医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

文字の大きさ
557 / 996

560話 連休の余波

しおりを挟む
 火曜日になった。昨日ゆっくり休んだおかげで、今日はすっきりと起きられた。

クリニックの朝礼で、ショーを見に来てくれたお礼を言った。

すると看護師長が「スタッフを代表してお礼を申し上げます。昨日は本当に楽しかったです!そして皆さんすごくカッコ良かったですよ!それから良い席を取っていただいてありがとうございました。お陰で十分に堪能させていただきました。もう菜の花クリニックは最高です!!」

そういうと、全員からわーっと歓声が上がってパチパチと大拍手が来た。ふふふ、

「どうもありがとう。皆さんに楽しんでもらったのなら良かったです。浅田先生や彼のお父さんにも伝えておきますね。じゃあ、今日もよろしくお願いします」

ちらっと入口のドアを見ると、また患者さんたちがみんなで中を覗いていた。(笑)

最近毎日覗かれているよね。面白いのかな?


ところで、今日は何人くらい並んでいるのかな?

「先生は見ない方が良いですよ」 えっ? 師長に言われて慌てて見た!

行列が出来てるよ!どう見ても隣のフードショップではなくて、うちの患者さんみたいだな。

あれは何人くらいいるのかなあ?と独り言を言っていると、本居君が「どう見ても40人はいますよねえ」

「はっ、どうしよう? 師長、今日の予約はどうしよう?」

「やっぱり昨日が休みだったから、しょうがないですよねえ・・」

「目いっぱい頑張っていただけますか?ネット予約は70人でどうでしょうか?プラス緊急と、あとは飛び込みなしで」

「よし、じゃあそうしよう」

俺はインカムで、「宮本君、今日の食事は13時からでお願いします。俺は13:30分から行きます。皆さん、よろしくお願いしますね」

さあ、頑張ろう。二日分だからね。

そろそろ昼休憩に入る頃に、緊急で診て欲しいという患者さんが連れて来られた。

玄関に入った途端、力尽きて倒れたらしい。師長からインカムで呼ばれてすぐ玄関に行くと、床で胸を押さえて苦しがっていた。

すぐ聴診して「緊急で、玄関にニトロと酸素を持ってきて」とインカムで伝えた。

すぐ舌下に含ませて酸素吸入をして、大学病院に電話して救急車を要請した。

「ストレッチャーに患者を移すから、宮本君と本居君は玄関に来てください」とインカムで呼んだ。

連れて来た人はスーパーの人で、発症してからの時間は分からないそうだ。

ということはもう20分以上は経過しているな。まずいね。

救急車の到着を待つ間に、待合室が騒然としたんだけど、それは看護師長に任せた。

事務に「この人の荷物を調べて親族に連絡が取れるか見てもらえますか?」と頼んだ。

携帯はあるけど、ロックがかかっているそうだ。

「保険証や、診察券や電話番号が分かるものはないかな?」

「電話番号はわかったんですが、誰も出ないです」

「じゃあ、しょうがないから連絡は大学病院に任せよう」

そのうちに救急車が到着した。詳細を話して移送してもらった。

今ので20分くらいロスかな・・今何時だろうと時計を見ようとしたら、

「あっ、先生、宮本先生は食事に行ってもらったんですが、先にやりかけの患者さんが待っているのでお願いします」

師長に言われて診療に戻った。時計をちらっと見ると、1時30分だよ。

ああ~。俺だって胸が痛くなった。弁当を食べたい。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

処理中です...