医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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13話 莉子の匂い

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 可愛いサボテンの鉢植えは、窓辺に近い棚の上に置いた。

莉子は帰宅したら、すぐベッドで横になってしまった。やっぱり疲れたようだ。

夕飯の鍋は作り方が簡単だ。
ゴマ豆乳鍋の素を鍋に入れて、野菜や豆腐、お肉などを放り込んで煮るだけだった。

1時間ほど莉子を寝かせたら、起こしに行った。

「莉子、ご飯が出来たぞ。一緒に食べよう。またあとで寝ればいいからな」

ゴマ豆乳鍋は本当に美味しかった。二人でちょうどよく完食した。

食べたら、即、眠くなりそうだったので、その前に莉子をお風呂に入らせる。
だるそうにしていたが、昨日汗をかいているので入れたかった。

ノロノロとぐずっているので、

「おい、風呂に入れて欲しいのか?」

「ひっ??、嫌だあ!エッチ」

はーーーーっ??

お前はホントよく言うよな。エッチだと?? 
夜中に何回もおむつを変えてやっただろうが。

「あああー聞こえない!聞こえない!」と言いながら両耳をふさいでいた。

「もういいから、早く入れ。明日大学に行くんだろう?」

「そうだった!可愛い私を見たがる男子学生がいっぱいいるから、
可愛いカッコをして行かなくちゃねえ~」

ふうぅ………莉子は俺の泣き所を押さえてるなあ~。くそーーーっつ。

ようやく風呂に入っていたが、そのうちに静かになった。
「うん?」心配になって覗いてみると、風呂椅子に座ったままバスタブにもたれかかっていた。

「おい莉子、大丈夫か?」
「うん、でもなんだか立てないみたい」しょうがないなあ~。

莉子の身体をさっと拭いて、バスタオルで包み、俺のベッドに寝かせた。
着替えを持ってきて、パジャマを着せる。

しょうがないから、今日は俺のベッドで寝ろよ。

やっぱりちょっと目が離せないし、俺のベッドはWサイズだしな。
昨日は莉子を見てたからベッドで寝られなかった。

だから今日はベッドで寝たいんだよね。(苦笑)

莉子は目をつぶって眠ってしまった。
その可愛い寝顔を見てると、思わずため息が出る。早く、元気になれよ。

その後は、俺もさっさと歯磨きや片づけをして、早々にベッドに入った。

「莉子おいで」と腕枕をしてやる。
 莉子はくるっと俺の方を向いて、胸にしがみついてくる。

はーーーーーっ可愛い。 どうしようというんだ?

莉子の柔らかな髪を撫でると、優しい匂いがふわっとしてくる。
それが俺を寝かせてくれないんだよな。

もうだ。

俺は健康な男なんだから、欲望まみれなんだぞ、と心の中で叫ぶ。

それでも悶々と葛藤しているうちに、俺も眠ってしまった。
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