医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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632話 クリニックの引っ越し

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 朝礼で移転する話をしてから2か月たった。

隣のフードショップは駅前の複合ビルに引っ越した。

上の開発室や倉庫も一旦、他の工場に移すそうで一緒に引っ越していった。

いや~壮観だったよ。引っ越しトラックがずらーと並んでさ、何事かと通行人がキョロキョロしていた。

複合ビルに移転したショップはなんと、たった2日で引っ越しと開店と済ませたもんね。

どういう速さなんだよ。ロケットか?

それで、引っ越しの翌日から、足場を組んでネットで囲んでもう壊し始めたよ。

こっちも早く引っ越さないと駄目なんだよ。

RIKOカンパニーの仮診療所も見に行ったよ。もう内装がほとんどできていた。

患者さん達には引っ越しの予告と休診の案内のプリントを配った。

立て看板やホームページ、ラインでも予告した。

あとは機械類が大変だ。エコーやモニターや、レントゲンや内視鏡の引っ越しがめちゃめちゃ大変だ。

専門業者を呼んで解体して、引っ越ししたら、また組み立てて稼働してテストする。

そうやって大型機械の引っ越しは先に済ませた。

あと、ロッカーやいす、机は引っ越し専門業者の手を借りた。

家電製品やレジや見守りカメラ類も頼んだ。

引っ越しの準備はスタッフ総出でやった。

食器や私物、その他こまごまとした文書類も、手で運べるものは運んだ。

花井先生を始めとして、男子は全員力仕事をやってもらった。

特にパソコン類は自分たちで運んだ。

台車は夏が会社から10台くらい借りて来てくれた。

それにしても、しばらく菜の花弁当が来ないからさあ。

それが一番の痛手だよ。なんとかならないのかなあ?と夏に催促したら、最低でも5日はかかるんだって。

くそーーっ。どうすればいいんだよ。美味しい弁当に慣れてしまったんだよ。全員さあ。

こうなったら、毎日冷凍のディナーだな。皆もそうすると言っていた。笑う。

患者さんがわかるかなあ?引っ越し先がねえ。

看板もあるから大丈夫だと思うんだけど、うちの臨時休診は1週間にした。

区切りよくしたいし、お疲れ休みもいるだろう?

レジや監視カメラの設置、インカムもね。そういうデリケートな機械も大変。

パソコンも多いからテストをしないといけない。なんてお金がかかるんだろう。

でもいくらかかるのか?なんて絶対に聞かないよ。

夏がやってるからさ。任せるだけだよ。ああ~楽ちんだ。

なんでもっと早く専攻医を辞めさせなかったんだろう?って今じゃ後悔しているくらいだよ。

夏は生き生きとしてやってるよ。

医者の10倍くらい楽しいんじゃないの?なんだよ。全く

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