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第8話 タワマンの誘惑
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結局、海斗の布団を無理やりはがしてやった。
そうでもしないと起きないだろうが。
さっさとしないとトラックが来ちまうんだからな。
「ああ~もう肩が疲れてダメ……。
あれ? おばさんは?」海斗が寝ぼけてる。
こっちだって肩がこりこりなんだよ。
「知らない。どっか行ったんじゃないの?
結局何も変わってないし......」
そしてトラックが来て、11時に不動産会社の女性もやって来た。
「さあ、俺んちに行くぞ。
早く行かないとトラックが先に着いちゃうよ」
海斗がさっさと歩いていく。
海斗は大学の近くのマンションに住んでるらしい。
医大の近くなら、都会のど真ん中だ。
そしてマンションに着いた。
俺は上を見上げた。
なにこれ? 28階建てだって?
ウソだろ。
フロントにはコンシェルジュがいた。
エレベーターでさっそうと上がる。
海斗は24階だそうだ。
ホテルみたいな玄関ドアから入ると、そこだけでも広い。
明るくて広いリビング。
大きな窓からは都会の眺望が最高だ。
「とおる、こっちの部屋を使ってくれよ」
案内された部屋は6畳ほどの洋室。
ここだって明るくて、大きな窓がある。
「ここを使ってもいいのか?」
「うん。冷蔵庫とか要らないから、それは物置に入れてくれよ」
その物置を見ると、四畳半くらいのウォークインクローゼットだった。
俺の部屋と変わんねえなあ……。
夕べ作ったおにぎりを出して、レンジで温めて二人で食べた。
「とおるは結構こまめに料理するんだな」
「しょうがないじゃん。貧乏なんだからさ」
「いや、褒めたんだよ。偉いよ」
「海斗は作らないのか?」
「俺は面倒なことはできないよ。
もっぱら弁当買ってくる」
そして引き出しから何か出してきた。
「これさ、クレジットカードなんだけど、
これからうちにいる間はこれで食料品とか日用品とか買っていいからさ。
なんか料理してくれないか?
俺まともなもん食ってないからさ。
あ、それとカードキーね」
「ふ~ん、そうなんだ。
いいよ、料理くらい作るよ。任せて」
しっかりクレジットカードとキーを財布に入れた。
ちょうどその時、トラックがやって来た。
片づけを一緒に手伝ってくれた。
片づけ終わると、もう夕飯の時間だった。
冷蔵庫を見ると、ドリンクしか入っていない。
全く、何を食べて生きてるんだよ。
明日買い物に行かないとダメだな。
とりあえず俺んちから持ってきた缶詰や残り野菜で
具だくさんの汁物を作った。
焼いたお餅も入れた。
海斗が美味しそうに食べた。
「お前、料理うまいな。これから楽しみだな」
「いや、早く戻らないと俺は死ぬぜ」
「勉強のこと言ってるのか?」
「そうだよ。なんで俺に医学部の授業が分かるんだよ?」
「まあまあ、心配するな。俺がなんとかするからさ」
その晩は、豪華で美しい風呂でジャグジーにして楽しんだ。
いい気分の時に海斗が爆弾を落とした。
「とおる、明日はさ……言いにくいんだけど、
解剖の実習があるんだよ。
悪いけど、グループの中で“記録係をする”って言えば、
実際にやらなくて済むからさ。
何とか出てくれないか? 1時間目からなんだよ」
ーーー途端に頭が真っ白になった。
何を言ってるのか分からない。
そうでもしないと起きないだろうが。
さっさとしないとトラックが来ちまうんだからな。
「ああ~もう肩が疲れてダメ……。
あれ? おばさんは?」海斗が寝ぼけてる。
こっちだって肩がこりこりなんだよ。
「知らない。どっか行ったんじゃないの?
結局何も変わってないし......」
そしてトラックが来て、11時に不動産会社の女性もやって来た。
「さあ、俺んちに行くぞ。
早く行かないとトラックが先に着いちゃうよ」
海斗がさっさと歩いていく。
海斗は大学の近くのマンションに住んでるらしい。
医大の近くなら、都会のど真ん中だ。
そしてマンションに着いた。
俺は上を見上げた。
なにこれ? 28階建てだって?
ウソだろ。
フロントにはコンシェルジュがいた。
エレベーターでさっそうと上がる。
海斗は24階だそうだ。
ホテルみたいな玄関ドアから入ると、そこだけでも広い。
明るくて広いリビング。
大きな窓からは都会の眺望が最高だ。
「とおる、こっちの部屋を使ってくれよ」
案内された部屋は6畳ほどの洋室。
ここだって明るくて、大きな窓がある。
「ここを使ってもいいのか?」
「うん。冷蔵庫とか要らないから、それは物置に入れてくれよ」
その物置を見ると、四畳半くらいのウォークインクローゼットだった。
俺の部屋と変わんねえなあ……。
夕べ作ったおにぎりを出して、レンジで温めて二人で食べた。
「とおるは結構こまめに料理するんだな」
「しょうがないじゃん。貧乏なんだからさ」
「いや、褒めたんだよ。偉いよ」
「海斗は作らないのか?」
「俺は面倒なことはできないよ。
もっぱら弁当買ってくる」
そして引き出しから何か出してきた。
「これさ、クレジットカードなんだけど、
これからうちにいる間はこれで食料品とか日用品とか買っていいからさ。
なんか料理してくれないか?
俺まともなもん食ってないからさ。
あ、それとカードキーね」
「ふ~ん、そうなんだ。
いいよ、料理くらい作るよ。任せて」
しっかりクレジットカードとキーを財布に入れた。
ちょうどその時、トラックがやって来た。
片づけを一緒に手伝ってくれた。
片づけ終わると、もう夕飯の時間だった。
冷蔵庫を見ると、ドリンクしか入っていない。
全く、何を食べて生きてるんだよ。
明日買い物に行かないとダメだな。
とりあえず俺んちから持ってきた缶詰や残り野菜で
具だくさんの汁物を作った。
焼いたお餅も入れた。
海斗が美味しそうに食べた。
「お前、料理うまいな。これから楽しみだな」
「いや、早く戻らないと俺は死ぬぜ」
「勉強のこと言ってるのか?」
「そうだよ。なんで俺に医学部の授業が分かるんだよ?」
「まあまあ、心配するな。俺がなんとかするからさ」
その晩は、豪華で美しい風呂でジャグジーにして楽しんだ。
いい気分の時に海斗が爆弾を落とした。
「とおる、明日はさ……言いにくいんだけど、
解剖の実習があるんだよ。
悪いけど、グループの中で“記録係をする”って言えば、
実際にやらなくて済むからさ。
何とか出てくれないか? 1時間目からなんだよ」
ーーー途端に頭が真っ白になった。
何を言ってるのか分からない。
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