診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第15章 進むべき道へ

285話 採用合格者たち

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 桐生君さんに「条件が厳しくないか?」と聞いたら——

「いやいや、最高に理想的だと思いますよ。
それくらい音楽業界で食べていくのは大変なんですよ。
それなのに、住むところも食事も衣装も丸抱えで、活動する時は別途報酬が出ますからね。
福利厚生は最高だし、普通のサラリーマンよりよほどいいはずですよ」

あ、そうなんだ。ふ~ん。
俺は基準を間違えてた。
いつもナースや看護助手を基準にするからな(笑)

午後から、2次審査が始まった。

楽譜を初見で演奏してアドリブを入れる。

バンド演奏をする人たちは、初めて会う相手ばかりなのに、いきなりセッションを要求される。

最初はピアノから始まり、ドラムがリズムを刻み始め、ギターやベースが入っていく。

ワンコーラスが終わると、次から順に各楽器がアドリブを入れて繋いでいく。
一通り終わったら、藤堂さんが合図をしてエンディングに入る。

ふっ、すげえ~。なんで?
今までずっと一緒にやっていた人みたいにうまい。

そうやって、3組がバンド演奏をした。

お互いに初めてなのに、どうやって確かめ合ってるのか、俺には全然分からなかった。

審査が終わり、とりあえず参加者は下の控室で待機。

審査員の結果はどうなんだ?

俺は「いいなあ」と思う人が何人かいたけど、素人だから黙ってるよ。

ただ、俺と夏と莉子も、いいと思った人には5点評価で丸を付ける審査票をもらっていた。

その結果——

レギュラー採用(各1名)
• ピアノ
• キーボード
• ドラム
• リードギター
• ベース


 準レギュラー採用
• パーカッション1名
• トランペット:1名
• サックス:1名
• ヴァイオリン:6名
• ビオラ:3名
• チェロ:3名
• コントラバス:1名
合計21名。

他にヴァイオリン2名。ヴィオラ1名、チェロ1名の予備の登録者が決まった。
合計25名

この予備の登録者は大きなコンサートなどは出るんだけど、普段は出番があまりないかもしれないという扱い。
でも寮には住んで良くて給料も拘束費として毎月5万円。他に昼夜のお弁当券を支給。活動する時は別途支給。
その代わり出稼ぎOK。

あ~、レジデンスの寮が一気に25室ふさがってしまった。

準レギュラーの場合は、寮と朝食がつく。
毎月最低保証は10万円。
曲によって出番があるそうなので、別途支給される。
もちろん、空いている時間は出稼ぎ自由。

それ以外の条件はすべて同じ。

寮は住まなくても用意される。
待ち時間や、時間が遅くなったり、演奏会場からのシャトルバスの都合で、
ホテルに泊まってもらった方がいいからだ。

準レギュラーは、だいたい午前の出番。
バンドは午後から。
これだと出稼ぎがしやすいのかな。

今回のピアノの人が、かなり達者な人で、
「アレンジも作曲もなんでもやる」と言っていた。

桐生さんたちが、ちょっと迷っていたんだよね。

バリバリのプロのアレンジャーを頼むつもりだったらしい。
どうなるんだろう?

バリバリは高いんだよ。やっぱり。
案件ごとに報酬が必要だと言っていた。

それより——
全員、ニックネームで呼ぶことになったから、みんな考えてたよ(笑)


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