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782話 アニメ&撮影スタッフ
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水曜日になった。今日は院内ルームツアーの撮影日だ。
室内を360度撮影するそうだが、今日は休診日。
この日は莉子も俺と一緒に見学だ。
時間には余裕があるとはいえ、さすがに一日で全部は無理だろう、と思っていた。
――ところが、当日になってどやどやと助っ人がやって来た。
360度撮影可能なカメラも、何台も運び込まれてきた。
聞けば、社長のお父さんに頼んで、いつも撮影をお願いしているプロに一括で依頼したらしい。
病院の間取りや施設資料も、お父さんが準備して渡してくれたとのこと。
へえ~……。
夏がひとりで汗だくになって頑張るのかと思っていたら、あっさり予想は裏切られた。
現場を見ていると、「どこにカメラを設置するか」といった細かい指示も夏が出しているのかと思いきや、なーんにもしていない。
全部カメラマンにお任せで、趣旨だけ伝えてこう言ったらしい。
<一番良いルームツアーにしてください>
……内心、笑った。やっぱりねえ。お大臣の息子は、やることが違う。
俺はヘラヘラと笑ってしまった。
さて、この調子だと、土曜の撮影にもこの人たちを連れてくるのか?
さあ、見物だな。
撮影は午前中に終わり、スタッフにお弁当が出た。
みんなで休憩室に集まって食べていたところへ、アニメーション制作の関係者がやって来た。
ああ~なるほど、午前と午後で分けたんだ。
それぞれに打ち合わせが必要だと言うことだね。
ふ~ん、やっぱり俺は素人だな。
とりあえず、俺は莉子と一緒にお弁当を食べた。
莉子が「なんだかすごいね! どんなのが出来るのか楽しみだねえ~」とお気楽なことを言っていた。
一緒にお弁当を食べてもらったあと、撮影したばかりのルームツアーの映像を見た上で、アニメーション関係者たちは全館を見学した。
各フロアのスタッフ数を確認しながら、「どの場面でどの人物をどう動かすか?」といった打ち合わせを夏としていた。
特にリハビリステーションでは、実際にスタッフがリハビリ用具を動かしている場面の動画を撮っていた。
――なるほど、アニメの動き、ね。
地下では送迎バスのドアを開け、誰かが実際に乗り込んで椅子に座るところまでを撮影。
そのほかにも、1階の待合室や順番モニター、自動精算機の映像、さらに売店兼カフェやメニュー表も丁寧に録画していた。
カフェでは実際に注文して、ランチやお弁当なども土曜日に撮影するのだそうだ。へえ~。
その後は、2階、3階、4階と順に撮影。4階では、夏がいろいろな検査機器について説明していた。
健康診断ではレントゲン撮影があるから、2階のレントゲン施設も健康診断のコースに入れてくれるように頼んでいた。
まあ、健康診断のコースの資料は、事前に渡しているそうだから大丈夫だろう。
最後の5階では、個室やスイートルームに加え、リビングやキッチン、ダイニング、冷蔵庫、シャワールームなど、
細かい部分までしっかりと収録していた。
――アニメを作るって、大変なんだな。
莉子も俺と一緒に、スタッフの邪魔にならないように見物して回った。
素材をそろえるだけでも、こんなにやることがあるんだ。なるほどね。
これは確かに、夏ひとりじゃできないわけだよ。よくわかった。
さあ、今日はプロの手で下地がしっかり整った。
あとは土曜日の――スタッフの撮影だな。さて、どうなることか?
室内を360度撮影するそうだが、今日は休診日。
この日は莉子も俺と一緒に見学だ。
時間には余裕があるとはいえ、さすがに一日で全部は無理だろう、と思っていた。
――ところが、当日になってどやどやと助っ人がやって来た。
360度撮影可能なカメラも、何台も運び込まれてきた。
聞けば、社長のお父さんに頼んで、いつも撮影をお願いしているプロに一括で依頼したらしい。
病院の間取りや施設資料も、お父さんが準備して渡してくれたとのこと。
へえ~……。
夏がひとりで汗だくになって頑張るのかと思っていたら、あっさり予想は裏切られた。
現場を見ていると、「どこにカメラを設置するか」といった細かい指示も夏が出しているのかと思いきや、なーんにもしていない。
全部カメラマンにお任せで、趣旨だけ伝えてこう言ったらしい。
<一番良いルームツアーにしてください>
……内心、笑った。やっぱりねえ。お大臣の息子は、やることが違う。
俺はヘラヘラと笑ってしまった。
さて、この調子だと、土曜の撮影にもこの人たちを連れてくるのか?
さあ、見物だな。
撮影は午前中に終わり、スタッフにお弁当が出た。
みんなで休憩室に集まって食べていたところへ、アニメーション制作の関係者がやって来た。
ああ~なるほど、午前と午後で分けたんだ。
それぞれに打ち合わせが必要だと言うことだね。
ふ~ん、やっぱり俺は素人だな。
とりあえず、俺は莉子と一緒にお弁当を食べた。
莉子が「なんだかすごいね! どんなのが出来るのか楽しみだねえ~」とお気楽なことを言っていた。
一緒にお弁当を食べてもらったあと、撮影したばかりのルームツアーの映像を見た上で、アニメーション関係者たちは全館を見学した。
各フロアのスタッフ数を確認しながら、「どの場面でどの人物をどう動かすか?」といった打ち合わせを夏としていた。
特にリハビリステーションでは、実際にスタッフがリハビリ用具を動かしている場面の動画を撮っていた。
――なるほど、アニメの動き、ね。
地下では送迎バスのドアを開け、誰かが実際に乗り込んで椅子に座るところまでを撮影。
そのほかにも、1階の待合室や順番モニター、自動精算機の映像、さらに売店兼カフェやメニュー表も丁寧に録画していた。
カフェでは実際に注文して、ランチやお弁当なども土曜日に撮影するのだそうだ。へえ~。
その後は、2階、3階、4階と順に撮影。4階では、夏がいろいろな検査機器について説明していた。
健康診断ではレントゲン撮影があるから、2階のレントゲン施設も健康診断のコースに入れてくれるように頼んでいた。
まあ、健康診断のコースの資料は、事前に渡しているそうだから大丈夫だろう。
最後の5階では、個室やスイートルームに加え、リビングやキッチン、ダイニング、冷蔵庫、シャワールームなど、
細かい部分までしっかりと収録していた。
――アニメを作るって、大変なんだな。
莉子も俺と一緒に、スタッフの邪魔にならないように見物して回った。
素材をそろえるだけでも、こんなにやることがあるんだ。なるほどね。
これは確かに、夏ひとりじゃできないわけだよ。よくわかった。
さあ、今日はプロの手で下地がしっかり整った。
あとは土曜日の――スタッフの撮影だな。さて、どうなることか?
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