医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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599話 医師面接・2・福利厚生

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 「お1人が仕事に出ている時は、もう一人は家で育児をする形でいいんですか?それとも何時間かはどこかに預けて仕事が出来る環境ですか?」

恵美「日中の4時間くらいだったら家を空けられると思うんですよ。でもそれは週に2日か3日くらいで抑えたいんです」

「そうしたらこうしましょう。シフト表をお渡しするので、出られる時間を書いていただけますか?
もし急に出られなくなったら、休んでも全く構いません。こちらはその時間に合わせて予約を制限します。

こちらの希望は午前の9時から13時までどちらかお一人に出ていただけると助かるので、それが希望です。

花井先生も希望のお休みをどんどん入れて良いですよ。睡眠不足はつらいでしょう? 
それと、まだこれからお子さんを作る予定があるんじゃないですか?」

花井「はい、実は2人くらい欲しくて、それもあるんですよね」

「じゃあ、子育てが一段落するまでうちにいてくださいよ。時間も休みも自由にしていいですよ。ちなみに内視鏡はどうですか?」

花井「もちろん、僕がやりますよ」

「うわ~もう岩城に大感謝だなあ‥‥‥感動しました!それと給料の希望があったら、一緒に書いておいていただけますか?こちらで検討しますので」

花井「はい。承知しました。ありがとうございます」

夏「本当にすごいですねえ。こんなにこちらの希望に合う方がいらっしゃるなんてラッキーですよね。
僕も消化器内科で専門医が取れたら、その後は内視鏡を勉強しようと思っているんですよ。

だからここへ戻るのは最低でも4年後なんですが、他に会社も経営しているので、出来れば時間に余裕のある方が助かるんです。たまに来れた時は、ぜひビシビシご指導をお願いしたいです」

花井「僕でよろしければいいですよ。ただ僕が急に辞めることになるので、出来るだけ早く専攻医で入ってくれるといいんですけどねえ~。それに先輩たちが浅田君を欲しがっていますからねえ・・。

僕が教えていいのかなあ?どうですかねえ、聞いたことはないですか?」

夏「えっ? そうなんですか?知らないです」

「ふっ、夏はまだ知らなくていいから」

花井「あっすみません。言ったらまずかったですよね?」

「いえいえ、いいんですけど、本人が図に乗りますからねえ」

「ええ?」と夏が言うとみんなで笑ってしまった。

「それから、隣にフードショップがあるんですけど、お弁当がすごくおいしいんですよ。うちのスタッフは全員、昼と夜の分も一緒に注文しているんですよ。

で、隣も経営者は浅田のお父さんなので、特別に1食が400円の試食価格で届けてくれるんですよ。良かったらお試しください。

作っているのが前にいたうちのスタッフなんですけど、すごく料理上手なんですよ。注文は前日までにしないと駄目なんですけどね」

恵美「うわ~すごい!!助かります!!ええ~?ぜひ食べてみたいです」

「あとですね、俺が前に嘱託医をしていた保育所があるんですけど、5か月から預かってくれるんですよ。時間も長いんです。朝は8時半までに連れて行って、帰りは夜までやっているんですけど、うちは大体6時までに迎えにいっていました。よろしかったら、空きがあるかどうか聞いてみましょうか?」

花井「本当ですか?助かります!ぜひお願いします」

「はい分かりました。やっぱり出産は体力を使い切ってしまうので、女性は身体の消耗が激しいと思うんですよ。
もし空きがあれば、5か月になるまで仕事をしないで、身体を休めたらどうですか?その間は、ご主人に働いでもらってもいいかもしれませんよ。今が一番きつい時でしょう?」

恵美「うわ~なんというか、うれしくて泣けてきますね。ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします」

この後はクリニック内を見学してもらったり、サイズを教えてもらったりして、帰って行った。

翌日、早速保育園の理事に事情を話して何とか入れてやって欲しいとお願いしたら、いっぱいだったんだけど入れてくれると言ってくれた。ああ~良かった!

すぐ電話して恵美さんにそのことを伝えたら、すごく喜んでくれた。

嘱託医の仕事も無駄じゃなかったな。(笑)

そうすると、後はクリニックの内装を変えるだけだな。

後日、シフト表に書き込んだ添付ファイルを貰った。

それには出勤がご主人だけの名前になっていた。

給料も希望通りにすると連絡した。

ああ~岩城と川瀬!何をご馳走しようかなあ? うれしすぎて飛び跳ねたい。

もちろん二人とも採用したことを岩城に伝えて、川瀬にも決まったことを連絡した。

すごく喜んでくれたよ。ありがたい。やっぱり持つべきものは友達だな。


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