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第10章 人が集う、嵐の春
183話 莉子の甘いお誘い
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仕事を終えて帰宅すると、
玄関で莉子が目をらんらんと輝かせて待っていた。
……あ、これは何かあるな。
「お帰り~」
「お茶淹れようか?」
「もうやった」
莉子が意味ありげに首をかしげ、にこっと笑って俺を見つめる。
もう~こわい。なんだよ、その顔。
「なあに? ……なんかあるの?」
莉子「明日は私の日だよね?」
「うん、午後から空いてるよ」
莉子「お願いがあるの~……」
さらに目をぱちくりさせて俺を見つめてくる。
「なに?」
莉子「明日ね、雑誌のインタビューがあるんだけど、一緒に出てほしいの。きれいな格好して……」
……俺は汚い前提か?
「どんな格好をすればいいの?」
莉子「へへ~ん、もう用意してあるの。エリナさんに頼んだもん」
「どこでやるの?」
莉子「それがね、すっごく素敵なホテルでやるんだよ」
「何時から?」
莉子「4時から。ホテルにエリナさんが来て、スタイリングしてくれるんだよ」
「ふ~ん、本格的だねえ」
少し間をおいて、俺は言った。
「莉子、俺からもお願いがあるんだけど」
莉子「なあに?」
「またシャトルバスを注文するから、車体に絵を描いてほしいんだ。
今度、救命センターを傘下に入れたからさ。”菜の花病院 急性期・桜丘救命センター”って名前なんだ」
莉子「わかった」
即答。早いな。
*
翌日――その“すっごく素敵なホテル”へ車で向かった。
到着して驚いた。
ええ? 一体、何人スタッフがいるの?
どう見ても40人はいるだろう。
「莉子、いったいこの人達はなに?なんでこんなに多いの?」
莉子「ごめん、今日はね……本当はテレビの取材なの。それに芸能人も来るんだって」
「は?」
――完全に、騙された。
莉子「だって“テレビ”って言ったら出てくれないでしょ?
私、春ちゃんのこと自慢したかったんだもん」
そのタイミングで、エリナさんがアシスタントを連れてやってきた。
「こんにちは。お久しぶりです。今日はお揃いですね。ばっちりスタイリングしますね!」
張り切っている。もう、この時点で逃げ道はない。
莉子に恨めしそうな視線を向けると、
思いきり笑顔でウィンクしてきた。
なんだよ、それ。
しばらくして、俺にはおしゃれなスーツがコーディネートされ、
莉子は俺とリンクカラーのワンピースを着ていた。
柔らかく巻いた髪をゆるくまとめたアップスタイル。
眩しいくらいに可愛い。
――これじゃあ、莉子だって芸能人に全然負けてないな。
控室を出ると、スタッフたちが慌ただしく動いていた。
照明の調整、カメラ位置の確認、リハーサルの声。
まるでお祭りのような賑やかさだ。
「莉子、これさ、本当はテレビの取材じゃなくてテレビ出演だろう?」
「うん、ごめんね。でもきっと楽しいよ」
その笑顔に、もう何も言えなくなった。
こうなると、もう流れに乗るしかない。
この後――まさか驚きの人と会うなんて、俺はまだ知らなかった。
玄関で莉子が目をらんらんと輝かせて待っていた。
……あ、これは何かあるな。
「お帰り~」
「お茶淹れようか?」
「もうやった」
莉子が意味ありげに首をかしげ、にこっと笑って俺を見つめる。
もう~こわい。なんだよ、その顔。
「なあに? ……なんかあるの?」
莉子「明日は私の日だよね?」
「うん、午後から空いてるよ」
莉子「お願いがあるの~……」
さらに目をぱちくりさせて俺を見つめてくる。
「なに?」
莉子「明日ね、雑誌のインタビューがあるんだけど、一緒に出てほしいの。きれいな格好して……」
……俺は汚い前提か?
「どんな格好をすればいいの?」
莉子「へへ~ん、もう用意してあるの。エリナさんに頼んだもん」
「どこでやるの?」
莉子「それがね、すっごく素敵なホテルでやるんだよ」
「何時から?」
莉子「4時から。ホテルにエリナさんが来て、スタイリングしてくれるんだよ」
「ふ~ん、本格的だねえ」
少し間をおいて、俺は言った。
「莉子、俺からもお願いがあるんだけど」
莉子「なあに?」
「またシャトルバスを注文するから、車体に絵を描いてほしいんだ。
今度、救命センターを傘下に入れたからさ。”菜の花病院 急性期・桜丘救命センター”って名前なんだ」
莉子「わかった」
即答。早いな。
*
翌日――その“すっごく素敵なホテル”へ車で向かった。
到着して驚いた。
ええ? 一体、何人スタッフがいるの?
どう見ても40人はいるだろう。
「莉子、いったいこの人達はなに?なんでこんなに多いの?」
莉子「ごめん、今日はね……本当はテレビの取材なの。それに芸能人も来るんだって」
「は?」
――完全に、騙された。
莉子「だって“テレビ”って言ったら出てくれないでしょ?
私、春ちゃんのこと自慢したかったんだもん」
そのタイミングで、エリナさんがアシスタントを連れてやってきた。
「こんにちは。お久しぶりです。今日はお揃いですね。ばっちりスタイリングしますね!」
張り切っている。もう、この時点で逃げ道はない。
莉子に恨めしそうな視線を向けると、
思いきり笑顔でウィンクしてきた。
なんだよ、それ。
しばらくして、俺にはおしゃれなスーツがコーディネートされ、
莉子は俺とリンクカラーのワンピースを着ていた。
柔らかく巻いた髪をゆるくまとめたアップスタイル。
眩しいくらいに可愛い。
――これじゃあ、莉子だって芸能人に全然負けてないな。
控室を出ると、スタッフたちが慌ただしく動いていた。
照明の調整、カメラ位置の確認、リハーサルの声。
まるでお祭りのような賑やかさだ。
「莉子、これさ、本当はテレビの取材じゃなくてテレビ出演だろう?」
「うん、ごめんね。でもきっと楽しいよ」
その笑顔に、もう何も言えなくなった。
こうなると、もう流れに乗るしかない。
この後――まさか驚きの人と会うなんて、俺はまだ知らなかった。
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