医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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101話 大学・6(莉子を守る会を再編・夏輝サイド)1

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 朝、教室に行くと、<莉子を守る会>のメンバーが集まっていた。

友井が「あっ、浅田、昨日は莉子を送ってくれてありがとう、で、どうだったんだ?」
浅田「確かに莉子を自宅まで送って行ったんだけど、お兄さんに頼まれて、車からうちの中に入らせてもらって、ベッドまで誘導したんだよ。もちろん、莉子を抱いて運んだのはお兄さんなんだけどさ。それで、ちょっと手伝って欲しいと言われたんだ。先に注射をするから莉子の腕を押さえ欲しいってことだった。

で、お兄さんの部屋らしいんだけど、結構広くて、点滴台とか、酸素ボンベとか、大きなデスクトップのモニターが乗っている大きな机とか、医療器具が入っているらしい、白いガラスのキャビネットとか並んでいて、本当に病院の診療室みたいになっていたんだ。違うのは、そこにWベッドが置いてあって、莉子はそこに寝かされたってことだけかなあ?
とりあえず、莉子の腕は押さえて手伝ったんだけど、俺もなんだかそれ以上立ち会うのは悪い気がして、遠慮しようと思っていたんだけど、生理はこれからも毎月あることだから、悪いけど、そういう時の対応を教えるから聞いて欲しいって言われたんだ」
「へえ~!」と一斉に言った。

俺は莉子の病気について過酷な状況を聞いてしまって、もの凄くショックを受けたんだ。俺たちが思っているようなただの生理痛じゃなかったんだよ。

だからなんだけど、病気については莉子のプライバシーだから、聞いてもみんな自分の胸にしまっておいて欲しい。口外無用だ。
莉子にもお兄さんから聞いたと言わないで欲しい。病気のことは何にも知らないでいいんだ。
誰だって自分の病気のことを、親しい人以外に知られるのは嫌だと思うんだよね。

まだ18歳の女の子だし、ましてや婦人病だから、周りが皆病気を知っていたら、結構ショックを受けると思うんだ。だからその辺を理解して、送迎のサポートをしてくれる人だけに情報を共有しようかと思う。送迎する人は逆に知って欲しい。そうでないと対処が難しいと思ったんだよね。

で、名前と電話番号とラインアドレスをお兄さんに伝えることになっているから、送り迎えまでは無理という人は、ここで抜けて欲しいんだ。沢山いてもお兄さんが混乱するだろうからね。

もちろん、学内でのサポートは会に関係なくても、みんなが手伝ってくれると助かるよ。それはむしろ頼みたいんだ。
俺が代表みたいに言うのもはばかられるんだけど、お兄さんがプライベートな病気について説明してくれたから、その気持ちを尊重したいんだ。どうだろう? 名前、住所、自分の顔写真や電話番号、ラインのメルアドをお兄さんに知らせても良いという人は手を挙げてくれるか?リストを作るから。

すると、ちょっと躊躇したのか、少しずつ手があがってきた。1人、2人、3人、4人の手が上がった。
ありがとう、じゃあ、今の4人と俺で5人だな。

あとの人は病気についての詳細を知らなくても、出来る限りサポートしてあげて欲しい。俺からもよろしくお願いします。

それと、莉子と一番親しい詩音ちゃんと、裕司君の二人は送迎が出来ないけど、莉子のことよく知っていて、前からサポートしているから、話し合いには参加してほしいと思っているんだ。

じゃあ、その6人は三限目が終わったら、3号館のトイレ近くの空き部室に集合な。20分くらいで終わるからよろしくお願いします。
ああ~その時にフルネームと携帯番号、住所とラインのメルアドをその時に交換しよう。で、それでお兄さんにラインのメールで知らせることになっているんだ。それとお兄さんは俺たちの顔を知らないから、自分の顔写真を撮っておいてね。それもラインで一緒に送るからね。みんなよろしくお願いします。

<莉子を守る会>送迎メンバー
1・浅田 夏輝 2・友井 涼介 3・坂間 翔 4・羽田 陽人 5・三輪 暖
特別参加(送迎は除外)1・沢田 詩音 2・木下 裕司

じゃあ、このメンバーでやっていこう。今日は4限目がないからちょうどよかったよ。じゃあ、またあとでな。
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