医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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492話 新しい仲間を紹介

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 岩城が紹介してくれた医師の宮本涼介君を朝の朝礼で紹介した。

事前にメスが持てないことは言いたくないだろうが、最初に話して協力をしてもらった方が良いよと言っておいた。

さて、どうかな?

「お早うございます。宮本涼介です。この度、岩城先生にご紹介いただいてこちらでお世話になることになりました。
実は後期研修生1年の時に、手術でメスを内蔵に落としてしまい、大出血させて患者さんを危うくしてしまいました。岩城先生が何とか治してくださったのですが、それがもとでトラウマになってしまい、怖くてメスが持てなくなりました。
ショックで大学病院を辞めて一度は郷里に帰ったのですが、岩城先生に呼ばれて、こちらを紹介していただきました。そういうわけで、あまりお役に立てないかもしれませんが、精一杯出来ることをしますので、どうぞよろしくお願いします」

パチパチという拍手と皆さんの笑顔で迎えられた。良かった!

「はい、誰にでも間違いはあるのでね、経験として痛かったと思うけど、また自信が持てるようになってほしいと思います。皆さんもどうぞ協力してあげてください。

一応、初期研修は終わっていますので、専門医ではないですが、医師としての仕事ができますので、皆さん、よろしくお願いしますね。
しばらくは俺の補助として、問診と聴診と電子カルテを入力してもらい、患者さんを回してもらって俺が診断して処方をします。

これまで以上に、診療のスピードアップが期待できます。彼の他に、放射線技師と臨床検査技師を今探してもらっていますので、皆さん、忙しいと思いますが、もう少し辛抱してください。

アッ、それから、今日から試しにインカムを導入します。まずは俺と看護師長の二人でコンタクトを取ります。

いいようであれば、もっと増やします。皆さんも意見があれば俺に言ってください。
では今日も頑張りましょう。よろしくお願いします」

朝礼が終わって、ちらっと外を見ると、また患者さんが並んでいる。

雨が降ると大変だからな。困ったね。

ラインで予約すれば待たなくていいのにねえ。

飛び込みなのか?まだ知らないのか?それとも順番の早い人なのか?

この辺はもっと分析して対処した方が良いかもしれない。

あとで看護師長と話してみよう。なるべく具合の悪い患者さんを外で待たせたくない。

インカムの使い方を師長に説明した。

これでダイレクトにお互いに話せるから、少しはかどるはずだ。

午前もバタバタと進み、ようやく終わったのが、1時過ぎだ。

そうだ、宮本君の昼食はどうするのかな? 

聞いてみると「コンビニでおにぎりを買っているので大丈夫です」

そうか、ゆっくり食べるといいよ。

心なしか痩せているからちょっと心配な面があるよね。

まあ、気にしてもしょうがない。俺も上に上がって莉子の様子を見ないとね。

「ただいまー、ん?莉子がいないよ。トイレにもいない。寝ているのかな?4階に上がった。


「莉子いるか?」部屋を覗くと寝ていた。「莉子どうしたんだ?具合が悪いのか?」

「うん、お腹が痛い」「生理か?」「うん、そうみたい」

「ご飯がまだだろう?何か食べられるか?持ってくるよ」

「う~ん、要らないかなあ」「ポタージュを持ってこようか?少しなら飲めるか?」

「わかんない」「トイレは一人でいけるか?」「うん、行けると思う」

「じゃあ、念のためにポタージュを持ってくるよ。それとあとで座薬をいれておくよ」

俺はおにぎりを温めてかじりながら、ポタージュを用意した。ふっ、こうなったら時短だよ。

座薬を冷蔵庫から出して準備した。あと、診療中にトイレに行けなかった場合だな。

おむつにしておこう。しょうがない。それと携帯をそばに置いておこうかな。

見守りカメラも見えやすい位置にセットした。本当にトイレに行けるのかな?試そう。

「莉子、トイレに先に行こう。一緒に行くから」莉子を起こして様子を見た。

ゆっくりとベッドから出ようとするけど、どうなのかなあ? 

トイレに伝い歩きで行くけど、心配だな。途中で座りこんだ。やっぱりな。

抱いてベッドに戻して留置カテーテルを入れた。当然おむつだよ。水を一度飲ませた。

ポタージュは飲めるか?「いらない・・」うん、いま点滴をするね。痛み止めも入れた。

ああ、悲しくなるね。かわいそうでさ。こっちが泣きたくなるよ。

そこでもう時間切れだ。

「莉子、見守りカメラで時々見ているからね。声もかけるよ。点滴はあとで外しに来るから眠っていいよ」

そういうと、うなずいて目を閉じた。

ああ‥莉子を一人にしたくない。抱きしめたい。


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