医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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477話 莉子と過ごす夜

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 大体の準備が整い、あとは明日、夏や山科さんとミーティングやチェック、シミュレーションをする予定だ。

自動精算機の使い方、釣銭の準備金も必要だ。診察券の機械や、順番の呼び出しのディスプレーや、呼び出しマイクのチェック。

2階や待合室、地下の駐車場などの監視カメラのチェックなど、やることは山のようにあるんだ。

今時はいつ何があるか分からないから、監視カメラは必要だろう。

駅前の交番にも挨拶に行ったよ。危うく緊急の場合は受けますと言いそうになった。

いかんいかん。それじゃあ、寝る時間がないだろうが!

ただ、病院の上に住んでいるとは伝えたよ。

駅前だからいろいろと困ることもあるだろうからね。

エコーや、心電図のチェックもまだだ。酸素ボンベもチェックしたい。

終わっているのはレントゲンと内視鏡だけだし、今は医師が1人だからな。

夏は常に俺とセットでないとだめなんだ。1人での診療は禁止だ。

初期研修が終わらないと認められないんだよ。

とにかくなんだか疲れた‥‥‥。最近言ってることがこればっかりだな。

他所の医院の医者を尊敬するよ。本当に‥‥‥。

とりあえず、1日が終わって上に上がった。

莉子がなんか料理を作ってくれていた。そうか!奇跡だな。

最近俺は家に帰ると、ばったりとソファにひっくり返ってるからな。

料理どころじゃないんだ。こういう時に限って夏が帰って来ないんだよ。

かわいそうに、きっとこき使われているんだよ。

何科のどいつに使われているんだよ。全く‥‥‥。文句を言いたい! 

「春ちゃん、クリームシチューを作ったよ。食べる?」

「うん、食べる。ありがとうね」両手だけ伸ばして莉子を呼ぶ。

莉子が可愛くやって来た。手を引っ張って抱きしめる。忘れそうだよ、この感触を。

「最近は莉子になんにもしてあげていないね。ごめんね。俺の事、覚えてた?」と聞いた。

「うん・・忘れそうだった・・」ごめんねと抱きしめてキスをした。

俺ってキスは覚えているのか? 頭の中が全然キスになっていないんだよ。

「先に食べよう。それから一緒に風呂に入ろうよ。寝る時も一緒に寝ようね・・」

そう言いながら眠くなっていた‥‥‥。

多分、そのまま寝たんだと思う。気が付くと目の前に夏の顔があった。

「お帰り。あれ? 莉子は?」

「莉子は寝ると言って部屋に行きましたよ」 ああ‥ヤバイ。

莉子の部屋に行った。莉子は本を読んでいた。

「莉子、寝ちゃってごめんね。お風呂どうした?」

「まだだよ」「じゃあ、一緒に入ろうよ」「ご飯は食べたの?」「まだ」

「じゃあダメ。食べた人だけが私とお風呂に入れるんです」

「はい、すぐ食べて来るよ」大急ぎで食べて莉子の部屋に行くと? 莉子が寝てた。悲しい・・。

とりあえず汗をかいているのでシャワーを浴びた。

「夏、今日は莉子と寝るよ」 「はい、おやすみなさい」

莉子のダブルベッドに入って、腕枕をして抱き寄せて莉子の匂いを嗅ぎながら一緒に眠った。

俺って最低だな。
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