124 / 996
123話 アップルパイの夜
しおりを挟む
ここのところ連日、小川先生に来てもらって、莉子の後期試験の対策をお願いしている。莉子も疲れただろうけど、泣き言は言えない状況だ。今は留年がかかっているんだ。先生が立ててくれた計画表をもとに、莉子は頑張っている。
俺に出来ることは胃がもたれない消化の良い夜食を作ること。(アップルパイは別だが)
夜、莉子に手を出さないで疲れさせないようにすることだ。つまり俺にとってこれが一番辛い。
莉子に触れないくらい悲しいことはないんだ。生きている意味がないよ。この悲しさを乗り越えないと明るい未来は来ないんだろうな。後期試験......大嫌いだ。
さて、今夜の夜食は、アップルパイを温めて、アイスクリームを乗せてシナモンをかける。あと、紅茶だ。
これは俺も莉子も大好きなんだよね。
さっさと今のうちに風呂に入っておこう。莉子は帰宅してすぐ入っているし、俺はあとで小川先生を送らないといけないからな。
さあ、時間になった。二人して出て来るぞ。俺は紅茶を淹れて、パイを温める。アイスクリームは温めたパイの上に乗せる。で、上からシナモンを少々かける。お疲れ様です。出て来たよ。どうぞ。夜食です。
うわ~やったーと莉子が大喜びだ。莉子の笑顔を見ると癒される。 小川先生もどうぞ。
「わーアップルパイだ。私も大好きです。しかもアイスクリーム付きですか?贅沢ですねえ。」
先生も喜んでいただけたようだ。この前は的確なアドバイスをもらって本当に助かったんだ。
それにしても、女ってなんでこんなに勘が鋭いんだろう? 女は怖いよ。おっとりの莉子で良かったよ。
でも、カフェの中村も鋭いしなあ。俺が鈍いのかもしれない。ふふふ。
先生、莉子の進み具合はどうでしょうか?間に合いそうでしょうか?
「そうですねえ。少しずつは進んでいるので、良しとした方が良いと思います。試験前日には確信できることだけを言いますので、それが当たるかどうか?ですね。一か八かになっちゃうんですけど。全部は網羅できないので、それに賭けますよ」
はい、それで結構です。よろしくお願いします。
食べ終わったところで、ではお送りしますね。「いつもすみません。大助かりです」
早速車を出して送る。この前、莉子のことで伺った件なんですが、お陰様で上手くいきました。お世話になりました。まさに先生のアドバイスがドンピシャでした。
あれから、いろいろあって、莉子を守る会の皆に結婚したことを伝えました。あっそうだ。先生にもお話しますが、
正式に入籍しました。まあ、なんとか落ち着きました。ありがとうございました。
「そうですか。良かったですねえ~、でもその守る会の皆は、さぞがっかりしたでしょうねえ。なんだか目に浮かびますよ」フフフ、そうかもしれません。まあ早めに言えたから良かったですよ。遅くなっていたらきっとこじれていたと思いますよ。それにしても莉子がモテモテなので驚きました。本人は何も気が付いていないようですが、やっぱりおっとりしたところが良いんですかねえ。ふふふと先生に笑われてしまった。
俺も一緒に笑った。なんだか恥ずかしいなあ。ふふふ、二人でくすくす笑ってしまった。
俺に出来ることは胃がもたれない消化の良い夜食を作ること。(アップルパイは別だが)
夜、莉子に手を出さないで疲れさせないようにすることだ。つまり俺にとってこれが一番辛い。
莉子に触れないくらい悲しいことはないんだ。生きている意味がないよ。この悲しさを乗り越えないと明るい未来は来ないんだろうな。後期試験......大嫌いだ。
さて、今夜の夜食は、アップルパイを温めて、アイスクリームを乗せてシナモンをかける。あと、紅茶だ。
これは俺も莉子も大好きなんだよね。
さっさと今のうちに風呂に入っておこう。莉子は帰宅してすぐ入っているし、俺はあとで小川先生を送らないといけないからな。
さあ、時間になった。二人して出て来るぞ。俺は紅茶を淹れて、パイを温める。アイスクリームは温めたパイの上に乗せる。で、上からシナモンを少々かける。お疲れ様です。出て来たよ。どうぞ。夜食です。
うわ~やったーと莉子が大喜びだ。莉子の笑顔を見ると癒される。 小川先生もどうぞ。
「わーアップルパイだ。私も大好きです。しかもアイスクリーム付きですか?贅沢ですねえ。」
先生も喜んでいただけたようだ。この前は的確なアドバイスをもらって本当に助かったんだ。
それにしても、女ってなんでこんなに勘が鋭いんだろう? 女は怖いよ。おっとりの莉子で良かったよ。
でも、カフェの中村も鋭いしなあ。俺が鈍いのかもしれない。ふふふ。
先生、莉子の進み具合はどうでしょうか?間に合いそうでしょうか?
「そうですねえ。少しずつは進んでいるので、良しとした方が良いと思います。試験前日には確信できることだけを言いますので、それが当たるかどうか?ですね。一か八かになっちゃうんですけど。全部は網羅できないので、それに賭けますよ」
はい、それで結構です。よろしくお願いします。
食べ終わったところで、ではお送りしますね。「いつもすみません。大助かりです」
早速車を出して送る。この前、莉子のことで伺った件なんですが、お陰様で上手くいきました。お世話になりました。まさに先生のアドバイスがドンピシャでした。
あれから、いろいろあって、莉子を守る会の皆に結婚したことを伝えました。あっそうだ。先生にもお話しますが、
正式に入籍しました。まあ、なんとか落ち着きました。ありがとうございました。
「そうですか。良かったですねえ~、でもその守る会の皆は、さぞがっかりしたでしょうねえ。なんだか目に浮かびますよ」フフフ、そうかもしれません。まあ早めに言えたから良かったですよ。遅くなっていたらきっとこじれていたと思いますよ。それにしても莉子がモテモテなので驚きました。本人は何も気が付いていないようですが、やっぱりおっとりしたところが良いんですかねえ。ふふふと先生に笑われてしまった。
俺も一緒に笑った。なんだか恥ずかしいなあ。ふふふ、二人でくすくす笑ってしまった。
2
あなたにおすすめの小説
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる