診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第13章 菜の花の新しい風

243話 静かなる始動

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 昨日、桐生さんが村瀬さんと佐伯さんを社長に紹介したそうだ。

すごく喜んでくれたらしい。

「これでますます安泰だな」と言われたそうだ。ふっ。

それで、7階の桐生さんの秘書室を一部作り替えて、二人の机を置くことになった。

2号館ができるまでは、そこで業務をしてもらうとのこと。

2号館ではレイアウトを変えて、夏の芸能事務所「Natsu Entertainment Group」をブースとして設けてくれるそうだ。

できるだけ広くスペースを取ってもらえるようにお願いした。

用途に応じて、仕切りで調整できるように希望した。

だって、本当にモデル事務所の人材派遣?かどうかは分からないけど、夏が次に何を始めるか分からないからさ。

しょうがないよね。声が漏れないような商談スペースも必要だと思ったしね。

まるで、いつも診察室を増やす苦労をしているような気がした。

建築士には「だんだんゆったり感がなくなりますけど、良いですか?」と言われたそうだが、しょうがないよね。

だって、降って湧いたような話なんだもん。

そして桐生さんが、夏のオフィシャルサイトを作ってくれた。

それと「Natsu Entertainment Group」のサイトも作ってくれたから、もう問い合わせの窓口で困ることはなくなった。

これは双方ともリンクできるようになっている。

ただ、浅田工業グループの中に菜の花病院や菜の花フーズがあるように、「Natsu Entertainment Group」もその一部として入っているんだ。

仕事の依頼はすべて「Orion Music Works」に連絡してもらうよう表示されていて、リンクもされている。
うちに直接来ることはないと思う。

夏のオフィシャルサイトを見ると面白い。

人から夏を見ると、こういうふうに映ってるんだなと思った。

素敵な夏の写真がいっぱい入っていたし、この前のKAI君とのデュエットだけは動画で入れさせてもらっている。

もちろん使用許可を取り、使用料も払っている。

この世界は、なんでもお金なんだね。まあ、どこでもそうか。
そういうわけで、ようやく窓口ができたことで、少し気持ちが落ち着いた。

夏は熱心に練習に通っている。元々優等生なんだからさ。根性はすごい。

とにかく、見守るしかない。

ただ桐生さんの話だと、オリオンからどんどんテレビや舞台の打診があるそうだ。

あとは雑誌の撮影ね。でも協議の末、今は止めておこうということになった。

今は力を蓄えているところだから、変に持ち上げられても失速するかもしれない。

それでも、ダンスレッスンやボーカルレッスンはグループに交じってやってるから、RIN先生の推薦もあるんだろうけどね。

それでも我慢の時だよ。

本人も「それでいい」と言ってるからさ。

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