診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第18章 回復と未来を目指して

342話 ヴォクシブ・音楽スタジオ見学

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 夏が持って来た履歴書を一枚ずつ、みんなで回し読みしていた。

10分もすると一通り読み終えたようで、みんなぼーっとした表情になった。疲れたかな?

「みんな大丈夫?少し休む?」

トーマ「いえいえ、あまりの皆さんの高キャリアにぶっ飛ばされただけです。一流企業も真っ青かな?」
皆くすくす笑った。

KAI「桐生さんって東大なんだ。なるほどねえ~。何か納得するわ。社長が初日でアニメの社長に任命したってのもわかるわ」

「いやいや、東大だからじゃないと思うよ。大手ゲーム会社のプロダクトマネージャーってすごい管理職なんだ。相当な実力がないと出来ないんだよ。販売先も世界を相手にするんだからさ。そこは夏も同じなんだけどね。会社のすべての責任を持つんだから。その実力を買われたんだよ」

KAI「へえ~そうなんだ。俺達ゲームはやっても会社のことは分からないもんね」

ジュン「院長先生の話にあったけど、本当に事務所のスタッフが精鋭部隊だというのは分かりました」

夏「それでさ、今度は舞台を作り上げるライブ製作会社を作るんだ。というか、もう会社は出来てるんだ。
グランド・ステージ・ワークスっていうんだよ。まだ人集めはやってないんだけどさ。劇場も作るからスタッフも要るし、これからみんな大忙しなんだよね。それと今年はあと2回ホールでコンサートがあるんだ」

KAI「はっ?それ聞いてなかった。いつ?どこで?」

夏「ええっとね。9月27日と12月13日かな?場所は知らないけど」

KAI「ええーー?場所が今からなの?」

夏「うん、俺が知らないだけかも。ただボーカルのレッスンとダンスレッスンは続けてるよ。後は監督任せかな」

ノア「監督?知らねえ~。いるの?」

笑った。「とにかくさ。夜まで待たなくても、スタジオに行っちゃえば?変装してバラバラに行けばわかんないよ」

その後はそれぞれ変装をして、1分おきに出発して駅前のビルに向かった。
夏は全員揃うまで1階のエレベーター前で待っていた。

俺はトーマ君の車いすを押した。
「このビルの2階から6階までが使える場所なんだよ。まずは2階だね」

2階で降りると、かすかに音が聞こえた。

夏「ここは個人練習のための防音ブースになってるんだ。24時間使えるんだよ。各自が希望を予約するんだ。もちろんうちのアーティスト専用だから無料だよ」

皆きょろきょろ見て回っていた。ブースのドアは真ん中がガラスになっているので、中がよく見える。

何とすべてのブースが練習中だった。凄いね。

俺達が来ているのに気づいたメンバーが次々に出て来た。

「ええ?来てくれたんですか?こんにちは。今後ともよろしくお願いします。ちょっと皆に知らせますね」

そう言って、皆のドアをぼんぼん叩いて回っていた。(笑)
一斉にみんな出て来た。

「わー初めましてですよね?この前の弦楽のコンサートにいらしていたけど、ご挨拶はまだだったから」

夏「じゃあ、みんなそれぞれに自己紹介してもらえますか?」
皆次々に自己紹介をしてくれて、メンバーも照れながらも挨拶をしていた。

夏「じゃあ、お邪魔しました。続けてください。俺達は上に移動しますから」

それで3階へ向かった。
そこではダンストレーナーのみずきさんが指導をしていた。
「わっ、来てくれたの?うれしい!」みずきさんが飛んできてくれた。

夏「紹介するね。ダンストレーナーで舞台の演出もしてくれるみずきさんです」
「初めまして」メンバーも緊張しているようだった。

夏「みずきさんはうちの事務所の専属なんだ。だからいつでも指導が受けられるんだよ。アメリカでずっとステージの演出をしてきた人で、ダンスの振り付けもしてくれるしね。踊っているのはうちの専属ダンサーたちで、ステラビートと言って10人いるんだ」

みんな言葉を失っているようだ。驚きっぱなしなんだろうね。

「みずきさん、今の皆さんの踊りを指導しているところをちょっとだけ見せてもらってもいいですか?」

みずき「はい、わかりました。では皆いいわね?今のを最初からやりますよ」

音楽が鳴り、みんながダンスを始めた。みんな張り切ってるな。

3分ほどで終わったが、皆キレッキレのダンスを見せてくれた。
メンバーが「すげえ~」と言って拍手喝采をすると、皆うれしそうに笑顔を見せた。

夏「じゃあ、今度は4階に行きましょう。皆さんありがとうございました」

4階に行くと、監督とバンドメンバーのナツ・サウンド・クルーが練習をしていた。
ドアを開けると、音が飛び込んでくる。

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