医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘～い愛の物語

60話 莉子を抱けない

莉子は順調に回復して大学にも通えるようになった。勉強も遅れている分を取り戻そうと必死で勉強していた。
俺も手伝えることは手伝うよと言っているんだけど、なんだかそこまでにたどり着いていないという感じだ。

教えてもらう以前のところでジタバタしているようだ。
まあ、任せることにした。莉子は強いところがあって努力家だ。俺に似たんだと言いたいが血はつながっていない。

それより冬休みは二週間くらいしかないようだけど、入ってすぐに莉子は卵巣の摘出手術を受けることになっている。入院期間は1週間だけど、自宅静養も考えると、1月の後期試験の勉強時間があまりない。

この辺がどうなんだろう？？　莉子も考えていると思うけどね。何とか乗り切って欲しいと願っているよ。

ところで、イレウスになって退院してきたものの、莉子の身体の負担を考えると、俺は抱けないんだよね。なんだか。かわいそうになってしまい、これでまた体調を壊すんじゃないか？と思うと、莉子が大事過ぎて抱けないんだ。
体力もないし、勉強も精一杯だし、こわれもののような感じで手が出せない。

ただ寝る時は、莉子を抱きしめながら寝ているのはいつものこと。
でも莉子はあっという間に寝てしまうので、またかわいそうになって起こせないんだよね。

俺のもやもやなんてどうでもいいんだ。莉子さえ元気でいてくれたらそれでいいんだ。

でも莉子のあのかわいい声が聞きたいなあ～。これも切ないよね。(笑)

だから、せめて風呂には一緒に入っている。胸に触りたいから......なんだけどね。
莉子のかわいい胸はもう最高だろう。

ん？　でも俺も相当にたまっている？　悲しき男だな。

とにかく莉子が誘ってくれるまで待ってるよ。この前のイレウスの時の莉子の苦しみようを見たら、贅沢は言えないだろう。俺は泣いたんだぜ。本当に悲しくて。はあ......。

莉子よ。頼むから早く丈夫になってくれ。俺の願いはただそれだけだよ。