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523話 三匹のおっさん再び
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莉子のテレビ放映はクリニックのスタッフが全員見たらしい。俺も録画して皆で見た。
莉子はヘヤーメイクのおかげできりっとしたアーティストになっていた。
おまけに喋る喋る。まあ、聞かれるから喋るんだけど、自分の世界ならあんな風に熱心に喋れるんだと思った。
逆に俺が莉子に話を聞いてやらなかっただけなんだな。
桃香が「ママすご~い」と興奮していた。
莉子が打ち込んでいることに、俺が興味を持たなかったんだよね。悪いことをしたよ。
むしろ、夏の方が莉子を理解して伸ばしてやったんだなと思った。
そうだ、夏がいなかったとしたら、絵の個展はやっただろうけど、キャラクターを作って、アメリカでアニメを制作して売り出すなんて誰も想像しなかったし、実行も出来なかったと思う。
夏は個展に絵を出す前にキャラクターを莉子に描かせて、それでアニメを作って売ろうと、あの時はすでに画策していた。
その商機を逃さない才能はすごいよ。夏こそ先見の明があるんだよ。
それで日本とアメリカの意匠登録を急いだんだな。意匠登録もだ。今考えると本当にすごいよ。
とにかく、画面で見る莉子は別人だった。
莉子はニコニコして画面を見ているよ。
何を言い出すかと思ったら「私、かわいく映ってるよね!」だった。ふっ、変わってないわ。
クリニックでは、「凄いですねえ~、あんな有名人が上に住んでるなんて信じられない」って言ってたよ。
なんだよ、それ。
ところで、それを見たのかどうかは知らないが、岩城と川瀬がずっと会う時間がないから、たまには食堂で昼飯でも食おうよと電話があった。
平日の昼なら莉子の日の水曜日しかないけど、どうしよう。莉子に聞いたら良いよと軽く返事がきた。
俺が久しぶりに大学病院の食堂に行くと、皆があーっ!と言って近寄って来た。
「お久しぶりです!お元気ですか?なんかご繁盛だそうですね。奥さんもすごいじゃないですか?」って、みんなが言うことは同じだった。
岩城と川瀬も同じことを言うつもりか? ちょっと疲れるな。
それでもこの食堂が懐かしいな。岩城と川瀬も時間通りにやって来たよ。
「よお!来たな」とトレーを持ってやって来た。皆おなじみの定食だよ。
「悪いな、わざわざ来てもらっちゃってさ」
「うん、いいよ。たまには懐かしいしさ。俺も喋る相手がいないんだよ」
「そうだろうと思ってさ。慰めるために呼んだんだよ」
ええ? 俺、ここで慰められるのか?
莉子はヘヤーメイクのおかげできりっとしたアーティストになっていた。
おまけに喋る喋る。まあ、聞かれるから喋るんだけど、自分の世界ならあんな風に熱心に喋れるんだと思った。
逆に俺が莉子に話を聞いてやらなかっただけなんだな。
桃香が「ママすご~い」と興奮していた。
莉子が打ち込んでいることに、俺が興味を持たなかったんだよね。悪いことをしたよ。
むしろ、夏の方が莉子を理解して伸ばしてやったんだなと思った。
そうだ、夏がいなかったとしたら、絵の個展はやっただろうけど、キャラクターを作って、アメリカでアニメを制作して売り出すなんて誰も想像しなかったし、実行も出来なかったと思う。
夏は個展に絵を出す前にキャラクターを莉子に描かせて、それでアニメを作って売ろうと、あの時はすでに画策していた。
その商機を逃さない才能はすごいよ。夏こそ先見の明があるんだよ。
それで日本とアメリカの意匠登録を急いだんだな。意匠登録もだ。今考えると本当にすごいよ。
とにかく、画面で見る莉子は別人だった。
莉子はニコニコして画面を見ているよ。
何を言い出すかと思ったら「私、かわいく映ってるよね!」だった。ふっ、変わってないわ。
クリニックでは、「凄いですねえ~、あんな有名人が上に住んでるなんて信じられない」って言ってたよ。
なんだよ、それ。
ところで、それを見たのかどうかは知らないが、岩城と川瀬がずっと会う時間がないから、たまには食堂で昼飯でも食おうよと電話があった。
平日の昼なら莉子の日の水曜日しかないけど、どうしよう。莉子に聞いたら良いよと軽く返事がきた。
俺が久しぶりに大学病院の食堂に行くと、皆があーっ!と言って近寄って来た。
「お久しぶりです!お元気ですか?なんかご繁盛だそうですね。奥さんもすごいじゃないですか?」って、みんなが言うことは同じだった。
岩城と川瀬も同じことを言うつもりか? ちょっと疲れるな。
それでもこの食堂が懐かしいな。岩城と川瀬も時間通りにやって来たよ。
「よお!来たな」とトレーを持ってやって来た。皆おなじみの定食だよ。
「悪いな、わざわざ来てもらっちゃってさ」
「うん、いいよ。たまには懐かしいしさ。俺も喋る相手がいないんだよ」
「そうだろうと思ってさ。慰めるために呼んだんだよ」
ええ? 俺、ここで慰められるのか?
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