度“新人向けバスツアー”をしてもいいですね。実習は、お掃除スタッフなら山野課長に任せればいいですが、ナースや医師はどうしますか?」

「そこは各部長に考えてもらおう。ナースは看護部長や師長にお願いしよう」

「あとさ、リーダー格の人だけでも全員現役なんだから長い実習は必要ないし、10月中に引っ越せばいい。11月は手順確認と役割分担。整理整頓や物流も大変だから、その時は応援が要るな」

桐生「確かに、実習が必要なのは主にお掃除スタッフでしょうね。11月からで十分だと思います」

三枝「すみません。その予定が固まったら教えていただけますか?僕は先に新聞で準備できることを進めておきます」

「了解。本当にありがとう、助かります」

三枝はにこっとして帰って行った。

「こうしてみると、考えなきゃいけないことが山ほどあるね。会議を開こうか。桐生さん、事前に内容を共有して、皆に考えておいてもらえるように伝えてくれますか?」

桐生「はい、承知しました」

理事「つまり“逆算のタイムスケジュール”ってことだね?」

「うん、もう必要だな」

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