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546話 ずる~い!!
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翌日、月曜の朝礼では何事もなく簡単に終わった。
ふう‥‥‥こうでなくっちゃあ~。しめしめ、誰も気が付いていない。
だいたい、医療関係者がわざわざ抽選のパリコレを見に行くか? そんなの興味ないだろう? ないない。
お弁当を食べに上に上がった。テーブルの上になんかプレゼントらしきものが置いてあった。
何これ? 莉子が「ナースの皆さんから桃香にお祝いなんだって! パリコレ出演の」
へっ?? 息が止まった! 金縛り・・動けねえ・・。
「なんで桃香の事、知ってるんだろう?」
「みんなで見に行ったんだって。抽選で1枚当たると2名入れるから、スタッフ全員の名前で応募したらしいよ。
それで全員見に行けたんだって。春ちゃんはみんなに言ってなかったの?ひんしゅくだよ」
ああ======っ!!頭を抱えて突っ伏した。なんでこうなる‥‥‥。
なんとか弁当を食べて10分前に下に降りた。階段下にずらっと皆並んでいた! 怖い・・。
「なんか‥悪いね。お祝いなんて貰っちゃってさ。本当にすみません。ありがとうございました」
「私達、あやうく桃香ちゃんの晴れ舞台を見損なうところでしたよ。なんで言ってくれないんですか?」と師長が言うと、一斉に「ずる~い!!」の大合唱だよ。
ああ~俺はこの「ずる~い」って言葉が一番弱いんだよ。俺は両手で顔を隠した。
「本当にごめんね、なんでわかったの?」
「だって浅田先生と北原先生が同時に土曜日に休むなんて、よほどのビッグイベントがない限りはないでしょう?」
「だから、浅田先生に皆で問い詰めたんですよ」ええ?? 夏め、あいつは何も言ってなかったぞ。裏切り者め。
「今度からなんでも言ってくださいよ。私達も応援しているんですから。今度は家族でファッションショーにでも出られたらどうですか?インスタのフォロワー数が凄いじゃないですか?もちろん、私達も見に行きますけどね」
師長がそういうと、うんうん、とみんなが頷いた。
ああ~これは懺悔よりきついよ。俺はしばらく落ち込みそうだよ。
「うん、わかったよ。今度から晴れ舞台があったら言うからさ。今回だってさ、不可抗力だったんだよ。妻がどうしても桃香を出したいって言うからさ。俺は行きたくなかったんだよ。だから勘弁してくれよ」ああ・・落ち込む。
夜になって夏が帰って来た。許さんぞ!
「夏、俺になんか言うことはないか?」
エへへへ・・「バレました?」と言いながらへらへら笑っていた。
「だってしょうがないでしょう? ナースの皆に詰め寄られたら、俺だっておっかないですよ。それに悪いことをしたわけでもないのに、なんで理由を隠すんですか?気まずいですよ。二人で土曜に、しかも同時に休むんですからね」
「所詮黙っているのが無理なんですよ。お兄さんもいい加減に諦めてくださいよ。俺達家族は今や全国の有名人なんですよ。この町だって病院の人だって知らない人はいませんから。莉子が出演した番組だって全国の人が見たんです。視聴率を見ればわかるんです。しかも雑誌だって全国規模ですからね。
おまけにインスタだってフォロワー数が何人いるのか知っていますか?もう38万人くらいいるんですよ。画家としては異例ですよ」
「この前のスカウトの人だってまんざら大げさに言ってるわけじゃないです。この世界の人なら皆知ってるんです。それでもまだ静かなのは、お兄さんがクリニックの医者だし、莉子も画家として成功したからです。モデルに誘うのは遠慮していたと言ってたじゃないですか?医者が立派な職業だからですよ。もし普通の会社員ならスカウト達が放っておかないですよ」
「一番露出が控えめな俺でさえ、大学病院の出勤の時と退勤の時はグループで待ち伏せされているんですよ。知ってます?俺だって結構追いかけられているんですよ。だから車にして良かったですよ。病院では本当にナースに口説かれまくって逃げるのが大変なんですよ。だからお兄さんがゲイだと公言したのはよく分かるんですよ。俺も本当はそう言いたいけど、お兄さんの手前、俺がゲイだというとお兄さんが怪しまれるでしょう?だから言えないんですよ。分かってくださいよ」
また金縛りに遭ってしまった・・。
ふう‥‥‥こうでなくっちゃあ~。しめしめ、誰も気が付いていない。
だいたい、医療関係者がわざわざ抽選のパリコレを見に行くか? そんなの興味ないだろう? ないない。
お弁当を食べに上に上がった。テーブルの上になんかプレゼントらしきものが置いてあった。
何これ? 莉子が「ナースの皆さんから桃香にお祝いなんだって! パリコレ出演の」
へっ?? 息が止まった! 金縛り・・動けねえ・・。
「なんで桃香の事、知ってるんだろう?」
「みんなで見に行ったんだって。抽選で1枚当たると2名入れるから、スタッフ全員の名前で応募したらしいよ。
それで全員見に行けたんだって。春ちゃんはみんなに言ってなかったの?ひんしゅくだよ」
ああ======っ!!頭を抱えて突っ伏した。なんでこうなる‥‥‥。
なんとか弁当を食べて10分前に下に降りた。階段下にずらっと皆並んでいた! 怖い・・。
「なんか‥悪いね。お祝いなんて貰っちゃってさ。本当にすみません。ありがとうございました」
「私達、あやうく桃香ちゃんの晴れ舞台を見損なうところでしたよ。なんで言ってくれないんですか?」と師長が言うと、一斉に「ずる~い!!」の大合唱だよ。
ああ~俺はこの「ずる~い」って言葉が一番弱いんだよ。俺は両手で顔を隠した。
「本当にごめんね、なんでわかったの?」
「だって浅田先生と北原先生が同時に土曜日に休むなんて、よほどのビッグイベントがない限りはないでしょう?」
「だから、浅田先生に皆で問い詰めたんですよ」ええ?? 夏め、あいつは何も言ってなかったぞ。裏切り者め。
「今度からなんでも言ってくださいよ。私達も応援しているんですから。今度は家族でファッションショーにでも出られたらどうですか?インスタのフォロワー数が凄いじゃないですか?もちろん、私達も見に行きますけどね」
師長がそういうと、うんうん、とみんなが頷いた。
ああ~これは懺悔よりきついよ。俺はしばらく落ち込みそうだよ。
「うん、わかったよ。今度から晴れ舞台があったら言うからさ。今回だってさ、不可抗力だったんだよ。妻がどうしても桃香を出したいって言うからさ。俺は行きたくなかったんだよ。だから勘弁してくれよ」ああ・・落ち込む。
夜になって夏が帰って来た。許さんぞ!
「夏、俺になんか言うことはないか?」
エへへへ・・「バレました?」と言いながらへらへら笑っていた。
「だってしょうがないでしょう? ナースの皆に詰め寄られたら、俺だっておっかないですよ。それに悪いことをしたわけでもないのに、なんで理由を隠すんですか?気まずいですよ。二人で土曜に、しかも同時に休むんですからね」
「所詮黙っているのが無理なんですよ。お兄さんもいい加減に諦めてくださいよ。俺達家族は今や全国の有名人なんですよ。この町だって病院の人だって知らない人はいませんから。莉子が出演した番組だって全国の人が見たんです。視聴率を見ればわかるんです。しかも雑誌だって全国規模ですからね。
おまけにインスタだってフォロワー数が何人いるのか知っていますか?もう38万人くらいいるんですよ。画家としては異例ですよ」
「この前のスカウトの人だってまんざら大げさに言ってるわけじゃないです。この世界の人なら皆知ってるんです。それでもまだ静かなのは、お兄さんがクリニックの医者だし、莉子も画家として成功したからです。モデルに誘うのは遠慮していたと言ってたじゃないですか?医者が立派な職業だからですよ。もし普通の会社員ならスカウト達が放っておかないですよ」
「一番露出が控えめな俺でさえ、大学病院の出勤の時と退勤の時はグループで待ち伏せされているんですよ。知ってます?俺だって結構追いかけられているんですよ。だから車にして良かったですよ。病院では本当にナースに口説かれまくって逃げるのが大変なんですよ。だからお兄さんがゲイだと公言したのはよく分かるんですよ。俺も本当はそう言いたいけど、お兄さんの手前、俺がゲイだというとお兄さんが怪しまれるでしょう?だから言えないんですよ。分かってくださいよ」
また金縛りに遭ってしまった・・。
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