診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第11章 新しいステージへ

207話 舞浜の豪華なホテルへ

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 夏が予約してくれた高層ホテルは、さすがに豪華だった。

東京ベイ・リゾート舞浜『宙』に一歩足を踏み入れると、吹き抜けの大窓から広がる空と海が一体化して見える。

まるで“空(そら)に浮かぶホテル”だった。

やっぱりいいねえ~、こういうところは落ち着くよ。

莉子「わぁ……まるで空に浮かんでるみたい!」

夏「お兄さん、ここなら絶対文句言えないでしょ?」

院長「……いや、これはさすがに最高だ」

桃香「お風呂入りたい! 花火見ながら!」

「はいはい、先に部屋に行くよ」

今日はベンチで待つだけで、めちゃくちゃ疲れてしまった。

早く風呂に入りたい。でも時間的にすぐ夕食だな。

「夏、夕食は何が出るの?」

「メインダイニングで、お兄さんと俺は会席のコース。莉子と桃香はバイキングブッフェだよ」

「同じテーブルで会席とバイキングが食べられるの?」

「そうだよ、すごいでしょう?」

ふ~ん。今回もエリナさんのコーディネートだから、ホテルの前庭や大きなガラス窓から海が一面見えるロビーで撮影しまくった。お仕事もしないとね。

そして部屋に入ると、また豪華で気に入った。

なんて素敵な景色なんだ。大きなガラス窓からは遮るものが何もない。

青い空と東京湾が沖の方まで見渡せる。

じっと見ていても、飽きないかもしれない。

しかし、ゆっくりする時間はない。

荷物をほどいたら、夕食用のコーディネートに着替える。

夏「今日はすごくおしゃれなレストランだけど、そんなに気取らなくても良いみたいだよ」

そうはいっても、エリナさんのコンセプトは“豪華でおしゃれなレストランで過ごすひと時”なんだ。

莉子は自分の髪をまとめると、桃香の髪をセットするのに苦戦していた。
桃香は、めちゃめちゃかわいい薄い水色のワンピースに、お団子ヘアー。
細い水色のリボンを一緒に巻き込んでいて、凝ってるねえ。莉子が必死で結っていた。

莉子もその細いリボンをリンクして、巻き髪のロールに同じ水色のリボンを巻き込んでいる。
桃香とリンクする莉子の水色のワンピースに、俺があげたゴールドとパールをあしらったペンダント。


俺と夏はちょっとくだけているけど、それなりにおしゃれなズボンとジャケット。
カジュアルなんだけど、ちゃんとネクタイとポケットチーフもある。
スタイリスト・エリナさんの真骨頂って感じだ。

写真の許可も得て、早めに行ったから夏が写真を撮りまくった。

ふと気づくと、入り口の方で何人かの人が固まってこっちを見ていた。

「夏、入り口の方で何人かが俺たちを見てるんだけど、知り合いなの?」

ちらっと夏が見ると、「俺知らなーい!」

そうなんだ。なんだろう?

「莉子、向こうで俺たちを見てる人たちがいるけど、知ってる人?」

「知らないよ」

そしたら、なんとその人たちが俺たちのそばまでやって来た。

えー、なんだろう?

「こんばんは。突然すみません。菜の花病院の院長先生ですよね?」

「はい、そうですが」

「お楽しみのところをすみません。私たちは出版社の者ですが、佐久間想君は元気でやってますか?」

「えっ?? あ、もしかして想君が前に働いていたという出版社の方ですか?」

「はい、そうです。どうしてるかなあとずっと気になっていたのですが、たまたま院長先生をお見かけしたので伺いたくなってしまいました」

夏と顔を見合わせて、その人たちの前でご挨拶をして深くお辞儀をした。

「想君はとっても元気です。菜の花病院の近くにあるアニメプラスという会社で、主に広報や文章を書く仕事をしてもらっています。うちの理事がアニメプラスの取締役もしている浅田です」

夏「初めまして、浅田です。菜の花病院では理事をしています。想君は素晴らしい文才があって大活躍しています。アニメプラスの社長が気に入っていて、そばから放さないんですよ」

「こんないい子を手放してくださって、本当に心から感動しました」

「本当にありがとうございました」

夏と二人で心を込めてお辞儀をした。

「あ、いえいえ、かわいがっていただけているようなので、すごく安心しました。
私たちも菜の花病院のHPやインスタを拝見していますが、想君の顔が出るとみんな喜んでいます。
お休みのところお邪魔しました。今後ともよろしくお願いします。では失礼します」

「こちらこそ、ありがとうございました。失礼します」

夏「うわー、びっくりしたー」

「本当にみんなにかわいがってもらってたんだね。あー、悪いことをしたなあ~」

夏「今度、想君の密着を三枝さんに撮ってもらわないといけないよね?」

「うん、そうだね。恩返しはそれしかないね」

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