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702話 インスタフォロワー数100万人
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昨日のメッセで話題になっていたユニフォームのファッションショー。
夏が動画をアップしてくれた。
お父さんの会社のホームページにもショーの動画が掲載されている。
さすがにプロが撮影した映像は違う。映像のクオリティが高くて、まるで映画のワンシーンみたいだった。
でも、花井部長や看護部長が撮影してくれた写真はまた別の良さがあった。
そこに写る皆の表情は驚くほどフレンドリーで、温かみのあるものばかりだった。
撮影する人が仲間だと、カメラの前でも気取らず、自然な笑顔になるものだ。
そんな素敵な写真をインスタのリールで流した。
もちろん、ファッションショー自体も動画でアップ。
すると、予想以上の反響があった。
どうやら視聴者の多くは同じ医療関係者らしく、「素敵な試みですね」「ぜひ導入したい」といったコメントが次々と寄せられた。
画家・莉子のインスタなのだが、最近は彼女自身の投稿は少なくなっている。
リトグラフの制作やゲームデザイン、さらに桃香への指導に集中しているからだ。
そのため、インスタの更新内容は自然と菜の花クリニック関連のものが増えていた。
オープン直後のクリニックを、夏が初日にルームツアー動画として撮影。これも大きな話題となった。
動画には理学療法士のイケメン二人、総合案内の三枝君、バーンズ先生、他の医師たち、さらにイケメンナースも登場。ほぼ全員が映っていた。
初日に撮影したため、患者さんはいなかった。
その分、スタッフ全員がリラックスした笑顔で手を振っている姿が印象的だった。
ルームツアーの視聴回数は驚くほど伸びた。
そこへ、ファッションショーの動画も公開。まさに最高のタイミングだった。
そして気がつけば、インスタのフォロワー数は異例の100万人を突破。
画家・莉子個人としても驚異的な数字だが、何よりクリニックの評判が急上昇しているのが面白い。
「さて、これからどうなっていくんだろうな……?」
いくら評判が良くても、病気になる人が急増するわけではない。
ただ、こうして多くの人に知ってもらえることはありがたいと思う。
もう、皆がそれぞれの力で歩んでいる。俺がいなくても、何も問題はない。
それこそ組織を作った甲斐があるというものだ。
午前の診療を終え、帰宅すると、莉子が弁当を用意して待っていた。
「お茶、飲む?」
「うん、もらおうかな」
莉子は、ファッションショーで手に入れたサーモンピンクのスクラブ上下を着ていた。
「莉子、それ似合うね。着心地はどう?」
「うん、すごくいいよ。動きやすいし」
「へぇ、家で着るのもありなんだな」
「春ちゃんも、お揃いで着る?」
「絶対いやだ」
「なんでよ~?」
「せめて家にいるときくらい、仕事のことから離れたい」
「あっ、そういうことね」
「ところでさ、そろそろ手術から半年以上経つよね?」
「……うん。でも、それ以上言ったらダメ」
莉子をじっと見つめた。恨めしそうな視線を向けたが、すぐに目を閉じた。
莉子はずっと俺を避けていて、一緒に寝てくれない。
はぁ……何のために生きているんだろう。莉子に近寄れない。
弁当をさっと食べ終えると、そのまま4階へ上がった。何だか悲しい。
こういう時は、寝るしかない。引き出しから睡眠薬を取り出し、すぐに飲んだ。もう、寝よう。
次に目を覚ましたのは、夜の11時過ぎだった。
昼食を終えてすぐ寝たせいで、夕飯も食べずに過ごしていたらしい。
何だか気分が沈む。どうしたらいいんだろう?
起きたほうがいいのかな……でも、怠い。気力がない。
莉子はもう寝ているだろう。
すごく莉子が恋しいのに、そばに行けない。
一人でいるよりも、誰かと一緒にいるほうが、ずっと孤独を感じることってあるんだな。
夏が動画をアップしてくれた。
お父さんの会社のホームページにもショーの動画が掲載されている。
さすがにプロが撮影した映像は違う。映像のクオリティが高くて、まるで映画のワンシーンみたいだった。
でも、花井部長や看護部長が撮影してくれた写真はまた別の良さがあった。
そこに写る皆の表情は驚くほどフレンドリーで、温かみのあるものばかりだった。
撮影する人が仲間だと、カメラの前でも気取らず、自然な笑顔になるものだ。
そんな素敵な写真をインスタのリールで流した。
もちろん、ファッションショー自体も動画でアップ。
すると、予想以上の反響があった。
どうやら視聴者の多くは同じ医療関係者らしく、「素敵な試みですね」「ぜひ導入したい」といったコメントが次々と寄せられた。
画家・莉子のインスタなのだが、最近は彼女自身の投稿は少なくなっている。
リトグラフの制作やゲームデザイン、さらに桃香への指導に集中しているからだ。
そのため、インスタの更新内容は自然と菜の花クリニック関連のものが増えていた。
オープン直後のクリニックを、夏が初日にルームツアー動画として撮影。これも大きな話題となった。
動画には理学療法士のイケメン二人、総合案内の三枝君、バーンズ先生、他の医師たち、さらにイケメンナースも登場。ほぼ全員が映っていた。
初日に撮影したため、患者さんはいなかった。
その分、スタッフ全員がリラックスした笑顔で手を振っている姿が印象的だった。
ルームツアーの視聴回数は驚くほど伸びた。
そこへ、ファッションショーの動画も公開。まさに最高のタイミングだった。
そして気がつけば、インスタのフォロワー数は異例の100万人を突破。
画家・莉子個人としても驚異的な数字だが、何よりクリニックの評判が急上昇しているのが面白い。
「さて、これからどうなっていくんだろうな……?」
いくら評判が良くても、病気になる人が急増するわけではない。
ただ、こうして多くの人に知ってもらえることはありがたいと思う。
もう、皆がそれぞれの力で歩んでいる。俺がいなくても、何も問題はない。
それこそ組織を作った甲斐があるというものだ。
午前の診療を終え、帰宅すると、莉子が弁当を用意して待っていた。
「お茶、飲む?」
「うん、もらおうかな」
莉子は、ファッションショーで手に入れたサーモンピンクのスクラブ上下を着ていた。
「莉子、それ似合うね。着心地はどう?」
「うん、すごくいいよ。動きやすいし」
「へぇ、家で着るのもありなんだな」
「春ちゃんも、お揃いで着る?」
「絶対いやだ」
「なんでよ~?」
「せめて家にいるときくらい、仕事のことから離れたい」
「あっ、そういうことね」
「ところでさ、そろそろ手術から半年以上経つよね?」
「……うん。でも、それ以上言ったらダメ」
莉子をじっと見つめた。恨めしそうな視線を向けたが、すぐに目を閉じた。
莉子はずっと俺を避けていて、一緒に寝てくれない。
はぁ……何のために生きているんだろう。莉子に近寄れない。
弁当をさっと食べ終えると、そのまま4階へ上がった。何だか悲しい。
こういう時は、寝るしかない。引き出しから睡眠薬を取り出し、すぐに飲んだ。もう、寝よう。
次に目を覚ましたのは、夜の11時過ぎだった。
昼食を終えてすぐ寝たせいで、夕飯も食べずに過ごしていたらしい。
何だか気分が沈む。どうしたらいいんだろう?
起きたほうがいいのかな……でも、怠い。気力がない。
莉子はもう寝ているだろう。
すごく莉子が恋しいのに、そばに行けない。
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