診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第15章 進むべき道へ

296話 コンサートまであと3週間

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 5月、連休が終わると——夏のコンサートの準備は、ほとんど終わっていた。

さすがに餅屋は餅屋だよね。
プロのライブを請け負う集団は、やっぱりすごい。

それに、今回のコンサートは「夏の写真集を売ること」と「ファーストコンサートで夏輝を皆さんに紹介すること」が目的だから、
そんなに手の込んだ舞台のしつらえは必要ないんだよね。

バックのスクリーンに多くの画像を出して、あとは光やスモークの演出。

それから、ダンサーたち10人による派手なダンスシーンが、音楽と共に盛り上げる。

歌の合間には、MCと夏のトークが結構入ってるから、それで時間稼ぎや息継ぎができる。

最初はどうなるかと思っていたけど、夏が13曲をマスターしたことで、
あとはダンスの見せ場の練習に集中していた。

まあ、ロビーでのグッズ販売にもスタッフは熱心だ。

衣装はすべて用意できたそうだ。
みんなが試着して、実際に踊ってみて、動きのテストもしていた。

本番には、エリナさんが知り合いの美容師を3人連れてきて、メイクとヘアーを担当する。

他に、自分のアシスタントも3名連れてくるそうで、万全の準備をしてくれていた。

俺は舞台用にも酸素ボンベを持ち込むから、残量を計算していた。

それと、整体師が毎日みんなの体調を整えてくれていたから、今のところ故障者はいない。

コンサート当日も来てくれる。
俺も当日は白衣を着てみんなの体調管理に勤めるよ。

さて、気になるチケットの販売状況なんだけど——すごいよ。

写真集付きでS席は8000円。他は7000円で均一。

それで社長が「今年の福利厚生にする」と言ってくれたから、菜の花全員が招待されることになった。
ただ、シフトのある人は無理なので、みんなで抽選にしたらしい。

それでも来られなかったスタッフのために、夏が翌週の土曜日の午後、
2号館の11階で何曲か歌うことになった。
ダンサーたちも一緒に踊るそうだ。

救命センターや2号館のスタッフは、とても喜んでいるそうだ。
もちろん来れなかった人にも写真集のプレゼントがある。

まあ、そういうわけで、実際に来られる人は350人くらい。

今回のホールは駅から徒歩圏内で、菜の花からも電車で10分ほどのところ。
だから送迎バスはなし。

350人というと、1階席の三分の一くらい。残りは2階や3階席もある。

今のところの売れ行きは、菜の花分も含めて約1700枚。
すごいと思わないか?

みんなのテンションが上がりまくりだよ。

これで夏がコケなければ、全員続投間違いなしだな。

それにしてもタレントが1名しかいないって、事務所にとっては綱渡りだなと思った。
いつコケるか分からないから、他にもタレントが欲しいよね。

だから、音楽事務所っていっぱいタレントを抱えるんだね。
その気持ちはよくわかったよ。

ところで夏がVOXIVE(ヴォクシヴ)のメンバーにも全員切符を送ったそうだ。

どうだろう? 忙しいだろうけど来られるといいね。

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