診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第18章 回復と未来を目指して

368話 専攻医の予定・外科と産婦人科

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 2号館は病棟の患者がいっぱいになったことで、
朝礼では「極力残業をしないように協力し合ってください」と念押ししておいた。

これが菜の花のポリシーだ。

サービス残業なんか見つけたら罰金だ――まあ、それはまだ言ってないけど、今度見つけたら言うつもりだ。

すると早速、岩城からクレームが来た。

岩城「あのさ、残業たってさ、救急患者を診てる途中で代わるわけにいかないでしょう?それはどうするの?」

「そういう場合は、早めに次のシフトの人が救急患者を最初から診て欲しいです。残業はダメだけど、多少早めに入るのは早出として認めます。だから手のかかりそうな患者は遅出の人に振ってください」

岩城「そうなんだ。じゃあ、30分くらい早く来てもらおうかな?」

「はい。早出は認めます。救急患者対応のためにはしょうがないです。残業されるよりはマシです」

岩城「ふ~ん。変なの。よく分からないよ」

「超過勤務はキリがないんだよ。それを常習化するのは悪だよ。夏を思い出してよ」

岩城「わかったよ。早出だけにしておきます」

「ところでさ、専攻医の希望者がいっぱいいるでしょう?どうするの?3名しか入れないからさ」

岩城「そりゃあ、外科希望の1名は入れるよ。で、専攻医の後ろには外科医がチェックすることにするよ。もう一部屋は初期研修生のためだね。これも二重チェックだよ」

「ということは指導医が2名付くということか。でも他にも外科医がいっぱいいるから不満が出ないか?もう1部屋使う?場所が離れるけどさ」

岩城「そうなんだよね。まあ、ICUも病棟もあるから何とかなるよ。どうしても診療をしたいのがいたら、救命センターに行ってもらうよ」

「うん、悪いね。あとさ、浪人の専攻医が出たらどうする?これ確定だと思うんだけどさ」

岩城「そりゃ入れるさ。思いっきりかわいがって鍛えるよ。翌年入って来た専攻医に差を付けられるだろう?」

「で、何人浪人生を入れるつもりなの?」

岩城「それなんだよねえ。よほど優秀で性格が良ければ3名くらいは入れたいね。救命センターにもどんどん行ってもらうけどさ」

「うん、わかった。でも今回の採用は3名のうち、外科医は1名だけにしてね。他の科にも入れないとひがむだろう?」

岩城がぷっと笑った。

岩城「わかったよ。その代わり、浪人生は外科医3名でよろしくね」

「了解」

ああ~密約をしてしまった。絶対内緒だ。


隣の川瀬の産婦人科エリアに寄ってみた。

ベビールームで助産婦さんや他の婦人科医師たちと談笑していた。
なんだ、楽しそうじゃん。

「お疲れ様、ちょっと話があるんだけど良いかな?」

川瀬「ええ?今ちょうど楽しくしゃべってたんだけどねえ~」

回りのスタッフがクスクス笑っていた。

「ベビーは生まれたの?」

川瀬「まだだよ。抱きたくて待ってるんだろう?理事も来たよ。あと来月なら生まれるさ」

「ところでさ、専攻医を受けるの?診察室が飛ぶからさ、どうかなと思ったんだけどね」

川瀬「なんか場所が離れるとやりにくいよね?ぽつんとあってもさ。今さ、産婦人科と不妊外来で部屋を分けてるんだけどさ。ちょっと専攻医が入りにくいのかなと思うんだよね」

「たださ、2号館で婦人科エリアの診察室を作るのはもう無理なんだよね。サテ館の2階に作っても良いけどね」

川瀬「いや、それはやりにくいよ。良いよ、うちは今のメンバーで丁度良くやってるからさ。専攻医は要らないよ」

「そうか。分かった。じゃあ初期研修生だけ頼んだね」

川瀬「了解」

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