医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

文字の大きさ
988 / 996

992話 癒しの存在

しおりを挟む
 院長「大体、前準備は終わっていますね。安心しました。

あとは、肝心の患者さんに来てもらわないと困りますが、花井部長から整形外科、外科、精神科、心療内科でリハビリが必要な患者さんを案内してもらうようお願いしています。

それと、オープン後の体験セミナーの準備はできていますか?」

理事「はい、すでにプログラムを作成し、案内のパンフレットを各所に設置しました。広報からは、他の病院や施設、駅、スーパー、公民館などにも置かせてもらっています。また、SNSやホームページにも掲載済みです」

「表の看板や医師のネームプレート、案内板、ロッカーや引き出しのネーム表示はできていますか?」

桐生「はい、すべて用意してあります。あとは貼るだけです」

「そうだ、3階の作業療法や音楽療法の動画を撮ってホームページに出さないといけませんね。三枝君に頼んでいますか?」

理事「はい、お願いしてあります。ただ、場所が完成してからでないと撮影できないので、少し日数の猶予が必要です」

「わかりました。皆さん、ありがとうございます。これで大体揃ったかな。何か質問のある人はいますか?」

――すると、寮母の西村さんが手を挙げた。

西村「質問してもいいですか?物流の件ですが、オープン前に大きな荷物がどんどん入ってきたら、すべて4階に運ぶのですか?それと、今後は本館にある薬品や備品もサテライトの4階に運んで保管するんですよね?」

「ああ、それは確かに混乱しますね。う~ん、量が多いからなあ……。一度、各部署に必要なものを持って行ってもらい、本館からもサテライトの4階にストックを移す。そして前日にでも、皆で倉庫の棚卸をやりますか?」

理事「そうですね。今はバーコードで管理していますが、それでも数字がめちゃくちゃになる可能性はありますね」

桐生「オープン準備が落ち着いたら、前日か前々日に皆で手分けして棚卸をしましょう。それと、サブの物流係は決めていますか?」

宮本「はい。3階の看護助手の男性、吉岡誠さんに西村さんのサブをお願いしています」

理事「大きな荷物は各部署に持って行くと思いますが、分解できるものは4階で作業する可能性が高いです。各部署でやると通路が段ボールの山になってしまい、通れなくなる恐れがありますからね。でも、その作業は皆でやりますので、あまり心配しなくて大丈夫です。特に段ボールの処理はお掃除スタッフに協力してもらいます」

「それと、しばらくは大変そうなので、西村さんのシフトを少し調整しました。ご覧になりましたか?」

西村「はい。ありがとうございます。!」

その言葉に、場が和み、回りから少し笑いが起きた。

「では、この辺でよろしいですか。事前の準備は万端のようですね。あとは引き渡しを待つだけです。西村さん、引っ越しの準備は大丈夫ですか?」

西村「はい。私は鍋一個で十分です」

どっと笑いが広がった。

――アハハハ! 本当に癒しの存在だなあ。

「では、会議を終わりましょう。皆さん、お疲れさまでした」

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

処理中です...