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121話 仲間に告白
約束通り、<莉子を守る会>の仲間に話をするために大学に行った。莉子と夏君が駐車場に迎えに来てくれていた。
夏君が、「場所なんですが、小さい部室でもいいですか?」もちろんいいですよ。
ここは3号館の莉子が寝かされていた部室だね。仲間が5人と、詩音ちゃんと裕司君も揃っていた。緊張するね。
でも補助椅子をいっぱい持ち込んだようだ。全員分の椅子がある。
俺と莉子は立って挨拶をした。「皆さん、お集りいただいて本当にありがとうございます」
まず、莉子から皆さんにお話をすることがあります。莉子頑張って。
「ええっと、私を守る会を作ってくれて本当にありがとうございました。ただ、まだ大事なことをお話していないので、お話しようと思います。私は春ちゃんと結婚しています。結婚したのは、もう何か月も前です。入籍は大学を卒業してからのつもりだったのですが、急遽、火曜日に入籍をしました。早く言えなくてごめんなさい」と頭を下げた。
みんな呆然としていて、ただ無言で俺たちをぼーっと見ていた。
それから俺が話し始めた。「では、私から詳細をお話しします」
まず、俺は莉子と結婚しようと前から決めていたのですが、それは大学を卒業するのを待ってから結婚しようと思っていました。だから莉子にはまだ兄のままで、何も言っていませんでした。
ところが、莉子の婦人病の進行が想定外に早くて、婦人科に診せないといけない段階になってしまいました。
で、医大の同期が産婦人科の医者で、今の大学病院で診療をしているので、ちょっと無理な頼みを聞いてもらって、眠らせて検査をしてもらいました。
そこで、左の卵巣が大きく腫れていることが分かり、摘出手術を勧められたのですが、18歳で経験のない莉子では、今一つはっきりした診察も出来ないし、検査も不十分です。ましてや婦人科の手術などは負担が大きいのです。
だから俺が急遽結婚を早めることにしたんです。莉子の意思も確認できたし、元から両親も賛成で問題はありませんでした。ただ今までは兄妹で過ごしてきているので、急に結婚となると周りにいちいち説明しないといけなくなります。
だから、入籍だけは大学を卒業してから出そうと思ったんです。ただ、身近な人たちには結婚を伝えています。
婚姻届けは前に両親に署名してもらっていたのでいつでも出せる状態ではありました。
そこへ、この前のカフェでの皆さんの温かいお気持ちを伺って驚きました。
特に......えっと、冗談だとは思うのですが、「しもべになる覚悟で」と言ってくれた人が2人もいたので、ちょっと内心あわてました。
これから先のことを考えると、万が一の可能性もあると思ったので、気持ちを弄ぶことのないように、先に皆さんにお話をするのが誠意かなと思いました。
俺も本当は18歳の莉子を結婚の枠にはめることにすごく罪悪感があるんです。何しろ14歳も年上だし、莉子もこれからの未来があるからせめて卒業まで待って、それでも莉子の気持ちが変わらなかったら入籍するので十分だと思っていたんです。
大学の4年間に、もしかしたら俺よりももっと好きな人が出来るかもしれないから、その時は手放すと言ったら、あの通りに泣きまして、ずっと止まりませんでした。まあ、そういうことなんです。
なんか、すみません。すごくプライベートなことでお騒がせしてしまって。でも大学生活もまだ3年間もあるので、思いきってお話ししました。入籍した以上は大学にも伝えます。 そういうわけで、私からの話は以上です。
どうもありがとうございました。俺と莉子は頭を下げた。
夏君が「ああ~なんというか、衝撃的なお話で、僕も頭がぼーっとしているのですが、多分、皆も同じだと思うので、とにかく、ご結婚おめでとうございます」そう言ってくれると、みんなも口々におめでとうございますと言ってくれた。
何かご質問があればこの際、お話しますが、何かありますか?と俺が聞くと、
暖君が「入籍を4年間も待つつもりだったのに、俺たちが勝手に会を作ってしまった上に、俺なんかが、しもべになる覚悟で!なんてふざけたことを言ってしまって、ご迷惑をお掛けして本当に申し訳ありませんでした。恥ずかしいです」と頭をさげたので、俺と莉子は顔を見合わせてとんでもない!!とあわてて言ったんだけど、
涼介君も「俺もふざけたことを言ってしまって反省しています、本当に申し訳ございませんでした」と言ってくれたので、また更にあわてた。
ああ~困ったな。どうか、やめてください。そんなことは全く思っていないですから。今まで通りにしもべのままでいてください。こちらからもお願いします。 ふふふ。
真摯な気持ちを頂いたので、こちらも誠意を尽くしたくなったということです。ただそれだけです。
何しろ、夏君をはじめ、みんな素敵な男性ばかりなので、俺もすごく妬けていました。あははは。
莉子が誰を好きになってもおかしくないなと思って焦りましたよ。そう言うと、ようやく皆に笑顔が戻った。
だって、どう考えても、莉子は18歳ですよ。夏君や暖君や皆さんと一緒に並んでいる方がはるかに自然に見えますよ。まあ、それで俺も少々あわてました。今も若い皆さんと一緒だと本当に年齢差を感じるんですよ。ふふふ。
俺からお願いなんですが、結婚していても、今までと同じように莉子と接していただけると本当にうれしいです。
明日から莉子は結婚指輪を付けて登校させますので、さぞ騒がれると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
結婚を公表していただいて全く問題ありません。
実は俺も病院には言っていないのです、すぐに報告するつもりです。まあ、今まで病院ではゲイだと公表していたので、また騒がれると思いますが、しょうがないですよね。まあ、そのうちに納まるでしょう。
ええ???とみんなびっくりして笑っていた。
いや~、32歳は適齢期だとかで、周りがうるさいのでね。あははは、まあ、相手が妹だから、すぐに納まると思いますが。ただ、病院では指輪が禁止なので、それが莉子の不満なんですよ。
あはははとみんな笑っていた。
ああ~良かった、何とかこれで落ち着いたね。 俺と莉子はホッとした。
夏君が、「場所なんですが、小さい部室でもいいですか?」もちろんいいですよ。
ここは3号館の莉子が寝かされていた部室だね。仲間が5人と、詩音ちゃんと裕司君も揃っていた。緊張するね。
でも補助椅子をいっぱい持ち込んだようだ。全員分の椅子がある。
俺と莉子は立って挨拶をした。「皆さん、お集りいただいて本当にありがとうございます」
まず、莉子から皆さんにお話をすることがあります。莉子頑張って。
「ええっと、私を守る会を作ってくれて本当にありがとうございました。ただ、まだ大事なことをお話していないので、お話しようと思います。私は春ちゃんと結婚しています。結婚したのは、もう何か月も前です。入籍は大学を卒業してからのつもりだったのですが、急遽、火曜日に入籍をしました。早く言えなくてごめんなさい」と頭を下げた。
みんな呆然としていて、ただ無言で俺たちをぼーっと見ていた。
それから俺が話し始めた。「では、私から詳細をお話しします」
まず、俺は莉子と結婚しようと前から決めていたのですが、それは大学を卒業するのを待ってから結婚しようと思っていました。だから莉子にはまだ兄のままで、何も言っていませんでした。
ところが、莉子の婦人病の進行が想定外に早くて、婦人科に診せないといけない段階になってしまいました。
で、医大の同期が産婦人科の医者で、今の大学病院で診療をしているので、ちょっと無理な頼みを聞いてもらって、眠らせて検査をしてもらいました。
そこで、左の卵巣が大きく腫れていることが分かり、摘出手術を勧められたのですが、18歳で経験のない莉子では、今一つはっきりした診察も出来ないし、検査も不十分です。ましてや婦人科の手術などは負担が大きいのです。
だから俺が急遽結婚を早めることにしたんです。莉子の意思も確認できたし、元から両親も賛成で問題はありませんでした。ただ今までは兄妹で過ごしてきているので、急に結婚となると周りにいちいち説明しないといけなくなります。
だから、入籍だけは大学を卒業してから出そうと思ったんです。ただ、身近な人たちには結婚を伝えています。
婚姻届けは前に両親に署名してもらっていたのでいつでも出せる状態ではありました。
そこへ、この前のカフェでの皆さんの温かいお気持ちを伺って驚きました。
特に......えっと、冗談だとは思うのですが、「しもべになる覚悟で」と言ってくれた人が2人もいたので、ちょっと内心あわてました。
これから先のことを考えると、万が一の可能性もあると思ったので、気持ちを弄ぶことのないように、先に皆さんにお話をするのが誠意かなと思いました。
俺も本当は18歳の莉子を結婚の枠にはめることにすごく罪悪感があるんです。何しろ14歳も年上だし、莉子もこれからの未来があるからせめて卒業まで待って、それでも莉子の気持ちが変わらなかったら入籍するので十分だと思っていたんです。
大学の4年間に、もしかしたら俺よりももっと好きな人が出来るかもしれないから、その時は手放すと言ったら、あの通りに泣きまして、ずっと止まりませんでした。まあ、そういうことなんです。
なんか、すみません。すごくプライベートなことでお騒がせしてしまって。でも大学生活もまだ3年間もあるので、思いきってお話ししました。入籍した以上は大学にも伝えます。 そういうわけで、私からの話は以上です。
どうもありがとうございました。俺と莉子は頭を下げた。
夏君が「ああ~なんというか、衝撃的なお話で、僕も頭がぼーっとしているのですが、多分、皆も同じだと思うので、とにかく、ご結婚おめでとうございます」そう言ってくれると、みんなも口々におめでとうございますと言ってくれた。
何かご質問があればこの際、お話しますが、何かありますか?と俺が聞くと、
暖君が「入籍を4年間も待つつもりだったのに、俺たちが勝手に会を作ってしまった上に、俺なんかが、しもべになる覚悟で!なんてふざけたことを言ってしまって、ご迷惑をお掛けして本当に申し訳ありませんでした。恥ずかしいです」と頭をさげたので、俺と莉子は顔を見合わせてとんでもない!!とあわてて言ったんだけど、
涼介君も「俺もふざけたことを言ってしまって反省しています、本当に申し訳ございませんでした」と言ってくれたので、また更にあわてた。
ああ~困ったな。どうか、やめてください。そんなことは全く思っていないですから。今まで通りにしもべのままでいてください。こちらからもお願いします。 ふふふ。
真摯な気持ちを頂いたので、こちらも誠意を尽くしたくなったということです。ただそれだけです。
何しろ、夏君をはじめ、みんな素敵な男性ばかりなので、俺もすごく妬けていました。あははは。
莉子が誰を好きになってもおかしくないなと思って焦りましたよ。そう言うと、ようやく皆に笑顔が戻った。
だって、どう考えても、莉子は18歳ですよ。夏君や暖君や皆さんと一緒に並んでいる方がはるかに自然に見えますよ。まあ、それで俺も少々あわてました。今も若い皆さんと一緒だと本当に年齢差を感じるんですよ。ふふふ。
俺からお願いなんですが、結婚していても、今までと同じように莉子と接していただけると本当にうれしいです。
明日から莉子は結婚指輪を付けて登校させますので、さぞ騒がれると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
結婚を公表していただいて全く問題ありません。
実は俺も病院には言っていないのです、すぐに報告するつもりです。まあ、今まで病院ではゲイだと公表していたので、また騒がれると思いますが、しょうがないですよね。まあ、そのうちに納まるでしょう。
ええ???とみんなびっくりして笑っていた。
いや~、32歳は適齢期だとかで、周りがうるさいのでね。あははは、まあ、相手が妹だから、すぐに納まると思いますが。ただ、病院では指輪が禁止なので、それが莉子の不満なんですよ。
あはははとみんな笑っていた。
ああ~良かった、何とかこれで落ち着いたね。 俺と莉子はホッとした。
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