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349話 イクメン夏
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川瀬の診断は正しいと思った。いろいろな人の助けを借りて、莉子の初期の産後うつはすっかり良くなったのかな~くらいに、莉子は元気になっていた。
でもそれは見た目だけだったのかもしれない。
まだホルモン療法は続けていたけど、すぐ治るのは難しいんだね。時間がかかるようだ。
ただ、これは治るまで継続すればいいだけだ。これは解決としよう。
俺はいくつか資料を調べ、莉子にとってのベストの方法を考えた。
これは夏にも話そうと思う。
あいつもいずれ医大で習うから、一緒に暮らしている以上は知った方が良いと思う。
それに夏の手も借りたい・・というか、桃香の世話はほとんど夏と俺がしている。
気になるのは、莉子があまり桃香に話しかけていないことかなあ。
ただベビーカーに乗せて散歩に行くのは好きだけどね。見せて歩くのは好きなんだなあ。面白い。
一番桃香に話しかけているのは夏だね。さすがに桃香の世話が趣味だと言うだけはあるよ。
イケメンでイクメンだな。モテそうだ。
莉子は桃香を受け入れる心がまだ十分に育っていないということだと思う。
まだ出産してから9か月だもんね。
向き合えるようになるまで、なるべく好きなことをやらせるつもりだ。
俺が決めたスキンシップは続けるつもり。それは大事。
少しずつでもいいからセックスの感覚は覚えていて欲しい。
莉子は病院から帰った後も、なんだか沈んでいた。
今日は昼間に莉子と風呂に入っているから、夜は一緒に寝るだけだ。
9時になった。9時から9時半までが莉子を寝かしつける時間だ。笑われそうだけど。
赤ん坊みたいだって? そうだよ、今の莉子の心は赤ん坊と同じだ。
身体をマッサージしてあげた。「肩が凝っていた?」
「うん、肩だけじゃないよ。あっちこっちいっぱい」そうか・・笑。
じゃあ、全部やらないとだめだね。身体を全部さわりまくりだな。
「莉子、カルチャーの教室はどんな感じなの?楽しい?」
「うん、楽しいよ。年配の人が多いんだよね。平日の午後だからね」
「ふ~ん、みんなどんな絵を描いてるの?」
「正面に花瓶や小物を飾ってあるから、それを描くんだよ」
「今度莉子の絵を見せて欲しいなあ」
「うん、いいよ。今見る?」「うん、見たいよ」莉子がベッドから出てスケッチブックを持ってきた。
受け取ったスケッチブックをめくってみた。
鉛筆だけで描いた静物のデッサンもいっぱいあったけど、あとはほとんどが夏の顔の絵と、夏が桃香を抱いたり、ミルクを飲ませたりしているデッサンだった。少し色付けもされている。
なるほど、習いに行く前と後では少し変わっている。なんというか・・デッサンがちょっと鋭くなっているというか、それでいて色付けはやさしい感じ。やさしい感じがあふれている。中々うまいなあ・・。
なんだかうれしくなる。効果があるじゃないか!
眺めている最中にちらっと莉子の顔を見る。「えっ?なに?」ううん、なんでもない。ふっ。
俺の反応をすごく楽しみにしているのが分かった。本当に絵に夢中なんだね。
「莉子、わかったよ」「ん?なに?」「莉子は天才だよ!すっごくうまいよ!」
「ええ~もう‥‥‥、お世辞もほどほどにしてよ。見え透いてるよ」
「本当だって!すごいよ。それだけはわかる。特に夏が桃香と一緒のデッサンはすごく良いよ」
「ええ・・本当?」「うん、本当。すごく愛情が出ているよ。桃香もかわいいしね、夏も立派なイクメンだよ」
「えへへへ、私もそう思うよ。夏がお母さんだね!」 ふふふ、そうだね。
でもそれは見た目だけだったのかもしれない。
まだホルモン療法は続けていたけど、すぐ治るのは難しいんだね。時間がかかるようだ。
ただ、これは治るまで継続すればいいだけだ。これは解決としよう。
俺はいくつか資料を調べ、莉子にとってのベストの方法を考えた。
これは夏にも話そうと思う。
あいつもいずれ医大で習うから、一緒に暮らしている以上は知った方が良いと思う。
それに夏の手も借りたい・・というか、桃香の世話はほとんど夏と俺がしている。
気になるのは、莉子があまり桃香に話しかけていないことかなあ。
ただベビーカーに乗せて散歩に行くのは好きだけどね。見せて歩くのは好きなんだなあ。面白い。
一番桃香に話しかけているのは夏だね。さすがに桃香の世話が趣味だと言うだけはあるよ。
イケメンでイクメンだな。モテそうだ。
莉子は桃香を受け入れる心がまだ十分に育っていないということだと思う。
まだ出産してから9か月だもんね。
向き合えるようになるまで、なるべく好きなことをやらせるつもりだ。
俺が決めたスキンシップは続けるつもり。それは大事。
少しずつでもいいからセックスの感覚は覚えていて欲しい。
莉子は病院から帰った後も、なんだか沈んでいた。
今日は昼間に莉子と風呂に入っているから、夜は一緒に寝るだけだ。
9時になった。9時から9時半までが莉子を寝かしつける時間だ。笑われそうだけど。
赤ん坊みたいだって? そうだよ、今の莉子の心は赤ん坊と同じだ。
身体をマッサージしてあげた。「肩が凝っていた?」
「うん、肩だけじゃないよ。あっちこっちいっぱい」そうか・・笑。
じゃあ、全部やらないとだめだね。身体を全部さわりまくりだな。
「莉子、カルチャーの教室はどんな感じなの?楽しい?」
「うん、楽しいよ。年配の人が多いんだよね。平日の午後だからね」
「ふ~ん、みんなどんな絵を描いてるの?」
「正面に花瓶や小物を飾ってあるから、それを描くんだよ」
「今度莉子の絵を見せて欲しいなあ」
「うん、いいよ。今見る?」「うん、見たいよ」莉子がベッドから出てスケッチブックを持ってきた。
受け取ったスケッチブックをめくってみた。
鉛筆だけで描いた静物のデッサンもいっぱいあったけど、あとはほとんどが夏の顔の絵と、夏が桃香を抱いたり、ミルクを飲ませたりしているデッサンだった。少し色付けもされている。
なるほど、習いに行く前と後では少し変わっている。なんというか・・デッサンがちょっと鋭くなっているというか、それでいて色付けはやさしい感じ。やさしい感じがあふれている。中々うまいなあ・・。
なんだかうれしくなる。効果があるじゃないか!
眺めている最中にちらっと莉子の顔を見る。「えっ?なに?」ううん、なんでもない。ふっ。
俺の反応をすごく楽しみにしているのが分かった。本当に絵に夢中なんだね。
「莉子、わかったよ」「ん?なに?」「莉子は天才だよ!すっごくうまいよ!」
「ええ~もう‥‥‥、お世辞もほどほどにしてよ。見え透いてるよ」
「本当だって!すごいよ。それだけはわかる。特に夏が桃香と一緒のデッサンはすごく良いよ」
「ええ・・本当?」「うん、本当。すごく愛情が出ているよ。桃香もかわいいしね、夏も立派なイクメンだよ」
「えへへへ、私もそう思うよ。夏がお母さんだね!」 ふふふ、そうだね。
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