診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

文字の大きさ
299 / 431
第15章 進むべき道へ

297話 コンサート前日

しおりを挟む
 明日の本番を控え、みんな緊張しまくりだ。

コンサートは18時開場、19時開演、終演は20時30分。撤収は22時まで。
朝は9時からでないと、人も荷物も入れない。

今日は臨時アルバイトやスタッフ、出演者が全員ダンススタジオ集合し、説明会が行われる。

ダンススタジオはぎっしりだ。

まず全員に部屋の入り口で、明日着るスタッフ用のTシャツが配られた。

前も後ろの<NATSU>と大書きしてあって、
その下に添えるように、Entertainment Group の文字が入っていた。

次に映像をみんなで見る。
レオさんが作った3Dのコンサート風景をプロジェクターで映し出された。
同時に音楽も流れる。

画面の左下にはスケジュールの時刻が刻まれていく。
ただ、MCとのトークは 何分間とテキストで表示される。

歌っている部分は早送り。ダンサーたちの踊りも入っていた。
全体の流れが分かりやすい。


レオさんが「大体こういう流れで演奏会を行う予定です」すると、「わ~」と、みんなのため息とともに拍手が送られた。

これから先は人数が多いため、上下に分かれて打ち合わせを実施。

ここではエリナさんや運営スタッフも全員集合し、手順や役割の確認が進められた。


上の音楽スタジオでは、販売方法をアルバイトスタッフに説明していた。

「なんか凄そうですねえ」と山科看護部長が嬉しそうに言う。
皆もうんうんと頷いていた。
うれしいようなミーハーのような?
でも頼りになる、”荷物持ち隊クラブ”のスタッフが16名、物販を手伝ってくれるそうだ。

ここでは2000人も一斉にグッズを見ると思うから、18時から18:55分までが戦争のように勝負。
その後は20:30分から30分がまた勝負。

長机ごとにグッズの名前を書いた立看板を用意した。
でないと2000人に埋もれちゃう。なるべく広い範囲に机を広げる。

少しでも分散して見てもらわないと駄目だ。

でもメグちゃんの意見で、
「もうグッズがあるならさっさと先にネット販売した方が良くないですか?
そしたら現地の混乱が減ると思いますよ」と言われ、
__みんなでダーッとなったらしい。(笑)

しかもだよ、ネットで買ってくれた人には”特典を付けないと駄目”ってメグちゃんが言ったんだって。
それで、急遽A5の写真とサインが入ったファイルを写真違いで2種類用意。

1種類はネットで販売する。もう1種類は特典用。

特典なのに部外者が欲しがって困るから、
ネットで売ってる方を買ってくださいって言う為なんだって。経験あるのかな?

とにかく、ネットで写真集を買ってくれた人に特典でファイルをつけるそうだ。

理由は、”差別化とネットで買うとお得ってことを刷り込みたい”からだそうだ。

「えー?あのメグちゃんがそう言ったの?」

桐生「ふふふ、もう僕たちはお手上げですよ。あの世界は全部メグちゃんに任せますよ」

へえ~、信じられない。メグちゃんにそんなところがあったんだ。
まあ、とにかく経験者には叶わない。
誰もファンクラブなんて入ったことがないんだからさ。

そういうわけで、ネットではどんどん先行販売を始めた。
もちろん特典付き写真集もね。

まあ、公演が終了したら舞台も楽屋もすべてさっさと撤収をしてもらおう。
それぞれにみんな緊張感と期待感でいっぱいのようだ。
すごくいい顔をしている。


それなのに、なぜか主役の夏がいまいち浮かない顔をしている。
スタジオの端の方で一人ぽつんとしていた。

「夏、どうかしたの?心配ごとが出来た?」

聞かれて夏が少しうつむいた。

「あのね、来るかどうかの返事がないから、KAIにメールしたんだよ。そしたら招待状を貰ったことは知らなかったんだって。俺音楽事務所宛てに送ったからさ。でもいろいろ事情があって、多分誰も今はいけないと思うって返事が来たんだよ。だから心配なんだよね。どうしたのかなあと思ってさ‥‥‥」

「ふ~ん。そうなんだ。もしかしたら、あの事務所の事だからなんかトラブってるのかもね。でも今心配してもしょうがないから、今日と明日は忘れて公演に集中した方が良いよ。だって後で録画を送るだろう?」

少し頬が緩んだ。
夏「うん、そうするよ。成長したとこを見せないといけないもんね」

「そうだよ、一番いいとこを見せないとね」

夏がふっと笑っていつもの表情に戻った。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【短編集】こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

守り守られ

ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師 患者 瀬咲朔 腸疾患・排泄障害・下肢不自由 看護師 ベテラン山添さん 準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん 木島 尚久 真幌の恋人同棲中

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

月弥総合病院

僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

処理中です...