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第9章 内定した方の為に
169話 日曜日は桃香の日
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今日は日曜日。
朝から家族で桃香のためにダンス教室に行く。
みんな、エリナさんがコーディネートしてくれたダンスウェアを着て張り切っていた。
いや、正直言って俺は少し疲れ気味だ。
ノリノリなのは夏と莉子。
まあ、あの二人は若いもん。
俺とは13も14も歳が違うんだ。しょうがない。
それにしても――桃香、ずいぶん大きくなったな。
ええ? 背丈が莉子に近くなってきたぞ。すごい。
踊る桃香の姿がかわいくてたまらない。
後ろの床に座って、眺めている時間が一番幸せだ。
夏は相変わらずキレがあり、莉子も負けじと張り合っている。
二人を見ているだけで飽きない。
「春ちゃん、踊らないの?」
「パパも踊りなさい!」――桃香が手を引っ張っていく。
「ああ~勘弁してくれよ。お年寄りは大事にしてくれ」
向こうで夏がちらっと俺を見て、冷たい目をした。
……なんだよその目は。覚えてろよ。
結局、動く気になれずそのままダウン。
最近ほんと、毎日がきつすぎる。
どこかで昼寝したい。
ようやくダンスが終わって、みんなでカフェに行くことになった。
カフェに入ると――中村もいたけど、また岩城がエプロンをつけてボーイをやっていた。
ああ~天才的頭脳の岩城外科医がボーイ……。
人件費の無駄だと言いたいが、まあ他人の店だし、どうでもいいか。
そこへ――えっ?なんで?
例の8人がそろってカフェに入ってきた。
俺たちと目が合うと、
「ああー院長先生!びっくりしました!」
なんて言ってる。あははは。
「どうしたの?ここ知ってたの?」
「いいえ、皆さんに“すごくいいお店ですよ~”って教えてもらったんです」
「へえ~そうなんだ。じゃあ、こっちにおいでよ」
隣のテーブルを勧めると、そこへボーイの岩城がやってきた。
岩城「いらっしゃいませ。この方々、お知り合いだったんですか?」
「うん、最近入ってくれた救命の8人だよ。紹介するね」
「こちらのボーイさんが――いずれうちにやってくる“天才的頭脳の岩城外科医”だよ。覚えておいてね」
……一瞬、みんなぽかんとした顔。何のことか分からないらしい。
夏と莉子は笑い転げていた。
「あのね、カウンターにいるのがこのカフェの店長・中村。俺の高校時代のテニス仲間なんだ。
その妹さんと岩城が結婚してて、たまにこうして店を手伝ってるんだよ」
「人件費、絶対合わないだろ?」
くすくすと笑いが広がる。
だって――あの岩城が黒エプロン姿だもんな。
笑うなって方が無理だ。
朝から家族で桃香のためにダンス教室に行く。
みんな、エリナさんがコーディネートしてくれたダンスウェアを着て張り切っていた。
いや、正直言って俺は少し疲れ気味だ。
ノリノリなのは夏と莉子。
まあ、あの二人は若いもん。
俺とは13も14も歳が違うんだ。しょうがない。
それにしても――桃香、ずいぶん大きくなったな。
ええ? 背丈が莉子に近くなってきたぞ。すごい。
踊る桃香の姿がかわいくてたまらない。
後ろの床に座って、眺めている時間が一番幸せだ。
夏は相変わらずキレがあり、莉子も負けじと張り合っている。
二人を見ているだけで飽きない。
「春ちゃん、踊らないの?」
「パパも踊りなさい!」――桃香が手を引っ張っていく。
「ああ~勘弁してくれよ。お年寄りは大事にしてくれ」
向こうで夏がちらっと俺を見て、冷たい目をした。
……なんだよその目は。覚えてろよ。
結局、動く気になれずそのままダウン。
最近ほんと、毎日がきつすぎる。
どこかで昼寝したい。
ようやくダンスが終わって、みんなでカフェに行くことになった。
カフェに入ると――中村もいたけど、また岩城がエプロンをつけてボーイをやっていた。
ああ~天才的頭脳の岩城外科医がボーイ……。
人件費の無駄だと言いたいが、まあ他人の店だし、どうでもいいか。
そこへ――えっ?なんで?
例の8人がそろってカフェに入ってきた。
俺たちと目が合うと、
「ああー院長先生!びっくりしました!」
なんて言ってる。あははは。
「どうしたの?ここ知ってたの?」
「いいえ、皆さんに“すごくいいお店ですよ~”って教えてもらったんです」
「へえ~そうなんだ。じゃあ、こっちにおいでよ」
隣のテーブルを勧めると、そこへボーイの岩城がやってきた。
岩城「いらっしゃいませ。この方々、お知り合いだったんですか?」
「うん、最近入ってくれた救命の8人だよ。紹介するね」
「こちらのボーイさんが――いずれうちにやってくる“天才的頭脳の岩城外科医”だよ。覚えておいてね」
……一瞬、みんなぽかんとした顔。何のことか分からないらしい。
夏と莉子は笑い転げていた。
「あのね、カウンターにいるのがこのカフェの店長・中村。俺の高校時代のテニス仲間なんだ。
その妹さんと岩城が結婚してて、たまにこうして店を手伝ってるんだよ」
「人件費、絶対合わないだろ?」
くすくすと笑いが広がる。
だって――あの岩城が黒エプロン姿だもんな。
笑うなって方が無理だ。
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