92 / 996
91話 二人の時間
しおりを挟む
莉子を抱いてから一緒に眠ってしまった。目が覚めるともう夕方の6時を過ぎていた。
莉子はぐっすり眠っているようだ。ごめんね。疲れちゃったよね。退院した日にいっぱい抱いてしまい、ちょっと無理させたかなあ......。
でも莉子はこれからご飯もいっぱい食べるから!なんて言っていたな。ふっ、本当かな?
つい昨日まで、どうしてこんなに身体がダメージを受けているんだろうねえ?なんて川瀬とも話していたのに、原因が赤ちゃんだとは思わなかった。
気持ちが落ち込んでしまい、食欲がない上に気力も出なくて…ということが、身体にも悪い影響を与えていたのかもしれない。
卵巣摘出は問題なく終わっているのに、莉子が気持ちを引きずっていたんだね。やっぱりショックなんだよ。まだ18歳だ。無理もないと思う。
それにしてもこの前、莉子を抱いている時に子供が出来てもいい?と聞いたら、「欲しい」と言っていたんだよね。大学を続けることより、いま赤ちゃんを授かることの方が大事だと思ったんだろうなあ。
卵巣が1つになった危機感というのかなあ?もし作れるものなら今すぐ作りたいということだね。まあ、そういう目標を掲げて元気になってくれるなら、それだけでも俺はうれしいんだけど、いつまでたっても出来ないということの方が怖いよね。期待しすぎは怖いものがある。ここは念押しだな。
そんなことを考えながら、昼間に下ごしらえをしておいた夕食の準備が出来た。今日は莉子の好きなゴマ豆乳鍋だ。これは俺も好きなんだよね。いろんな野菜と鶏もも肉を入れた。元気を付けて欲しいよ。
莉子を起こしてこよう。肩をトントンと軽く叩いた。起きられるか?
ん? 片目だけ目を開けて俺を見た。おっ、これに弱い。可愛くてたまらないんだ。
莉子さん、そろそろ起きてください。
夕飯にしよう。食べられる? 少しだけでもいいから食べて欲しいんだけど。元気を出さないとね!
赤ちゃんを作るんでしょう? 「うん」とりあえず、そこは決定だったんだね。さあ、起きるよ。
「なんだかもっと寝たいよ~」うんうん、とりあえずトイレに行こう。起きてみて。
身体を起こしてベッドから降りて立たせてみた。ショーツ1枚だけなのでバスローブを着せた。
どう?トイレに行ける? 「うん、行ける」じゃあ、行っておいで。
そろそろとゆっくりだけど、トイレに行けたようだ。その間に莉子のパジャマを出しておく。
トイレから、「ひぇっ」という声が聞こえた。ん?なんだ? どうしたの?莉子
「ううん、なんでもないです」 はーい! パジャマを莉子のベッドの上に置いたから着てね。
そういえば、入院用に買ったかわいいピンクのネグリジェ......、あれはうちで着ても良いな。
すっごくかわいいんだもん。他の人に見せるのは勿体ない。
そのうちに莉子がパジャマを着てやってきた。莉子が俺の背中に回って腰に手を回し抱きついてきた。
どうした? 「何でもないんだけど、ナプキンありがとう。恥ずかしいから、こっちを見ないで」ふふふ、分かった。見ないけど抱きしめるのはいいの? う~ん、顔を見ないで抱きしめてね。OK!目をつぶってね。
ついでにちゅんちゅんとおでこにキスをした。 さあ、とにかくご飯を食べよう。
ゴマ豆乳鍋なんだよ。莉子、好きだろう?
鶏もも肉が入っているから、最低でも2切れは食べて欲しいよ。明日の力になるから。
それから、にんにくのサプリが買ってあるから、これを毎食飲んでね。あと病院からも薬がでているよ。
婦人科の薬もあるし、ちょっと多いかな? 頑張って飲もうね。
「はーい!」 なんだか返事がいいねえ。 じゃあ、座ってね。
莉子、子作りって長期戦だよ。何年もかかることが多いんだよ。分かっているよね?それに確率は50%だよ。
この前川瀬から言われたから覚えているだろう?
「うん、覚えている。それでもいいから。私も身体作りを頑張るよ。できるだけ大学にも行くよ。でも詩音ちゃんや裕司君にもまた迷惑を掛けちゃったから、申し訳なくてどうしようって思っているんだ。どうすればいいかなあ?」
今度元気になったら、またうちに呼んでパーティーでもすれば?あと、倒れた時の授業担当の教授や、学生さん達にもお礼のお菓子でも持って行く?なんだかみんなが協力して、救急車を誘導してくれていたって事務局からも聞いたよ。
「そうなんだねえ......悪くて行きにくいよ」
大丈夫だよ。みんなすぐに忘れるさ。お礼を言って、元気になって行けばいいんだよ。
誰にでも起きるかもしれないことだからね。その時は莉子だって協力するだろう?
いつまでもくよくよしないで笑っていてよ。その方がみんなもきっと喜ぶよ。
「うん、そうだね。そうするよ」 うん、じゃあ、いっぱい食べてね。
莉子はぐっすり眠っているようだ。ごめんね。疲れちゃったよね。退院した日にいっぱい抱いてしまい、ちょっと無理させたかなあ......。
でも莉子はこれからご飯もいっぱい食べるから!なんて言っていたな。ふっ、本当かな?
つい昨日まで、どうしてこんなに身体がダメージを受けているんだろうねえ?なんて川瀬とも話していたのに、原因が赤ちゃんだとは思わなかった。
気持ちが落ち込んでしまい、食欲がない上に気力も出なくて…ということが、身体にも悪い影響を与えていたのかもしれない。
卵巣摘出は問題なく終わっているのに、莉子が気持ちを引きずっていたんだね。やっぱりショックなんだよ。まだ18歳だ。無理もないと思う。
それにしてもこの前、莉子を抱いている時に子供が出来てもいい?と聞いたら、「欲しい」と言っていたんだよね。大学を続けることより、いま赤ちゃんを授かることの方が大事だと思ったんだろうなあ。
卵巣が1つになった危機感というのかなあ?もし作れるものなら今すぐ作りたいということだね。まあ、そういう目標を掲げて元気になってくれるなら、それだけでも俺はうれしいんだけど、いつまでたっても出来ないということの方が怖いよね。期待しすぎは怖いものがある。ここは念押しだな。
そんなことを考えながら、昼間に下ごしらえをしておいた夕食の準備が出来た。今日は莉子の好きなゴマ豆乳鍋だ。これは俺も好きなんだよね。いろんな野菜と鶏もも肉を入れた。元気を付けて欲しいよ。
莉子を起こしてこよう。肩をトントンと軽く叩いた。起きられるか?
ん? 片目だけ目を開けて俺を見た。おっ、これに弱い。可愛くてたまらないんだ。
莉子さん、そろそろ起きてください。
夕飯にしよう。食べられる? 少しだけでもいいから食べて欲しいんだけど。元気を出さないとね!
赤ちゃんを作るんでしょう? 「うん」とりあえず、そこは決定だったんだね。さあ、起きるよ。
「なんだかもっと寝たいよ~」うんうん、とりあえずトイレに行こう。起きてみて。
身体を起こしてベッドから降りて立たせてみた。ショーツ1枚だけなのでバスローブを着せた。
どう?トイレに行ける? 「うん、行ける」じゃあ、行っておいで。
そろそろとゆっくりだけど、トイレに行けたようだ。その間に莉子のパジャマを出しておく。
トイレから、「ひぇっ」という声が聞こえた。ん?なんだ? どうしたの?莉子
「ううん、なんでもないです」 はーい! パジャマを莉子のベッドの上に置いたから着てね。
そういえば、入院用に買ったかわいいピンクのネグリジェ......、あれはうちで着ても良いな。
すっごくかわいいんだもん。他の人に見せるのは勿体ない。
そのうちに莉子がパジャマを着てやってきた。莉子が俺の背中に回って腰に手を回し抱きついてきた。
どうした? 「何でもないんだけど、ナプキンありがとう。恥ずかしいから、こっちを見ないで」ふふふ、分かった。見ないけど抱きしめるのはいいの? う~ん、顔を見ないで抱きしめてね。OK!目をつぶってね。
ついでにちゅんちゅんとおでこにキスをした。 さあ、とにかくご飯を食べよう。
ゴマ豆乳鍋なんだよ。莉子、好きだろう?
鶏もも肉が入っているから、最低でも2切れは食べて欲しいよ。明日の力になるから。
それから、にんにくのサプリが買ってあるから、これを毎食飲んでね。あと病院からも薬がでているよ。
婦人科の薬もあるし、ちょっと多いかな? 頑張って飲もうね。
「はーい!」 なんだか返事がいいねえ。 じゃあ、座ってね。
莉子、子作りって長期戦だよ。何年もかかることが多いんだよ。分かっているよね?それに確率は50%だよ。
この前川瀬から言われたから覚えているだろう?
「うん、覚えている。それでもいいから。私も身体作りを頑張るよ。できるだけ大学にも行くよ。でも詩音ちゃんや裕司君にもまた迷惑を掛けちゃったから、申し訳なくてどうしようって思っているんだ。どうすればいいかなあ?」
今度元気になったら、またうちに呼んでパーティーでもすれば?あと、倒れた時の授業担当の教授や、学生さん達にもお礼のお菓子でも持って行く?なんだかみんなが協力して、救急車を誘導してくれていたって事務局からも聞いたよ。
「そうなんだねえ......悪くて行きにくいよ」
大丈夫だよ。みんなすぐに忘れるさ。お礼を言って、元気になって行けばいいんだよ。
誰にでも起きるかもしれないことだからね。その時は莉子だって協力するだろう?
いつまでもくよくよしないで笑っていてよ。その方がみんなもきっと喜ぶよ。
「うん、そうだね。そうするよ」 うん、じゃあ、いっぱい食べてね。
2
あなたにおすすめの小説
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる