医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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409話 潮騒の音・夏・3

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 夏が脱力したまま起きれそうにない。 完全に俺の責任だな。

起きるのがつらそうだ。どうしようか・・俺が加減できなかった。 

このまま朝まで寝かせてやりたいが、桃香を迎えにいかないといけない。

夏には車で眠ってもらおう。莉子に少し遅くなるとメールした。

お腹がすいたら冷凍のディナーを温めて、先に食べておいて欲しいと頼んだ。

熱めのお湯でタオルを絞り、夏の身体を拭いてやった。

「夏、起きれるか?ご実家にメールをしてほしい。1時間くらい迎えに行くのが遅れるからさ」

「はい、了解です」だるそうに起きた夏がメールを打っている。

その間に身支度をした。「夏、大丈夫か? 無理をさせた。すまない」

「ふっ、オレ大丈夫。気持ち良かった・・お兄さんありがとう」

ふらついている夏の身支度を手伝って、夏の実家に向かった。

助手席のシートを倒して夏を寝かせた。起きようとしたが俺が止めた。

「いいから、横になって休んでいて」

そのまま実家に着いた。その頃には夏も起きていた。

途中で買ったお菓子を持って、お礼を言って桃香を引き取って来た。

桃香はもう寝ていた。早めに夕飯を食べたのだそうだ。本当にありがたい。

遊び疲れたかな? 俺たちと一緒だな。ふっと笑った。

帰宅すると、莉子がまだ絵を描いていた。桃香だけ先にベッドに寝かせた。

「莉子、ただいま。まだ描いていたのか?疲れるからその辺でお休みにしたら?」

「うん、そうするよ。また明日描くよ」

そういうと、ちょっと危なげに洗面所に行った。やり過ぎだよ。

歯磨きが終わるまで待って莉子の部屋に連れていった。目をつぶったまま、すぐ横になった。

「おやすみなさい」が聞こえたのかどうか分からないが、夢中になると程よくストップが出来ない。

このしわ寄せは、前回味わっているから分かっているとは思うけどね。

リビングを見ると夏がいない。 

俺の部屋のベッドでバタンと倒れたように寝ていた。ふっ、かわいい。

ほら、着替えるよ。無理やり上半身を起こして服を脱がせた。

そのまま、パジャマを着せてやった。

水だけ飲ませたけど、もう動けないようだ。腰に負担がかかったかもしれない。

夜中におなかが空くとかわいそうだ。何か軽食でも作っておこう。
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