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諦めの悪い魔女
しおりを挟むナーガの周りには無数の氷の塊、言わば氷弾が、ヴァレンの方に向いて今にも飛び出しそうな勢いだった。
氷弾の数は五十以上か…しかもひとつあたりの大きさは一メートルほどで幅は三十センチほど、実戦なら当たれば致命傷は間逃れないな。
しかもこの数を無詠唱で発動…厄介だな。
そしてナーガが手をこちらに向ける、そして無数の氷弾がヴァレンを襲った。
だが、ヴァレンはそれを軽く避けていく。
「あいつ、あの数を避けてるぞ!」
歓声が湧くが、周りも気づき始めていた
少しずつ服に弾がかすり始める。
そしていつの間にか氷弾がヴァレンをドーム状に囲っていた。
「この数を捌いた実力は認めてあげるわ、だけどこれは避けられないはずよ!さぁ負けを認めなさい!」
だが、それでもヴァレンは余裕の表情のままでいる。
「なんでそんな余裕そうなのよ、負けても死なないからと言って痛みが無いわけじゃないのよ!」
「いや、まず俺がこのくらいで負けるっていう前提なのがおかしいんだけどなぁ」
「だって、そんな囲まれた状態で何が出来るっていうの!」
「ナーガ、君の固有能力は無詠唱と魔力量が尋常ない量あるってところだろ」
「それがどうしたっていうのよ」
「俺にも能力があってもおかしくないだろ?」
事実として魔力はないが、能力はしっかりとあった、だがそれは使いたくないが止むを得ない。
「だけどこの状況を打破する能力なんてあるはずが無い!」
「やってみなくちゃ分からないじゃないか」
「お喋りはここまでよ!切り抜けられるかやってみなさい!」
すると全弾が一気にヴァレンに集まる…その瞬間だった、全ての氷が粉々に散り、まるで雪のように舞った。
「な、なんで!」
「簡単だ、俺の能力さ」
「この数を捌ける能力だというの…」
ナーガだけじゃない、周りのみんなも驚いていた。
この一瞬で何をしたのか分かった人間はいなかった。
「だけど、まだまだ行けるわ!」
「構わないが、無駄だぞ」
すると、今度は俺の周りに炎が渦巻く。
だが、またもや一瞬で霧散する。
「くっ!まだよ!」
さらに続けて無数の雷が飛来する。
これをヴァレンは身体能力のみで避け切る。
「もう、やめとけ」
すると、ヴァレンは目で追い切れない程の速度を出し、視認出来なくなる。
「終わりだ」
そこには手刀をナーガの首筋に添えていたヴァレンの姿があった。
そしてまたもや歓声が沸いたのだった…。
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