医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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526話 金庫番・夏2

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 「そういえば、お兄さんは自分の貯金通帳をまだ見ていないんじゃないですか?通帳記入をして自分の残高を見ていますか?ネットでも調べられるけど、確認しますか?」

「あっ、全然見ていない。銀行に行く暇がないからなあ。普段使うお金はいつも夏が引き出しに入れておいてくれるからねえ。それで充分足りている」

「そうなんですよねえ。必要なお金は十分なんですよ。莉子の絵の具などは莉子の会社の経費として出していますしね。莉子の個人会社はめちゃくちゃお金持ちなんだけど、本人は興味がないから全然知らないんですよ。材料もネットで注文しますからね。外に遊びに行くわけでもないし、洋服も滅多に買わないしね。若いのに大したものですよ。本物の芸術家ですね」

まあ、引っ越してきて以来、お金の話をするのは初めてだったから、ネットで俺の口座残高や、莉子や桃香の残高を見せてもらった。

俺の残高は想像以上だった。夏の言うとおり、ほとんど使っていないから貯まったままだ。

前と違って、引き落としになっているものが凄く少ないんだよ。

マンションは寮になっているから、すべて経費になって病院の会計と一緒にしているそうだ。助かるよ。

固定資産税も、駐車場代も車の維持費も結構掛かっていたのに、今は使うことといえば食費くらいで、毎日の家族のお弁当代とコーヒーやパンを買っても8万にはならない。

光熱費はどうしているんだろう?引き落としがされていない。

あとは桃香のそろばん代とみんなでダンスを習いに行くくらいしかない。

それから2か月に一回、みんなで美容院に行くくらいだな。

車の経費も入っていないけど、どう処理しているんだろう?

確かに机の中にある100万は、一番多く使ったとしても、せいぜい15万くらいだ。

必要がある時は個人カードか法人カードで支払うからね。

莉子にだって使っていいお金はここあると教えているんだけど、全然使わないね。

自分の収入があるから遠慮しているのかな?

マンションで暮らしていた時は、マンションの管理費や駐車場代、税金、固定資産税、車の経費や、各種保険代や光熱費、生活費、医療費で使うから、出費がすごく多かったけど、ここではほとんど支払いがないんだよね。

どうなっているのかな?知らないけど。

あと莉子は超金持ちだ。すごい。桁外れだ。笑う。

これは簡単に使える金額じゃないよ。一生使ってもまだ余る。

桃香もしっかりたまっていた。これなら医大も塾も簡単に行けるわ。

クリニックとしてはすごく順調だった。

確かに貯蓄率が高いだけあって、夏がしっかり資産を増やしてくれていた。

俺にはこんなことはできない。あと2年以内に5億の貯金は確実に出来るな。すごいわ。

あと、莉子の場合は弁護士費用と保険代が高いと言っていた。

作品を保護するための費用だそうだ。

絵の一枚一枚に弁護士チェックが入るんだね。ふ~ん。画家は大変だね。

あと、莉子の化粧品や洋服に美容院、絵の材料費などはすべて、莉子の会社の法人カードを使うように言っているんだって。経費だそうだ。マジか。

これ以降はもうお金に関しては聞かないことにした。頭が混乱する。

どうせ聞いてもわからないんだし、俺に管理ができるわけでもない。

夏も俺の嫁だからな。夏がいるだけでも得をしているし、お陰で楽をしているよ。

今後も会計をよろしくお願いします。
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