348 / 431
第18章 回復と未来を目指して
346話 花井部長に叱られて
しおりを挟む
朝礼が終わると、花井部長が俺と理事に「大事な話がある」と言ってきた。
ああ~、正直、聞きたくない。ややこしい話に決まっている。
とりあえず桐生さんも同席してもらい、院長室に集まった。
花井「今、院長がヴォクシブの件で忙しいのは分かっていますが、大問題があるんです。
すぐ診察室を3つ作ってください。将来的には最低でも10室ほど必要です。
院長も分かっていると思いますが、専攻医を3名受け入れるんですよね?
今のところ、問題なく受けられるのは精神科だけですよ。青山先生の横は防音室の個室になっているから、あそこなら精神科の専攻医を1名置けます。でも後はないんですよ。どうしますか?」
院長「……ああ~申し訳ない。そうなんですよねえ。もし作るとしたら4階の奥の静養室を改造するしかないですよね。あとはヴォクシブに新たな寮を用意して全部空けてもらって、そこで4室作るか。キッチンを処置室にするしかないですね」
花井「根本的にはですね、別に建物を作って整形外科とリハビリセンターに移ってもらうのがベストなんです。あと病棟も一緒にすれば随分楽になります。
そうすれば、今の整形外来を小児科の外来にすれば、専攻医を入れて隣の小児科の医師に指導医を頼めますし、あのリハビリセンターが移動してくれれば、あそこに4室は外来が出来ますよ。
2号館用に医師がいっぱいいるので、それは安心なんですが……いかんせん外来がどの科も1つしかないのは無理があります。本来なら外来の窓口が2つ3つあってもいいくらい医師が揃っているのに、本当に勿体ないですよ。
それと外科です。立派な外科医が揃っているのに外来が1つなんてあり得ない。勿体ないです。
あと内科医も同じ。病棟担当を入れたとしても、外来の受け入れがまだ全然足りません。
全体的にもっと見直してもらえませんか?これは理事にも社長にもお願いしたいんです」
俺も理事も何も言えない。もうグーの音も出ない。
全くその通りだ。ああ、つけが回ってきた……。
理事「えっと院長、俺が答えても良いですか?」
頷いた。大きな資金のかかる話だ。
理事「花井部長のおっしゃることはごもっともです。すべてに善処します。
新たに整形外科用に建物を用意します。
ただ、もしかしたら1年以上かかるかもしれませんので、至急、外来の部屋を出来るだけ増やします。
少々お時間をいただけますか?」
花井部長「はい、それで結構です。新たに建物を作るのに時間がかかるのは承知しています」
院長「すべて是正します。それで改造で間に合う外来の優先順位をリストでいただけますか?それから、2号館のシフトが間に合うようであれば、外来窓口があとどれくらい必要なのかを教えていただけますか?」
花井部長「はい、分かりました。すぐ送ります」
院長「ではそういうことでよろしくお願いします。本当に申し訳ありませんでした」
理事「ご不自由をおかけして申し訳ありませんでした」
二人で深々とお詫びした。花井部長は「ではよろしく」と言って部屋を後にした。
「……あ~あ、怒られた!」
理事「はあ~怒られたね」
桐生さんがふふっと笑った。
院長「専攻医の部屋を3つは作ろうと思ってたんだけど、4階の静養室を改造して、あとはあっちこっちずれていけば3室は出来るなと思ってたんだよね。でも別棟か……ああ~また増える……」
夏「やっぱりさ、ヴォクシブに寮を用意して出てもらわないと本館はパンクだよね。あそこが空けば3つの外来は出来るからさ。ダメだぁ~。戻すんじゃなかったね……失敗だよ。ゆとりの設計なんて、うちでは土台無理なんだよ」
院長「整形用に建物を建てればさ、送迎バスの駐車場も大きくいるし、大浴場も今パンクしてるから、ついでに作ってほしいし……ああ~また人を募集しないといけないのか? あーーー!病気になりたい……」
アハハハ、と桐生さんが笑った。
ああ~、正直、聞きたくない。ややこしい話に決まっている。
とりあえず桐生さんも同席してもらい、院長室に集まった。
花井「今、院長がヴォクシブの件で忙しいのは分かっていますが、大問題があるんです。
すぐ診察室を3つ作ってください。将来的には最低でも10室ほど必要です。
院長も分かっていると思いますが、専攻医を3名受け入れるんですよね?
今のところ、問題なく受けられるのは精神科だけですよ。青山先生の横は防音室の個室になっているから、あそこなら精神科の専攻医を1名置けます。でも後はないんですよ。どうしますか?」
院長「……ああ~申し訳ない。そうなんですよねえ。もし作るとしたら4階の奥の静養室を改造するしかないですよね。あとはヴォクシブに新たな寮を用意して全部空けてもらって、そこで4室作るか。キッチンを処置室にするしかないですね」
花井「根本的にはですね、別に建物を作って整形外科とリハビリセンターに移ってもらうのがベストなんです。あと病棟も一緒にすれば随分楽になります。
そうすれば、今の整形外来を小児科の外来にすれば、専攻医を入れて隣の小児科の医師に指導医を頼めますし、あのリハビリセンターが移動してくれれば、あそこに4室は外来が出来ますよ。
2号館用に医師がいっぱいいるので、それは安心なんですが……いかんせん外来がどの科も1つしかないのは無理があります。本来なら外来の窓口が2つ3つあってもいいくらい医師が揃っているのに、本当に勿体ないですよ。
それと外科です。立派な外科医が揃っているのに外来が1つなんてあり得ない。勿体ないです。
あと内科医も同じ。病棟担当を入れたとしても、外来の受け入れがまだ全然足りません。
全体的にもっと見直してもらえませんか?これは理事にも社長にもお願いしたいんです」
俺も理事も何も言えない。もうグーの音も出ない。
全くその通りだ。ああ、つけが回ってきた……。
理事「えっと院長、俺が答えても良いですか?」
頷いた。大きな資金のかかる話だ。
理事「花井部長のおっしゃることはごもっともです。すべてに善処します。
新たに整形外科用に建物を用意します。
ただ、もしかしたら1年以上かかるかもしれませんので、至急、外来の部屋を出来るだけ増やします。
少々お時間をいただけますか?」
花井部長「はい、それで結構です。新たに建物を作るのに時間がかかるのは承知しています」
院長「すべて是正します。それで改造で間に合う外来の優先順位をリストでいただけますか?それから、2号館のシフトが間に合うようであれば、外来窓口があとどれくらい必要なのかを教えていただけますか?」
花井部長「はい、分かりました。すぐ送ります」
院長「ではそういうことでよろしくお願いします。本当に申し訳ありませんでした」
理事「ご不自由をおかけして申し訳ありませんでした」
二人で深々とお詫びした。花井部長は「ではよろしく」と言って部屋を後にした。
「……あ~あ、怒られた!」
理事「はあ~怒られたね」
桐生さんがふふっと笑った。
院長「専攻医の部屋を3つは作ろうと思ってたんだけど、4階の静養室を改造して、あとはあっちこっちずれていけば3室は出来るなと思ってたんだよね。でも別棟か……ああ~また増える……」
夏「やっぱりさ、ヴォクシブに寮を用意して出てもらわないと本館はパンクだよね。あそこが空けば3つの外来は出来るからさ。ダメだぁ~。戻すんじゃなかったね……失敗だよ。ゆとりの設計なんて、うちでは土台無理なんだよ」
院長「整形用に建物を建てればさ、送迎バスの駐車場も大きくいるし、大浴場も今パンクしてるから、ついでに作ってほしいし……ああ~また人を募集しないといけないのか? あーーー!病気になりたい……」
アハハハ、と桐生さんが笑った。
5
あなたにおすすめの小説
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
月弥総合病院
僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる